にじさんじ運営が売上557億円に/佐賀県×キングダムに21万人集結【週刊推し活ニュース 2026年6月12日号】

2026年6月5日〜6月11日の1週間から、企業の推し活マーケティング・ファンビジネスの注目ニュースをお届けします。
今週のハイライト
今週のキーワードは、推し経済の規模が、決算と統計の数字として表に出たでした。
にじさんじを運営するANYCOLOR株式会社は6月10日、2026年4月期の通期決算を発表。売上高は約557億円(前期比29.9%増)を記録し、VTuber1名あたりの収益は前期の252百万円から311百万円へ伸びました。同じ週には、佐賀県と『キングダム』のコラボが参加者数延べ約21万人という反響を受けて9月30日まで延長。ローソンでは『呪術廻戦』が世界累計1.5億部の発行部数を背景に5周年キャンペーンを始めています。
ファン向けサービス同士の連携も動きました。音声プラットフォームのVoicyは、800社以上を支援してきたファンベースカンパニーと包括的アライアンスを締結。自社イベント「Voicyファンフェスタ2025」の全8公演が完売し、NPS58.1という数字を土台にした提携です。企業がファンを応援する側に回る動きも見られ、日本農産工業は「ヨード卵・光」の50周年イヤーに、CMキャラクターであるバイきんぐ・小峠英二さんへの誕生日応援広告を渋谷駅に掲出しました。
にじさんじ運営の最新決算が示す、推し経済の大きさ
ANYCOLOR(にじさんじ運営)— 通期売上557億円で最高益を更新
にじさんじを運営するANYCOLOR株式会社は6月10日、2026年4月期通期決算を発表しました。売上高は約557億円(前期比29.9%増)、営業利益は約202億円(同23.9%増)、当期純利益は約141億円(同22.4%増)。事業別では、グッズ販売などコマース領域が前期比36.8%増の約381億円と全社成長を牽引し、大型公演の増加を背景にイベント領域も同44.9%増の約41億円となりました。KPI面ではYouTube再生回数が62億回(同17.3%増)、グッズ施策数203施策、イベント視聴チケット販売枚数63.2万枚(同38.6%増)を記録しています(Mogura VR)。
VTuber数は9名純増の179名となり、VTuber1名あたりの収益は前期の252百万円から311百万円へ伸びました。2029年4月期には売上高800億円を中期目標に掲げています。
研究所メモ: グッズ施策数203件、チケット販売63万枚超という数字は、コンテンツの物量そのものが収益に直結していることを示しています。VTuber1人あたりの収益が伸びた背景には、個人をブランド化し、継続的に商品とイベントへ変換する仕組みがあります。ファンとの接点を「回数」で設計する発想は、他業種のロイヤルティ施策にも応用できる視点です。推し活マーケティングの設計原則とあわせて参考になります。
企業がファンの声援と応援に、正面から向き合った
日本農産工業×バイきんぐ小峠 — 50周年に誕生日応援広告
日本農産工業は6月6日から、「ヨード卵・光」のOOH広告をJR渋谷駅の埼京線ホームに掲出しました。2026年に50周年を迎えた同ブランドは、同じく50歳のバイきんぐ・小峠英二さんをCMキャラクターに起用しており、小峠さんの誕生日である6日に応援広告の掲出を開始。企画を手掛けた電通東日本の和田真之介氏は、あえて企業色を前面に出さず、本当にファンが作ったような“ファンメイド感”のあるクリエイティブを目指したと説明しています(AdverTimes.)。
一般の方のSNS投稿から広告が拡散し、ポジティブな反響を得られたといいます。
研究所メモ: 企業がタレントを応援する広告自体は過去にもありますが、今回は「同じ50歳」という文脈と“ファンメイド感”を重ねた点が効いています。企業色を消すことで、一般の応援広告への敬意が伝わり、SNSでの拡散が自然に起きました。契約タレントを推す施策は、周年イヤーの話題を単発で終わらせない継続装置になり得ます。
湖池屋 — 販売終了から8年、ファンの声が「ピンキー」を復活させた
湖池屋は6月6日、1997年発売のフルーツミントタブレット菓子「ピンキー」ブランドの復活を発表しました。新商品はタブレットではなく、フレーバーのミストを吸って楽しむ「ピンキーミスト」で、7月上旬から全国のドン・キホーテで順次販売します。フレーバーはピーチミントなど全7種。同社担当者によると、2018年の生産終了後も復活を望む声が多く寄せられていたといいます(AdverTimes.)。
2020年には歯周サポート機能性表示食品「Pinky FRESH」として口腔ケア領域にも展開しています。
研究所メモ: 販売終了から8年越しでも、ファンの声が商品復活の起点になった事例です。ブランドの核である「美味しくてお口スッキリ」という価値は残しつつ、形状を「吸う」という新しい楽しみ方に転換した点が重要です。過去の商品資産は、消えたあとも“待ち望む声”という形でファン化が続いていることを示しています。
コンビニと商業施設が、キャラクターの舞台を用意した
集英社×ローソン — 呪術廻戦5周年、1.5億部の熱を店頭へ
アニメ『呪術廻戦』の放送5周年を記念したタイアップ企画が、6月16日より全国のローソン店舗で始まります。コミックスの全世界シリーズ累計発行部数はデジタル版含め1.5億部を突破しており、2025年10月公開の劇場版『呪術廻戦0』の復活上映は全世界興行収入265億円を記録しています。キャンペーンでは対象のお菓子を3点購入すると先着・数量限定でオリジナルアートシートを1枚プレゼント(各店舗計18枚限定)。ローソン公式X(@akiko_lawson)を活用した引用ポストキャンペーンも実施し、抽選で1名にQUOカード1万円分が贈られます(超!アニメディア)。
研究所メモ: 各店舗18枚限定という数量設計が、来店動機を1回で終わらせず複数回に分散させています。1.5億部という発行部数の大きさより、店頭でどう小分けにして提供するかの設計のほうが、実際の来店頻度を左右します。コンビニのようにドミナント出店している業態は、全国一律の限定数を武器にできる立場にあります。
あべのハルカス×名探偵コナン — 30周年を地上300mの展望台で
TVアニメ『名探偵コナン』の放送30周年を記念するコラボイベント「ハルカス300×名探偵コナン 衝空の晴天台」が、7月24日から11月29日にかけて大阪・あべのハルカスの展望台「ハルカス300」で開催されます。コミックスの全世界累計発行部数は2億7,000万部を突破。大阪・関西を舞台にしたエピソードの振り返り展示や、服部平次と遠山和葉の恋物語を振り返る特別展示が予定されています(にじめん)。
研究所メモ: 地上約300mという展望台の立地条件そのものを、原作の“地元感”と結びつけている点が特徴です。大阪を舞台にした作品だからこそ、大阪のランドマークで開催する意味が生まれます。商業施設にとって、IPの世界観と自施設の物理的な特徴(高さ・立地・眺望)を重ねられるかどうかが、単なるグッズ販売との違いになります。
大丸松坂屋百貨店×株式会社闇 — 百貨店をXRホラーの迷宮に変える
大丸松坂屋百貨店は、ホラー専門会社の株式会社闇、XRアトラクション開発の日本XRセンターとの共創により、XRホラーアトラクション『迷界デパート〜終わらない記憶が彷徨う、無限の百貨店迷宮〜』を発表しました。7月16日から8月11日まで大丸東京店11階催事場で開催予定で、制作支援を募るクラウドファンディングが6月5日にCAMPFIREで始まっています(目標30万円)。闇は「行方不明展」など累計動員40万人超のホラー展を手がけてきた企業です(Mogura VR)。
大丸松坂屋百貨店は自社のVTuber事業「EchoVerse」も運営しており、2026年4月には第2期オーディションを実施しています。
研究所メモ: 百貨店が自らVTuber事業を運営しながら、XRアトラクションにも投資している点が示唆的です。売り場面積という物理的な制約を持つ百貨店にとって、XRは「催事場を使い回せる」新しいコンテンツ形態になり得ます。閉店後の空間を別の収益源に変える発想は、他の商業施設にも転用できます。
自治体とホテルが、滞在する時間を推し活に変えた
佐賀県×キングダム — コラボ延長の背景に参加21万人
『キングダム』と佐賀県がコラボした「キングダム×(駆ける)佐賀県」プロジェクトが、9月30日まで延長されることが決定しました。原作は2026年1月に連載20周年を迎え、電子版を含む累計発行部数は1億2,000万部を突破。今年1月下旬から3月までの約2ヶ月間で参加者数が延べ約21万人を記録したことが延長の背景です。7月中旬には温泉街全体を装飾した「古湯キングダム温泉郷」が登場するほか、佐賀キングダム空港の装飾も6月12日からアップデートされます(アニメ!アニメ!)。
実写映画は2024年公開の第4弾『大将軍の帰還』が興行収入80億円を記録しており、7月17日には第5弾が公開されます。
研究所メモ: 21万人という参加者数が、当初期間の延長という経営判断を後押ししました。自治体の観光施策は単年度の予算で終わりがちですが、この事例は反響を数字で捉え、期間と投資対象を追加する判断につながっています。空港・温泉街・読破堤と接点を複数用意し、どこか一つに触れれば別の接点へ誘導する設計も参考になります。
新横浜プリンスホテル — “ぬい活”ステイに100着のぬい服
新横浜プリンスホテルは、6月20日から2027年3月31日まで、“ぬい活”を楽しめる宿泊プラン「ときめく推し空間~“ぬい”ドレスアップステイ~」を販売します。客室には人気作家による“ぬい服”を約100着用意し、推しぬいの着せ替えを楽しめる内容。客室は赤・青・黄・緑・紫・ピンク・オレンジの全7色から選べる推し色装飾ルームです。料金は1名10,300円より(1室2名利用時)、予約は6月15日12時から受け付けます(超!アニメディア)。
研究所メモ: “ぬい服”を100着という物量で用意した点が、この企画の投資規模を物語っています。ホテル側が着せ替えアイテムを揃えることで、宿泊客は自分の“ぬい”を持ち込むだけで完結する体験になります。宿泊期間を2027年3月末までと長く設定しているのも、単発イベントではなく通年商品として定着させる狙いが見えます。
ホテルニューオータニ博多×クロミ — 中世の城でアフタヌーンティー
ホテルニューオータニ博多は、サンリオの「クロミ」とコラボしたアフタヌーンティー『KUROMI Afternoon Tea at Castillian』を、7月1日から8月30日までレストラン「カステリアンルーム」で開催します。中世の城を思わせるクラシカルな空間をテーマに、クロミをイメージしたスイーツとセイボリーを提供。料金はセット1名6,800円、ドリンク各1,200円で、6月1日10時から予約を受け付けています(ファッションプレス)。
研究所メモ: 既存のレストラン空間の特徴(中世の城のような内装)をそのままコラボの世界観に転用している点が効率的です。新しい設備投資をせず、店内のピアノや入口といった実在の場所を描き下ろしイラストのモチーフにすることで、来店客が現地でしか撮れない写真を用意しています。ホテルの飲食施設にとって、既存の内装は再演出できる資産だと分かる事例です。
小売とファッションが、日常の棚にキャラクターを置いた
ちいかわベーカリー — 大阪初出店に世界大会の職人技術
『ちいかわ』のパン屋さんをテーマにした常設店舗「ちいかわベーカリー OSAKA」が、6月26日に大阪・梅田の「KITTE大阪」3階にグランドオープンします。2024年10月にオープンした東京・原宿表参道店に続く大阪初出店で、パンはフランス・ユーロパン主催のパン職人世界大会「Coupe du Monde de la Boulangerie 2026」飾りパン部門に日本代表として出場した澤田淳一氏の指導のもと作られています。2,200円(税込)以上購入すると大阪限定ショッパータグがもらえるほか、大阪限定の「ちいかわたこせんバーガー」も用意されます(ORICON NEWS)。
研究所メモ: キャラクターグッズの店舗展開において、パンという“毎日食べるもの”を軸に選んだ判断が長期的な集客につながります。さらに世界大会出場経験のある職人を監修に据えることで、キャラクター人気だけでなく食の専門性でも語れる店になっています。IPコラボの店舗を一過性のイベントで終わらせない工夫として、担い手の技術を前面に出す方法は他業種にも応用できます。
サンリオ×ELLE — ポムポムプリン30周年、銀座三越でフレンチな出会い
「ポムポムプリン」とフランス発のライフスタイルブランド「ELLE」によるコラボレーションアイテムが、6月17日より銀座三越のポップアップイベント「HELLO KITTY’S SWEETS MARKET」を皮切りに販売されます。2026年にデビュー30周年を迎えるポムポムプリンのアニバーサリーイヤーを機に企画されたもので、ELLEが提案するマリニエール(マリンボーダー)スタイルを取り入れたフレンチ・シックな世界観を表現しています。ラインナップにはダイカットステッカーやマスコット、ボールペン、クリアファイルなどを用意しました(アニメ!アニメ!)。
研究所メモ: 1945年創刊のファッション誌ブランドと、1996年デビューのキャラクターという、生まれも文脈も異なる2つのブランドを組み合わせた点が新しいところです。子ども向けと見られがちなキャラクターグッズを、大人向けファッションの文脈に置き直すことで、購買層を広げる狙いが読み取れます。百貨店のポップアップという「期間限定・場所限定」の枠組みも、話題化には有効です。
セント・ピュール×リトル・マーメイド — 100本限定エンゲージリング
ブライダルジュエリーブランドのセント・ピュールは6月9日、ディズニー映画『リトル・マーメイド』をモチーフにしたブライダルコレクション第4弾を発売しました。期間・数量限定の「4th seasonエンゲージリング」は1年間・100本限定で、地上の世界へ憧れを抱くアリエルをエメラルドと水中花・貝殻モチーフのリバーシブルデザインで表現しています。すべてのリングに30文字までの文字彫りが可能で、リング3点成約でオルゴールジュエリーBOXがプレゼントされます(アニメ!アニメ!)。
研究所メモ: ブライダルという単価の高い商材で、シーズンごとに数量限定コレクションを継続している点が注目です。「第4弾」という表記が示す通り、単発のコラボではなく毎年続くシリーズとして設計されており、購入者は“今年しか買えない”という希少性を毎回味わえます。IPコラボを一度きりで終わらせず、年次イベント化する設計は高単価商材ほど効果を発揮します。
スポーツとテクノロジーが、ファンとの接点を広げた
集英社×日本サッカー協会×adidas — SAMURAI BLUEユニフォームにヒロアカ
アニメ『僕のヒーローアカデミア』がサッカー日本代表とコラボし、SAMURAI BLUEのユニフォームを身にまとった描き下ろしビジュアルを使用したグッズが登場します。原作のシリーズ累計発行部数は1億部を突破し、アニメ放送10周年の節目に企画されました。「adidas サッカー日本代表2026 ホーム レプリカ ユニフォーム」には、緑谷出久の「DEKU」など各キャラクターの名前とヒロアカアニメ10周年ロゴがプリントされた特別仕様が用意されています(アニメ!アニメ!)。
研究所メモ: サッカー日本代表という国民的なコンテンツに、アニメキャラクターの名前を選手名の代わりにプリントする発想が、応援グッズとしての説得力を高めています。“観戦する”という行為と“推す”という行為を同じユニフォームの上で成立させている点が巧みです。2026年はワールドカップイヤーでもあり、スポーツ関連の企業にとってアニメIPとの接点は今後さらに増える可能性があります。
Gugenka — ロックフェスにAIキャラクターが登場し、来場者に応答
XRクリエイティブスタジオのGugenkaは、6月6日・7日にぴあアリーナMMで開催されたロックバンド「FLOW」主催のアニソンロックフェス「FLOW THE FESTIVAL 2026」で、AIキャラクター体験コンテンツを展示しました。イベント公式キャラクター「天照フロフェ」が来場者の呼びかけに応答し、出演アーティストの紹介や会場案内、応援メッセージを引き出す会話を展開。音声システムには同社開発の音声合成エンジン「おしゃべんり」を採用し、声優・橘めいさんの声をベースにしたAIボイスで自然な音声表現を実現しています(Mogura VR)。
研究所メモ: 音楽フェスという“熱狂を共有する場”に、リアルタイムで会話できるAIキャラクターを置いた点が新しい試みです。案内や会場情報の提供という実務的な役割を持たせつつ、応援メッセージを引き出す設計にすることで、単なる案内係ではなくファンコミュニケーションの装置になっています。イベント運営の省力化と、ファン体験の向上を同時に狙える技術として注目できます。
ローソンエンタテインメント — eスポーツチームからVTuberがデビュー
ローソンエンタテインメントが運営するプロeスポーツチーム「Lawson Ticket Xone」から、VTuber・白星みづきさんが6月13日にデビューしました。同チームは「Apex Legends」を舞台に活動するプロeスポーツチームで、2026年2月にVTuber部門を新設。白星みづきさんはその第1号メンバーで、キャラクターデザインを藤真拓哉氏、Live2Dをku_shi氏が担当しています(Mogura VR)。
研究所メモ: コンビニ大手が、チケット事業のスポンサードを通じてeスポーツチームを持ち、さらにそのチームからVTuberを輩出するという多段階の展開です。小売業がライブ配信の視聴者という新しい顧客接点を得るには、既存のスポンサー活動にキャラクターを一枚重ねるだけで実現できることを示しています。
資本提携とアライアンスが、ファンビジネスの土台を固めた
ナンバーナイン×コンテンツシード — 漫画IPのグッズ展開へ資本業務提携
漫画IPパブリッシャーの株式会社ナンバーナインは、キャラクターグッズの企画・製造・販売を手がける株式会社コンテンツシードと、6月5日付で資本業務提携を締結しました。ナンバーナインが保有する漫画・webtoon原作を活用したグッズ化やイベントコラボレーションを、コンテンツシード社が持つネットワークとノウハウを活かして進める方針です。経済産業省が公表した「エンタメ・クリエイティブ産業戦略」では、日本発コンテンツの海外売上高が2023年時点で約5.8兆円と、10年間で約3倍に成長したと位置づけられています(PR TIMES)。
コンテンツシード社は自社店舗やカフェ、キッチンカー、オンラインくじなど、IPの出口を広げる新業態を複数立ち上げてきた実績を持ちます。
研究所メモ: 出版社がグッズ専業企業と資本を伴う形で組んだ点が重要です。ライセンス許諾だけの関係と違い、資本業務提携は継続的な意思決定の速さにつながります。IPの海外売上が10年で3倍という産業全体の成長を背景に、原作を持つ企業がグッズという“出口”の専門企業を仲間に引き入れる動きは今後も増えそうです。
Voicy×ファンベースカンパニー — 音声とファン分析を掛け合わせるアライアンス
音声プラットフォームの株式会社Voicyと、ファンマーケティング支援の株式会社ファンベースカンパニーは6月12日、「音声を活用した企業・ブランドのファンコミュニケーションの推進」をテーマにした包括的アライアンスを締結しました。Voicyが2025年に開催したリアルイベント「Voicyファンフェスタ2025」は全8公演・約2,400席が完売し、NPS(顧客推奨度)は58.1を記録。800社以上のファンベースプロジェクトを支援してきたファンベースカンパニーの分析メソドロジーと、Voicyの音声配信サービスを組み合わせた共同ソリューションを提供する計画です。7月7日には両社共催のウェビナーも予定しています(PR TIMES)。
研究所メモ: チケット完売とNPS58.1という具体的な実績を土台に提携が組まれている点が堅実です。「ファンの声を分析してから音声で届ける」という順序を明確にしているのは、ファンを理解せずに配信を始めて失敗する企業が多いことの裏返しでもあります。音声というチャネル単体ではなく、分析と組み合わせて初めて機能するという発想は、他のオウンドメディア施策にも応用できます。
今週の所感
今週は、推し活を支える数字が、決算という形で企業の外側にまで届いた週でした。
ANYCOLORの通期売上557億円という数字は、VTuberという個人単位のコンテンツが、上場企業の決算を動かす規模に育ったことを示しています。同じ週に、佐賀県のコラボが21万人という参加実績で延長を決め、Voicyのアライアンスも自社イベントの完売実績を土台に組まれました。話題づくりで終わらせず、反響を数字で捉えて次の投資判断につなげる動きが、業種を問わず広がっています。
一方で、湖池屋の「ピンキー」復活のように、数字ではなく“待ち望む声”そのものが起点になった事例もありました。決算や参加者数のような定量的な反響と、SNSに残り続けるファンの声のような定性的な反響。どちらもファンビジネスを動かす燃料であることが、今週の並びからよく見えます。推し活マーケティングの設計原則やファンマーケティングの基本とあわせて、自社のファンがどちらの声を発しているか、今週の動きから考えてみてください。
週刊推し活ニュースは、推し活×ビジネスの1週間を毎週まとめてお届けします。過去の号は推し活×ニュースカテゴリからどうぞ。



