推し活×用語辞典

全通とは?​意味・​費用の​リアル・​全通しない​選択​【推し活用語辞典】

ツアー日程を眺めて、「全部行けたらいいな」と予定を数えてしまう。全通の意味や界隈ごとに違う「全部」の範囲、費用の見積もりと無理のない計画の立て方を紹介します。

全通のイメージ

全通(ぜんつう)の意味

全通とは、ツアーやイベントの全公演・全日程に参加(=通う)こと。「全部通う」の略です。

派生語も豊富です。

用語意味
半通約半分の公演に参加
〇〇公演のみ地元公演だけ、千秋楽だけなどの選択参加
全落ち全公演の抽選に外れること(全通の対義的悲劇)
全通勢全通しているファン層

界隈による言い換えもあります。舞台・2.5次元界隈では「全ステ」(全ステージ)、アイドルの特典会文化圏では「全部の回に入る」など、同じ行動に別の名前がついています。

語源と歴史

全通は「全公演に通う」を縮めた現場語です。舞台・ライブの複数日程をすべて観る行動を表し、ツアー全会場へ行く意味まで含むかは界隈で変わります。

使用例

  • 「今回のツアーは、遠征を含めて全通したい」
  • 「全通は無理だから、地元と千秋楽の2本に絞った」
  • 「日替わり曲があるから全通勢がうらやましい」
  • 「全通完走しました!全会場で違う景色を見られて幸せでした」(SNS投稿)
  • 「結局は半通で落ち着いたけど、行けた回はどれも当たりだった」

「全部」が指す範囲は界隈で違う

やっかいなのは、全通の「全」が何を数えているかが一定でないことです。会話が噛み合わないときは、たいてい単位が食い違っています。

界隈「全通」が指しやすい範囲
ライブツアーツアーの全会場・全公演
舞台・2.5次元同じ演目の全ステージ(全ステ)
特典会・接触イベント開催されるすべての回に入ること
スポーツ観戦ホーム全試合など、対象を区切ったうえでの「全部」

同じ界隈の中でも、「東京公演は全部行った」を全通と呼ぶ人と、全会場をそろえて初めて全通と呼ぶ人がいます。数を競う話に見えて、実は定義の話であることが少なくありません。

全通の費用感(ざっくり計算)

例えば全国5都市10公演のツアーなら:

  • チケット: 約1万円 × 10公演 = 10万円
  • 遠征4都市: 交通費+宿泊で1回2〜5万円 × 4回 = 8〜20万円
  • 合計: 20〜30万円規模+グッズ・飲食

これを可能にするのが、ツアー発表前からの推し活貯金と、有給・シフトの完璧な管理。全通勢は、実は優秀なプロジェクトマネージャーです。

全通計画の立て方(実践編)

  1. 日程発表と同時に全体表を作る — 公演日・会場・当落発表日・交通・宿を一覧化。ここが全通の設計図になります
  2. チケットの確保ルートを整理する — ファンクラブ先行・一般発売・公式リセールなど、公式ルートの選択肢を把握しておく(非公式の高額転売には手を出さないのが鉄則です)
  3. 体力と仕事の回復日を組み込む — 連戦の間に休む日を先に確保。全通の失敗要因は資金より体調のことが多いと言われます
  4. 「行けない公演が出たら」の撤退ラインを決めておく — 全落ちや仕事の都合は起こり得ます。完走だけが成功ではないと最初に決めておくと、心が軽くなります

よくある誤解

  • 全通勢=お金持ちとは限らない — 長期の積立と節約遠征で実現している人が大半です
  • 全通は「回数の自慢」ではない — 日替わり要素を全部見たい、推しの成長を全公演で見届けたいなど、動機は体験そのものにあります

「全通=愛の証明」ではない

大切なことなので明確に。全通は楽しみ方のひとつであって、愛の単位ではありません。

  • 日替わり曲・セトリの変化を全部見たい → 全通が向いている
  • 1公演を全力で味わいたい → 選択参加が向いている
  • 「全部行かなきゃ」が義務感になってきた → 推し活疲れのサイン。休むのも推し活です

推し活未来研究所メモ:全通を前提にしない設計

全通文化の背景には「公演ごとに違う体験」の設計があります。日替わり曲、ご当地MC、進化する演出——同じものの繰り返しなら、人は全通しません。これはリピート施策の本質で、飲食店の日替わりメニューからイベントの回替わり特典まで、あらゆる「また来たくなる」設計に通じる原理です。

一方で、運営側には全通を前提にしない設計も同じくらい重要です。全公演に来ないと物語が完結しない構成は、来られないファンの疎外感を生みます。健全なのは「1公演でも満足、全部見たらもっと深い」という重層設計。全通勢の熱量に応えつつ、選択参加のファンも取り残さないバランス感覚が、ファンダム全体の寿命を延ばします。

もうひとつ、全通という言葉が浮かび上がらせるのは、ファンの側にある時間の予算です。話題になりやすいのは金額のほうですが、有給の残日数、家族との調整、翌朝の勤務——実際の上限は時間側にあることが多い。日程を早めに出す、平日と週末を偏らせない、オンラインの選択肢を並走させるといった打ち手は、時間の制約が大きい人にも参加の余地を残す設計として検討に値します。誰にどこまで来てもらう前提で企画を組むのかは、集客の数字より先に決まってしまう問いだと研究所は考えています。

関連語

遠征/セトリ/現場/推し活貯金

よくある質問

全通とはどういう意味ですか?

ツアーやイベントの全公演・全日程に参加(通う)ことです。「全部通う」の略で、ライブツアーの全会場を回る、舞台の全公演に入るといった使い方をします。

全通にはいくらぐらいかかりますか?

公演数と開催地によりますが、地方公演を含むツアーではチケット代に加えて交通費・宿泊費がかさみ、数十万円規模になることも珍しくありません。

全通と全ステの違いは何ですか?

意味はほぼ同じで、界隈による言葉の違いです。ライブツアーでは「全通」、舞台・2.5次元界隈では「全ステ(全ステージ)」が使われる傾向があります。

全通しないとファンとして半端ですか?

まったくそんなことはありません。全通は楽しみ方のひとつで、1公演を全力で楽しむ人も、配信で応援する人も対等です。義務感になってきたら休むサインです。