事後通販・受注生産とは?「買い逃し」を救う販売方式の用語【推し活用語辞典】
会場へ行けない日に「事後通販あり」のお知らせを見て、ひと安心。でも、欲しいものが必ず買えるのでしょうか。事後通販と受注生産の違い、申し込みや配送で確認したいことをまとめました。

事後通販・受注生産の意味
事後通販とは、ライブやイベントの会場で販売されたグッズを、開催後にオンラインで買えるようにする販売方式です。
受注生産とは、あらかじめ在庫を作らず、注文数を確定させてから製造・発送する方式です。
| 方式 | 買えるタイミング | 特徴 |
|---|---|---|
| 事前通販 | イベント前 | 当日荷物が増えない。数量限定のことが多い |
| 会場販売 | イベント当日・会場のみ | 実物を見て選べる。行けなければ買えない |
| 事後通販 | イベント後 | 会場の残在庫や受注生産の商品を販売。実施されない場合もある |
| 受注生産 | 受付期間内 | 注文数に上限がある場合も。受付終了後の購入機会は保証されない |
この2語は性質が違います。事後通販は販売する時期、受注生産は作り方についての言葉です。「事後通販かつ受注生産」という運用もあり、その場合も注文数の上限や早期終了がないか、受付締切とあわせて確認しましょう。
語源と歴史
「事後通販」はイベント「後」に行う通販という字義どおりの組み合わせで、業界のなかで自然に定着した言い方です。いつごろ一般化したのかを示す資料は見あたらず、オンライン通販そのものの普及に合わせて広がったものと考えられます。グッズ通販サイトでも、「事前通販/イベント通販/事後通販」という区分でカテゴリが分けられています(ムービック)。実務上の分類として定着していることが分かります。
受注生産は推し活グッズ固有の言葉ではありません。もともとアパレルや製造業で使われてきた「在庫を作らない生産方式」が、そのまま持ち込まれたものです(BASE U)。
似た言葉との呼び分け
- 事後物販/事後販売:事後通販とほぼ同義。告知文によって表記が揺れます
- 再販:一度売り切れた商品を改めて作って売ること。イベントとの紐づけがありません
- 会場限定:そもそも事後通販が用意されない前提の販売。
使用例
- 「これ事後通販あるかな……行けなかったから祈ってる」
- 「事後通販ありがたい、地方民の味方」
- 「受注生産だから、欲しいなら今のうちに確定させないと」
- 「事後通販の発送、まだ来ない。気長に待つ」
- 「受注分、締切ぎりぎりで滑り込んだ」
「事後通販あり」を確約と受け取らない
告知でよく見るのは「事後通販を実施予定」という書き方です。ここでの予定は確約ではありません。 会場で売り切れれば通販に回す在庫がなく、運営が実施そのものを見送ることもあります。
- 告知の主語を読む:「実施します」と「実施予定です」は意味が違います
- 数量の記載を探す:「会場での販売分に余剰があった場合」という条件が付いていることがあります
- 公式の告知だけを見る:「事後通販あるらしい」という伝聞は、ほとんどが未確定情報です
- 代わりの手段を先に考える:行ける人に頼むか、遠征して自分で買うかを早めに決めます
事後通販がない場合、残る選択肢はフリマアプリの高額出品だけになりがちです。そのためファンは、「事後通販あり」を利便性ではなく公平性の問題として受け止めています。
受注生産で失敗しない確認事項
- 締切日時を先に控える:締切前でも注文数の上限に達すると受付が終わる場合があります。カレンダーに入れておきます
- サイズと数量を読み返す:キャンセル・変更の条件を確認し、確定ボタンを押す前に内容を見直しましょう
- 受け取り方法を確認する:予約したうえで会場受け取り、という運用もあります。通販と思い込んでいると受け取れません
- 発送予定時期を控える:「◯月発送予定」を残しておくと、問い合わせの判断がつきます
届くまでの流れと待ち方
会場の残在庫を販売する場合は、イベント終了後に運営側が在庫を確認し、販売ページを公開して注文を受けてから梱包・発送へ進みます。物流を専門企業に委託する体制も広がっています。注文から発送までに数週間から数か月かかることは珍しくありません。
通常のネット通販なら数日で届くため、その感覚のまま待つと「何かの手違いでは」と不安になります。事後通販はまだ作っていない/まだ数えている段階から始まっていると考えると、かかる時間を見積もりやすくなります。告知された発送予定時期を過ぎても連絡がない場合は、注文完了メールの控えを添えて公式の問い合わせ窓口へ連絡しましょう。SNSで運営に直接尋ねるより確実です。
推し活未来研究所メモ:在庫リスクの移動が、公平性の問題になった
事後通販と受注生産は、企業側から見れば在庫リスクを減らしながら販売機会を最大化する仕組みです。会場で売れる分だけ作り、余りはオンラインで売ります。受注生産なら売れ残りのリスクを減らせます。物流を外部に委ねる体制が整ったことで、この運用は以前より現実的なものになりました。
ただし、リスクは消えたのではなく移動しています。企業側の売れ残りリスクが減る一方で、消費者は「本当に届くのか」「いつ届くのか」という不確実性を引き受けています。事後通販を実施するかどうかが最後まで決まらない場合も同じで、待つ時間のコストを負うのはファンの側です。
だからこそ、この方式の満足度を決めるのは価格でもデザインでもなく、知らせ方です。実施の有無をいつ確定させるか、発送が遅れたときに一報を入れるか。会場限定のみという運用が炎上しやすいのも、同じ理由で説明できます。購入機会が場所と時間に限られていることへの説明が足りないのです。事後通販は、その説明を製品ではなく運用で行う手段です。
関連語
よくある質問
事後通販とは何ですか?
ライブやイベントの会場で売られたグッズを、開催後にオンラインで買えるようにする販売方式です。会場に行けなかった人が買える手段になっています。
受注生産とはどういう仕組みですか?
先に注文を受け付け、数量を確定させてから製造する方式です。注文数に上限があり、受付が早く終了する場合もあります。受付終了後の購入機会は保証されず、キャンセルの条件は販売元によって異なります。
事後通販は必ず実施されますか?
いいえ。告知は「予定」であることが多く、会場での売れ行き次第で在庫が残らず、実施されない場合があります。確約と受け取らないほうが安全です。
事後通販はいつ届きますか?
数週間から数か月かかることがあります。受注生産の場合は受付終了後に製造・検品・発送が進むことがあるため、通常のネット通販と同じ感覚で待つと不安になりがちです。
受注生産の注文は変更できますか?
キャンセルや変更の可否は販売元の条件によります。サイズや数量の間違いも直せない場合があるので、確定前に必ず内容を読み返してください。




