推し活クロニクル

推し活クロニクル 2018年|安室奈美恵(あむろなみえ)引退と「Lemon」、音楽配信の変化、羽生結弦(はにゅうゆづる)の五輪連覇

2018年、音楽配信市場で定額制ストリーミングの売上がダウンロードを初めて上回りました。安室奈美恵はドームツアーで80万人を動員し、沖縄でのラストステージを経て9月16日に引退しています。

映画館では『名探偵コナン ゼロの執行人』の安室透に熱狂するファンが続出し、『カメラを止めるな!』や『ボヘミアン・ラプソディ』も大ヒットしました。米津玄師「Lemon」やKing & Princeのデビュー、「にじさんじ」始動、羽生結弦の五輪2連覇までをたどります。

音楽配信で、ストリーミングの売上がダウンロードを上回る

日本レコード協会の集計では、2018年の国内音楽配信売上は前年比13%増の645億円でした。定額制などのストリーミングが349億円(前年比33%増)となり、ダウンロード売上256億円を初めて逆転しています。日本レコード協会の発表

2018年の国内音楽配信売上(日本レコード協会)

配信全体

645億円

ストリーミング

349億円

ダウンロード

256億円

この数字は音楽配信の中での比較であり、CDや音楽ビデオを含む音楽ソフト市場全体までストリーミングが上回ったわけではありません。

11月14日には、Googleによる音楽配信サービス「YouTube Music」と有料会員プラン「YouTube Premium」も日本で始まりました。有料プランでは広告なしで公式音源やMVを再生でき、画面を閉じたバックグラウンド再生や一時保存も利用できます。YouTubeの開始時の案内

安室奈美恵、最後のツアーを終えて9月に引退

前年に引退を発表していた安室奈美恵は、2月17日のナゴヤドームからファイナルツアー『namie amuro Final Tour 2018 〜Finally〜』を開催しました。国内5大ドーム17公演で女性ソロ歌手最多の約75万人、アジアを含め全23公演で約80万人を動員します。6月3日の東京ドーム公演でツアーを締めくくりました。8月発売のライブDVD・Blu-rayは、音楽映像作品として史上初のミリオン(累計170万枚超)を記録しています。ツアー最終公演の記録

東京・大阪・福岡・沖縄の4都市では、これまでの衣装やステージ映像を振り返る体感型展示会「namie amuro Final Space」も開かれました。9月15日には故郷・沖縄の宜野湾で開かれた音楽フェスへ出演して最後のステージに立ち、翌16日に25年間の活動へ幕を下ろしています。沖縄のライブを伝える記事

最終公演の演奏曲とステージの記録

同年の国内ライブ・エンタテインメント市場は、ぴあ総研の推計で前年比13.8%増の5,862億円に達しました。音楽公演と舞台のチケット販売額を合わせた数字です。安室奈美恵に加え、デビュー30周年のB’zや40周年のサザンオールスターズ、嵐や東方神起の大規模公演が市場を押し上げました。ぴあ総研の確定値

「Lemon」と「U.S.A.」、King & Princeのデビューと『ヒプマイ』

米津玄師は、石原さとみ主演のTBS系金曜ドラマ『アンナチュラル』の主題歌として「Lemon」を書き下ろしました。2月12日の先行配信に続き3月14日にCDが発売され、大切な人を失った悲しみに寄り添う歌詞とメロディが幅広い世代に届きます。10月にはCDとダウンロードの合計売上が211万を突破しました。大みそかのNHK紅白歌合戦では、故郷・徳島県の大塚国際美術館から生中継でテレビ初歌唱を披露しています。TBSの主題歌紹介/10月時点の売上報道

7月にはドラマの劇中衣装や小道具、米津が描いた登場人物のイラストを展示する企画も行われています。TBSの展示案内

6月6日にはDA PUMPが約3年8か月ぶりのシングル「U.S.A.」を発売しました。ユーロビートのカバー曲と片足で跳ねながら親指を立てる「いいねダンス」が「ダサかっこいい」と評判を呼びます。12月にはカラオケ店から動画で応募できる「全日本いいねダンス選手権」も開かれました。エイベックスの開催案内(アーカイブ)

アイドル界では5月23日、6人組グループ・King & Princeが「シンデレラガール」でCDデビューを果たしました。平野紫耀が出演したドラマ『花のち晴れ〜花男 Next Season〜』の主題歌として親しまれ、初週57.7万枚を売り上げる大ヒットとなります。ファンネームは「ティアラ」と名付けられました。UNIVERSAL MUSIC JAPAN(King & Prince)

また、男性声優によるキャラクターラッププロジェクト『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』も熱気を集めます。イケブクロ・ヨコハマ・シブヤ・シンジュクの4ディビジョンがCD封入の投票券で勝敗を競う「Battle Season」が開幕しました。年末の第60回日本レコード大賞では、乃木坂46が「シンクロニシティ」で2年連続の大賞を受賞しています。ヒプノシスマイク公式/日本作曲家協会の受賞記録

『名探偵コナン ゼロの執行人』と『カメ止め』『ボヘミアン・ラプソディ』

映画館では、観客が何度も劇場へ足を運ぶリピート鑑賞や口コミヒットが相次ぎました。4月13日公開の劇場版『名探偵コナン ゼロの執行人』は、安室透(公安警察の降谷零)をメインに据えて興行収入91.8億円の大ヒットとなります。何度も劇場へ通うことは「執行される」、彼を推すファンは「安室の女」と呼ばれました。安室透が表紙を飾った『週刊少年サンデー』やスピンオフ『ゼロの日常』も完売・重版を繰り返しています。日本映画製作者連盟

6月23日には、上田慎一郎監督と無名の俳優陣による製作費300万円のインディーズ映画『カメラを止めるな!』が都内2館(新宿K’s cinema・池袋シネマ・ロサ)で公開されます。冒頭37分間のワンカットによるゾンビ映画と後半の伏線回収がSNSの口コミで爆発的に広がりました。全国350館以上へ拡大公開され、興行収入31.2億円を記録しています。また、是枝裕和監督の『万引き家族』は第71回カンヌ国際映画祭で最高賞パルムドールを受賞し、興行収入45.5億円を記録しました。

11月9日には、ロックバンド・クイーンのフレディ・マーキュリーの半生を描いた映画『ボヘミアン・ラプソディ』が公開されました。クライマックスの「ライヴ・エイド」再現シーンで手拍子や合唱ができる「胸アツ応援上映」が世代を超えて広がります。映連の2018年公開作品の集計では、興行収入131.0億円で年間総合1位となっています。日本映画製作者連盟

台風で公演中止。X JAPANが無観客で生配信する

9月28日から30日にかけて、X JAPANは幕張メッセで3日間の大型ライブ『X JAPAN Live 日本公演 2018 〜紅に染まった夜〜 Makuhari Messe 3Days』を開催していました。しかし最終日の30日は、大型の台風24号の接近とJR京葉線の計画運休を受けて、観客の安全のために公演中止が決まります。

その直後、YOSHIKIらメンバーは3万3,000人分の空席が広がる会場で、予定していた全曲を無観客のまま全力で演奏しました。全編がニコニコ生放送の「YOSHIKI CHANNEL」とWOWOWで生中継され、100万人超の視聴者が声援を送っています。WOWOWの公演記録

同じ日の公演を、会場から配信へ変更
予定していた観客入り公演台風の影響で9月30日は中止
無観客で演奏し、生中継ファンはネット越しにステージを見る

2020年以降のコロナ禍で広がる「無観客配信ライブ」に先駆けて、不測の事態でもファンへステージを届けた試みでした。

BTSの日本ドームツアーと、日韓の出演者が競う『PRODUCE 48』

全米チャートで2作連続1位を獲得したBTSは、11月13日・14日の東京ドームから初の日本4大ドームツアーを始めました。東京に続き大阪・名古屋・福岡を回る全9公演は翌2019年2月まで開催され、38万人を動員しています。BTS公式のツアー日程

6月15日から8月31日には、日韓合同オーディション番組『PRODUCE 48』が韓国のMnetと日本のBSスカパー!で同時放送されました。日本のAKB48グループのメンバー39人と、韓国の芸能事務所の練習生57人の計96人が参加しています。AKB48の放送案内

過酷なクラス分け評価やポジションバトルを経て、最終回で誕生したのが12人組グローバルガールズグループ「IZ*ONE(アイズワン)」です。日本からはHKT48の宮脇咲良と矢吹奈子、AKB48の本田仁美の3人が選ばれ、2年6か月の専任活動へ踏み出しました。デビューメンバーの公式発表なお、番組の視聴者投票(国民プロデューサー投票)は韓国国内からのみ可能でした。当時の投票方式の報道

にじさんじが始動。アニメでも新しいキャラクターが登場

2月8日、いちから(現ANYCOLOR)が「にじさんじ」の1期生ライバー8人(月ノ美兎・樋口楓・静凛ら)の活動を開始しました。iPhone Xの顔認識機能と2Dイラスト(Live2D)を組み合わせて生配信を行う仕組みです。編集動画が主流だった3D系VTuberに対し、長時間の雑談やゲーム実況で視聴者のコメントと掛け合う「生配信文化」を定着させました。運営会社の当日の発表

12月6日には、ホロライブ内でゲーム実況を中心に活動する新ユニット「ホロライブゲーマーズ」の始動が発表されました。すでに1期生として活動していた白上フブキに、新人の大神ミオ(のちに猫又おかゆ・戌神ころねも合流)を加えた編成です。カバーの発表

テレビアニメでは4月から、実在の名馬をモチーフにした少女たちが学園生活とレースに挑む『ウマ娘 プリティーダービー』第1期が放送されました。スペシャルウィークやサイレンススズカの史実を踏まえた物語が好評を博し、2021年のスマホゲームアプリの配信へとつながります。アニメ放送開始の案内

10月からは、ゾンビの少女たちがご当地アイドル「フランシュシュ」として活動するアニメ『ゾンビランドサガ』が放送されました。舞台となった佐賀県のドライブイン鳥や唐津市歴史民俗資料館へ、多くのファンが聖地巡礼に訪れています。第1期公式サイト

羽生結弦の五輪連覇。競技中の言葉も話題に

2月9日から25日に開かれた平昌冬季五輪では、右足首の怪我から復帰した羽生結弦がフリー「SEIMEI」を演じ切りました。フィギュアスケート男子シングルで66年ぶりとなる五輪2連覇を達成しています。宇野昌磨も銀メダルを獲得し、演技後のリンクには無数の「くまのプーさん」のぬいぐるみが投げ込まれました。スピードスケート女子では小平奈緒(500m)と高木菜那(団体パシュート・マススタート)が金メダルに輝いています。JOCの競技結果

カーリング女子では、北海道北見市常呂町を拠点とする日本代表「ロコ・ソラーレ(LS北見)」が男女通じて日本カーリング史上初の銅メダルを獲得します。試合中に作戦を話し合う「そだねー」という北海道弁のやり取りや、ハーフタイムにおやつを囲む「もぐもぐタイム」が親しまれました。

さらにメジャーリーグのロサンゼルス・エンゼルスへ移籍した大谷翔平が、投手と打者の「二刀流」で全米を沸かせます。投手として4勝・打者として22本塁打を記録し、11月にアメリカン・リーグの新人王へ選出されました。受賞時の報道

この年の主な出来事

2018年の推し活年表

この年の言葉・新語・流行語大賞

2018年の新語・流行語大賞と、この年の言葉

年間大賞はカーリング女子の「そだねー」でした。トップテンにはゲーム対戦を競技として楽しむ「eスポーツ」や、サッカーW杯で大迫勇也を称えた「(大迫)半端ないって」が入っています。田中圭・吉田鋼太郎・林遣都が出演し、土曜深夜枠からTwitter世界トレンド1位を生んだドラマ『おっさんずラブ』も選ばれました。2018年の授賞語

推し活年表

よくある質問

2018年にストリーミングが何を上回ったのですか?

日本レコード協会の集計による、国内音楽配信の年間売上の比較です。ストリーミングが349億円となり、ダウンロードの256億円を初めて上回りました。CDなどを含む音楽市場全体との比較ではありません。

安室奈美恵(あむろなみえ)のラストツアーはいつ行われましたか?

2018年2月から6月3日まで、国内とアジアを回り、約80万人を動員しました。9月15日には沖縄のイベントで最後のライブを行い、翌16日に引退しました。

X JAPANが無観客ライブを行った理由は何ですか?

9月30日の幕張メッセ公演が台風の影響で中止になったためです。X JAPANは観客を入れずに演奏しました。全編がニコニコ生放送のYOSHIKI CHANNELとWOWOWメンバーズオンデマンドで生中継されました。

BTSの日本初ドームツアーは2018年だけの公演ですか?

2018年11月から2019年2月にかけて行われたツアーです。東京ドーム公演は2018年11月13日・14日でした。

「ホロライブゲーマーズ」は、ホロライブそのものの開始ですか?

違います。すでに活動していたホロライブの中で、ゲーム実況やゲーム大会を中心に活動するユニットとして、2018年12月6日に始動が発表されました。