Jリーグと推し活|ポケモンとの出会いから、地域で応援を続ける接点へ
好きな選手のユニフォームを着る、クラブの色のタオルを掲げる、アウェイへ遠征する。Jリーグの応援には、いま推し活と呼ばれる行動に通じる楽しみ方があります。企業が参考にしたいのは、初めて知るきっかけと、応援を続ける接点の両方を用意することです。

ポケモンとの全国企画、地域に根差す百年構想、試合のない日のスタジアム利用を、公式資料から見ていきます。コラボの発表だけで集客への効果を断定せず、来場前後の案内へどう生かすかを考えます。
ポケモンを知っている人が、地元クラブを知る入口
Jリーグの2026年7月6日発表は、2026/27シーズンの開幕に合わせ、全国60クラブで「ポケモンJリーグフェス」を行うと案内しました。各クラブに異なるパートナーポケモンを設定し、対象試合でエコバッグを計100万人へ配る計画です。
この一覧は、好きなポケモンからクラブ名へ、また地元クラブからポケモンへと見比べられる構成です。クラブをまだ詳しく知らない人にも、最初に注目するものを用意する事例として読めます。
ただし、配布計画の人数は、新規ファンの人数や再訪者数ではありません。企画を評価するなら、初観戦の人に何をきっかけに来たかを聞く、次の観戦へつながったかを確かめるなど、知りたい行動に対応する記録が必要です。
百年構想は、観戦だけに限らないスポーツの理念
Jリーグ百年構想の公式ページは、1996年からの理念を紹介しています。地域に根差すクラブを通して、誰もがさまざまな形でスポーツを楽しめる環境を目指すものです。単に一つのクラブの商品を長く買ってもらう計画とは異なります。
推し活の視点から考えると、観戦する、運動する、地域の活動へ参加するなど、関わる方法を複数持てる点が参考になります。毎試合に通えない人も、別の接点でクラブに親しめます。
一方、地元だからそのクラブを応援しなければならないわけではありません。出身地、選手、プレースタイル、友人からの誘いなど、入口は人それぞれです。地域との関係を大切にしながら、好きになり方まで一つに決めない案内が求められます。
試合のない日にも訪ねられる場所を作る
FC今治は2026年8月5日の公式案内で、アシックス里山スタジアムの平常時の利用エリアを説明しています。試合やイベントのない日には、指定された座席を利用できる一方、ピッチ内やクラブハウスなどには立ち入れません。天候や点検、催事で利用エリア・時間が変わる場合もあります。
スタジアムがあることと、どの場所でも毎日自由に使えることは別です。現地を訪ねる人は、施設の案内図と最新のお知らせを確認します。
運営側が参考にできるのは、試合以外の訪問目的を示し、それに対応する利用条件を具体的に伝えることです。散歩、休憩、飲食などを考える場合も、使える場所、休業日、立入範囲が分かれば、初めての人も予定を組みやすくなります。
初観戦から次の観戦まで、案内を分ける
初めて来る人と、毎試合通う人では、必要な情報が異なります。
| 場面 | 初めての人が知りたいこと | クラブ側が用意できる案内 |
|---|---|---|
| 来場を考える | 誰の試合か、何時に終わるか | 対戦、開始時刻、所要時間の目安、帰路 |
| チケットを選ぶ | どの席で見ればよいか | 席種の違い、価格、応援エリアの説明 |
| スタジアムへ向かう | 入口、交通、持ち物 | アクセス、入場口、持込規定 |
| 観戦する | 選手の見分け方、応援への参加 | 背番号や選手紹介、観戦ルール |
| 帰宅後 | 次にどう楽しめるか | 試合日程、結果、選手や地域活動の発信 |
この表は研究所による案内設計の例です。指定席と応援中心の席の違い、声を出してよい場所、撮影やグッズの扱いは、公演や競技の習慣から推測せず、当該クラブ・試合の規定で確認します。
応援の共通点を、優劣や起源の話にしない
| サッカーで親しまれる行動 | 推し活と共通する見方 |
|---|---|
| ユニフォームやタオルを身につける | 好きな存在や色を表す |
| チャントを歌う | 周囲と一緒に応援する |
| アウェイへ行く | 推しが活動する場所を訪ねる |
| 選手の背番号を選ぶ | 個人の活躍を楽しみにする |
| クラブを家族や友人と応援する | 好きなものを一緒に楽しむ |
共通点はありますが、スポーツの応援が他の推し活のすべての起源だという意味ではありません。クラブを応援する人も、選手を応援する人も、試合自体を楽しむ人もいます。既存の応援文化を一つの呼び名に置き換えるより、それぞれが大切にする行動を知る方が、施策の検討に役立ちます。
企業がコラボ後に確かめたいこと
配布物を受け取った人へ、何を次に案内するかまで企画に含めます。次の試合、選手の紹介、ファンクラブ、地域イベントなどから、相手に合う接点を選べるようにします。
- 来場のきっかけは、作品、クラブ、選手、同行者のどれだったか
- チケットや入場の案内で迷わなかったか
- コラボ以外で印象に残った体験は何か
- 次に知りたい情報や、参加したい機会はあるか
全員を有料会員へ進めることだけを目標にせず、初観戦で楽しめたか、無理なく再び関われるかも確かめます。観戦の頻度や使える時間は、ファンごとに違います。
Jリーグの事例から読み取れるのは、入口の広さと、その先にある日常の接点をつなぐ方法です。企業の企画でも、人気IPとの出会いを作った後、どんな情報や体験を届けるかを一緒に準備したいところです。
スポーツ団体の推し活施策のご相談は、株式会社KAZAORIまで。関連記事:Bリーグと推し活/プロ野球と推し活/ファンマーケティング
よくある質問
スポーツ観戦も推し活に含まれますか?
好きな選手やクラブを応援し、ユニフォームを選んだり現地へ行ったりする行動は、推し活と共通する楽しみ方です。すべてのサポーターが同じ呼び名や応援方法を使うわけではありません。
ポケモン×Jリーグの企画は何ですか?
2026/27シーズンの開幕に合わせ、60クラブにそれぞれパートナーポケモンを設定した公式企画です。発表では対象試合で計100万人へエコバッグを配布する計画が示されました。配布計画は、新規ファン獲得の実績とは区別します。
Jリーグ百年構想とは何ですか?
1996年から掲げられている、地域に根差したクラブを通してスポーツを楽しめる環境を目指す理念です。観戦や商品購入だけに限らず、さまざまな形でスポーツに関わることを含みます。



