推し活×聖地巡礼

「花束みたいな​恋を​した」​の​聖地巡礼|調布の​書店、​駅前と​多摩川に​残る​麦と​絹の​5年間​【推し活×聖地巡礼】

本を読みながら待つ駅前、二人で立ち寄る書店、花束とパンを手に歩く多摩川。『花束みたいな恋をした』は、大学生の山音麦(やまねむぎ)と八谷絹(はちやきぬ)が出会い、一緒に暮らしていく5年間を描いた映画です。

麦を演じるのは菅田将暉、絹を演じるのは有村架純。撮影の主な舞台になった東京都調布市には、駅や書店、川沿いの道など、二人の生活の場面を撮った場所があります。現在の調布駅前には、劇中のイラストを描いた朝野ペコの路面作品も加わりました。

調布の多摩川沿いの草地と鉄道橋を背景に、舗装道を歩く二人の女性のイラスト

調布の駅、書店と川辺、出演者のサイン展示へ

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花束みたいな恋をしたの訪問先7か所東京都調布市飛田給(とびたきゅう)・東京都調布市多摩川・東京都調布市布田・東京都調布市小島町1-38-1・東京都調布市深大寺元町1-28-2付近・東京都調布市西つつじケ丘3丁目・東京都調布市小島町2-35-1
実写ロケ地公開展示

① 飛田給駅・南口バス停

絹が登場するホームと帰宅時のバス停。

飛田給駅・南口バス停を詳しく

② ちょうふ多摩川おさんぽロード

麦と絹が花束とパンを手に歩く場面。

ちょうふ多摩川おさんぽロードを詳しく

③ 調布駅前広場と北口交差点

待ち合わせと二人で手をつなぐ場面。

調布駅前広場と北口交差点を詳しく

④ 調布PARCO・パルコブックセンター

夜の徒歩移動のゴールと、本を選ぶ書店。

調布PARCO・パルコブックセンターを詳しく

⑤ 御塔坂橋(おとうざかばし)交差点

初めてのキスの撮影地。公開歩道から。

御塔坂橋交差点を詳しく

⑥ つつじヶ丘駅北側の道路

麦がストリートビューに映る場面の道路。

つつじヶ丘駅北側の道路を詳しく

⑦ 調布市役所2階サイン展示

菅田将暉・有村架純のサイン。平日の開庁時間に共用通路へ。

調布市役所2階サイン展示を詳しく

1飛田給(とびたきゅう)駅|物語の冒頭に絹が立つホーム

飛田給駅南側の駅舎と歩道を訪れる二人の旅行者のイラスト

京王線の飛田給駅は、『花束みたいな恋をした』の冒頭で絹が登場する場所です。撮影に使われたのは1番線ホーム。南口のバス停には、麦の家から帰る絹がバスを降りる場面があります。

駅のホームと駅前のバス停が、絹の移動を描く二つの場所として使われました。ホームへ入る際は有効な乗車券などが必要で、バス停は駅前の公開歩道にあります。

出典:調布市・公式ロケ地マップ / 調布市観光協会・各撮影地

所在地絹が登場するホームと帰宅時のバス停。

2ちょうふ多摩川おさんぽロード|花束とパンを手に歩いた道

ちょうふ多摩川おさんぽロードの川沿いの道を歩く女性のイラスト

麦と絹が花束を抱え、パンを食べながら歩く場面は、多摩川沿いの道で撮影されました。現在の名称は「ちょうふ多摩川おさんぽロード」。以前は多摩川サイクリングロードと呼ばれ、歩く人を優先する道であることを伝えるために名称が変わりました。

川沿いの撮影位置は、調布市のロケ地マップに多摩川さくら緑地とともに示されています。

出典:調布市・多摩川の撮影場所 / 調布市・道の名称と歩行者優先

所在地麦と絹が花束とパンを手に歩く場面。

3調布駅前広場|本を読みながら絹を待つ麦

調布駅前広場のベンチで地図を読む女性のイラスト

調布駅前広場は、麦が本を読みながら絹を待ち、シェアサイクルを返して絹を迎える場面に使われました。二人が手をつないで渡るのは、駅北口のスクランブル交差点です。

撮影時にも、駅前の変化は画面づくりに関わりました。物語が描く2015年から2020年に駅前の姿が大きく変わったため、土井裕泰(どいのぶひろ)監督は画角を絞って撮影しています。PARCO前は比較的変化が少なく、場所によって、映画に映す範囲の考え方が異なりました。

駅前広場は2026年3月に全体の整備が完了し、5月にお披露目されました。

現在は、映画の劇中イラストを手がけた朝野ペコの作品も、駅前で見られます。トリエ京王調布B館・C館の南側の路面に新しく置かれた「映画のまち調布」のイラストブロックです。撮影地の街に、映画に参加した作家の絵が加わりました。

出典:調布市・駅前の撮影場面 / 2026年の駅前広場整備 / 朝野ペコのイラストブロック / 土井裕泰監督・駅前の変化と画角

所在地待ち合わせと二人で手をつなぐ場面。

4調布PARCO|夜の徒歩移動の終わりと、二人が本を選ぶ店

調布PARCOの外観と、前の歩道を歩く二人の旅行者のイラスト

終電を逃した麦と絹が、長く歩いた夜の行き着く先は調布PARCO前です。5階のパルコブックセンターも撮影に使われ、ビジネス書を手にする麦と、文学の本を探す絹の姿が描かれました。

書店は現在も5階で営業し、ギャラリーの催しも開いています。所在地は調布市小島町1-38-1。外観を見る場合は駅前の歩道から、本を探す場合は店舗の営業時間に入店できます。

出典:調布市・PARCOと書店の場面 / パルコブックセンター・2026年の催し / PARCOの施設案内

所在地夜の徒歩移動のゴールと、本を選ぶ書店。

5御塔坂橋(おとうざかばし)交差点|麦と絹が初めてキスをする場所

御塔坂橋交差点付近の道路と歩道、欄干を描いたイラスト

御塔坂橋交差点は、麦と絹が初めてキスをする場面の撮影地です。調布市深大寺元町1-28-2付近にあり、橋に接した交差点の風景が使われました。

撮影では、夜間に押しボタン式となる信号も、現地の仕組みと一致させることを重視しました。交差点の形だけでなく、二人がそこで立ち止まる時間に関わる信号の使い方まで、実際の場所を踏まえて場面をつくっています。

訪ねる場所は、交差点に沿う公開歩道です。

出典:調布市・初めてのキスの撮影地 / 調布市観光協会・交差点の所在地 / 制作プロデューサー・交差点の撮影

所在地初めてのキスの撮影地。公開歩道から。

6つつじヶ丘駅北側|ストリートビューに映った麦の道

つつじヶ丘駅北側の駅前道路を歩く女性のイラスト

つつじヶ丘駅の北側には、麦がストリートビューに映る場面の撮影に使った道路があります。

京王線つつじヶ丘駅の所在地は調布市西つつじケ丘3-35-1。撮影位置は、調布市のロケ地マップで駅の北側に示されています。

出典:調布市・ストリートビューの撮影地 / 調布市観光協会・駅所在地

所在地麦がストリートビューに映る場面の道路。

7調布市役所|菅田将暉と有村架純のサインがある共用通路

調布市役所の外観と前庭を訪れる二人の女性のイラスト

撮影を支援した調布市では、市役所の2階に出演者のサインや作品ポスターを展示しています。エレベーター横の壁には、『花束みたいな恋をした』の菅田将暉と有村架純のサインもあります。

所在地は調布市小島町2-35-1。見学するのは2階の共用通路で、開庁時間は祝日・年末年始を除く月曜から金曜の8時30分〜17時15分です。市の撮影支援に合わせて掲示内容が更新される展示です。

出典:調布市・サイン展示と開庁時間

所在地菅田将暉・有村架純のサイン。平日の開庁時間に共用通路へ。

作品をもっと知る|『花束みたいな恋をした』の二人

明大前で出会い、調布で暮らした麦と絹の5年間を振り返ります。同じ店や道で変化する二人の関係と、その暮らしを画面につくった脚本・美術・音楽を紹介します。

終電を逃した大学生、山音麦(やまねむぎ)と八谷絹(はちやきぬ)

『花束みたいな恋をした』の主人公は、菅田将暉が演じる山音麦と、有村架純が演じる八谷絹です。二人が出会うきっかけは、明大前駅で終電を逃したこと。好きな音楽や映画が同じだと分かり、長い夜を一緒に過ごしたことから交際が始まります。

大学を卒業した後、二人はフリーターとして働き、同じ部屋で暮らすようになります。お気に入りのパン屋へ通い、捨て猫を飼い、好きなものに囲まれて過ごす時間が続きました。映画が描くのは、この出会いから約5年間です。

やがて、二人は就職活動に取り組みます。同じ趣味を語り合う大学生だった麦と絹に、仕事を選び、暮らしを続けるための変化が訪れます。調布PARCOの書店で麦がビジネス書、絹が文学の本を探す場面では、それぞれが手に取る本の違いが画面に表れました。

出典:映画公式・物語と主演 / 販売元・5年間の物語 / 調布市・二人が選ぶ本の場面

菅田将暉と有村架純が演じる麦と絹の5年間は、映画の140秒予告で紹介されています。

焼きそばパン、初詣、二人で通うファミリーレストラン

多摩川沿いを歩く二人が食べるのは、劇中のパン屋「木村屋」の焼きそばパンです。好きな店で食べ物を買い、川辺を歩く時間が、調布での共同生活として描かれます。初めて二人で迎えた正月には、飛田給(とびたきゅう)の道生神社へ初詣に出かけ、捨て猫と出会いました。二人が飼うようになった猫の名前はバロンです。

ファミリーレストランのジョナサンも、物語の中で繰り返し登場します。出会った頃の二人が希望を持って話す場所だった店が、終盤には苦しい対話を交わす場所になります。同じように席を並べて話していても、交際の初期と、年月を過ごした後では、会話の内容が変わりました。

出典:映画公開時の撮影地訪問記 / 菅田将暉・有村架純の作品インタビュー

実在する映画監督とバンドが参加する、二人の好きなもの

音楽や映画の好みは、二人が出会った夜から関係をつくるものです。映画には、アニメーション監督の押井守が本人役で出演しています。実在のバンドAwesome City Clubも参加し、メンバーのPORINはウェイトレスを演じました。

Awesome City Clubの「勿忘」は、この映画から生まれたインスパイアソングです。バンドは出演を機に完成した映画を見て、自分たちから曲をつくりたいと申し出ました。制作側の許可を得て作曲を進め、曲が完成に近づいた頃、予告編で使うことが決まっています。

曲では、1番をatagi、2番をPORINが歌います。二人が手紙を交わすような距離感を意識し、2番のサビの前にはギターソロを置きました。映画を見て生まれた曲が、今度は予告編を通して映画を伝える音楽になりました。

出典:Awesome City Club・「勿忘」の制作順と歌唱

出典:映画公式・出演者 / 販売元・「勿忘」の位置付け

坂元裕二(さかもとゆうじ)のオリジナル脚本を、土井裕泰(どいのぶひろ)が映画にする

『カルテット』を経た二人の、初めての映画タッグ

脚本を書いたのは坂元裕二(さかもとゆうじ)、監督は土井裕泰(どいのぶひろ)です。テレビドラマ『カルテット』で組んだ二人が、映画作品では初めてタッグを組みました。本作のために坂元が書き下ろした、オリジナルの物語です。

主演の菅田将暉と有村架純にとっても、初めてのダブル主演作となりました。出会った頃の大学生から、卒業し、仕事に向き合う時期までを、同じ二人が演じています。

出典:映画公式・脚本と監督、主演の組み合わせ

菅田と有村を想定して書いた、麦と絹

企画の発端には、菅田将暉が坂元裕二(さかもとゆうじ)に、ラブストーリーを演じたいと伝えたことがありました。坂元は最初から菅田と有村架純の二人を想定して脚本を執筆しています。

坂元が菅田に見いだしたのは、矛盾した面を同時に演じられる力でした。有村については、簡単には捉えきれない佇まいを魅力として挙げています。麦と絹は、物語に俳優を当てはめるだけでなく、その俳優が演じる姿を思い描いて書かれた人物です。

有村は役づくりで、きのこ帝国やAwesome City Clubの曲を聴き、今村夏子の小説を読みました。撮影の合間には菅田と音楽について話し、絵しりとりもしています。約1か月半の撮影で5年を演じるために、カメラの回っていない時間にも会話を重ねました。

絹が初めて麦のアパートへ行く場面では、雨にぬれた髪のパーマが強く出ています。麦がその髪をドライヤーで乾かす撮影では、菅田が巻きを崩さないように気を配りました。共同生活が始まる前の、二人の近い距離を演じる場面です。

出典:有村架純・役づくりと撮影中の交流

出典:公開初日・坂元裕二の発言 / 主演二人・企画と撮影期間

二人の5年分の日記から、心の声を書く

坂元裕二(さかもとゆうじ)は、初めの人物像では数カ月にわたって脚本が進まず、プロデューサーの助言を受けて、麦と絹の5年分の日記を書きました。そこから脚本を完成させ、映画のモノローグにも日記の内容を取り入れています。観客に聞こえる二人の心の声には、脚本に先立って書いた日々の記録がありました。

二人の違いが強く表れるのが、絹の転職をめぐる口論です。麦が転職先の方針を冷笑したとき、絹は一瞬笑います。笑うという動作は脚本にも指定されていましたが、有村の演技では、怒りと麦を気遣う反応が重なりました。坂元は、完成した場面のその笑いを、俳優の表現に驚いた例として挙げています。

出典:坂元裕二・日記の執筆と転職の口論

約80か所のロケと、冬に撮った夏の場面

撮影は2020年1月11日に始まり、2月26日に終了しました。制作プロデューサーの土井智生が関わったロケ地は約80か所です。監督の土井裕泰(どいのぶひろ)とは別に、撮影場所の調整を進めた制作側の担当者です。

脚本には、絹の家は飛田給(とびたきゅう)、麦の住まいは調布に近いアパートという設定があり、撮影場所もその条件に沿って探しました。麦と絹が終電を逃して歩く夜には、実際の街を歩くことによって生まれる空気を大切にしています。

調布以外では、西新宿のタイムズアベニュー地下道を、就職活動に疲れた絹を麦が迎える場面に使用。撮影は冬の夜20時から22時でしたが、物語の季節は夏で、麦はTシャツと短パンを着ています。画面の中の時期に合わせて、衣装と撮影場所を組み合わせた場面です。

出典:制作プロデューサーと撮影支援担当者の鼎談 / 土井裕泰監督・夜の街を歩く撮影

5年の時間と、2020年の街を撮る

撮影監督の鎌苅洋一は、観客が5年の長さを体感できる映像を目指しました。駅前や川辺のように、日頃通りがかる場所から受ける印象を損なわずに撮ることを大切にしています。映画には、撮影を行った2020年の調布の姿も残っています。

二人が終電を逃して歩く経路は、監督自身も実際に歩きました。明大前からの道のりは約3時間半。スタッフもそれぞれ経路を提案し、つつじヶ丘駅では終電後に人がいなくなったホームを狙って撮影しました。駅北側のストリートビューの道路とは別に、夜の鉄道駅も映画の撮影に使われています。

初期の仮題は『終電クロニクル』でした。出会いだけで終わらず、別れまでを最初から描く方針で、土井監督は、自分が学生だった30年前の感覚を当てはめるより、2015年を生きる若者を観察しようとしています。

出典:撮影監督・鎌苅洋一の撮影談 / 土井裕泰(どいのぶひろ)監督・実際に歩いた経路と駅の撮影 / 土井裕泰監督・仮題と時代の捉え方

多摩川が見える部屋|屋上のベランダと、スタジオの室内

脚本の部屋の条件は、調布駅から歩いて30分ほどで、多摩川が見えること。合う物件が見つからず、美術の杉本亮は、屋上とスタジオに一つの住まいを分けてつくりました。

同じ部屋に見える、二つの撮影場所
  1. 川へ続く画面

    建物の屋上

    ベランダと室内の一部を制作。内見の場面で、部屋から川までを一続きに撮影。

  2. 部屋での暮らし

    スタジオ

    室内を制作し、窓外に多摩川の実景写真の幕を設置。夜は水平線の位置でLEDを動かし、車の光を表現。

内壁は淡い青で、家具は二人が近所のリサイクル店でそろえた想定です。ベッドには、DIYで作ったという設定のパレットを使いました。こうした家具や色は、共同生活を始めた若い二人の部屋として美術が組み立てたものです。

カーテンを二人で広げる場面には、装飾担当の茂木豊が見つけた、淡い紫のグラデーションの生地を使用しました。撮影で必要な川への眺めと、部屋に暮らす人々の持ち物を、一つの住まいに見えるようにつないでいます。

出典:土井裕泰(どいのぶひろ)監督・部屋の条件と撮影 / 美術・杉本亮のセット制作

本棚と、しおりにした映画の半券

麦と絹の持ち物は、台本に登場する品を基礎に、演出や美術などのスタッフが時代と好みを考えて決めています。本棚は本の選択だけでなく、並べ方も検討した部分でした。

映画の半券を本のしおりにする場面では、作品名まで台本で指定されています。麦の半券は『毛皮のヴィーナス』、絹の半券は『自由が丘で』です。同じ「映画が好き」という共通点を、それぞれが観た映画の小さな紙片で示しています。

二人だけが知る阿佐ヶ谷の店についての会話もあります。土井監督と坂元は、店の名前が観客全員に分からなくても、二人がその話でつながることを大切にしました。こうした会話と本棚の品々が、麦と絹の趣味を具体的にしています。

出典:土井裕泰(どいのぶひろ)監督・本と映画の半券 / 二人だけに通じる会話

子猫を見つけた瞬間と、二人が現場でつくった反応

捨て猫を拾う場面には、菅田将暉と有村架純が撮影現場で見せた反応が残っています。脚本には子猫を見つけるという指定があり、台詞は書かれていませんでした。箱を開けた二人が同時に笑い、その反応が映画の麦と絹になりました。

主演の菅田と有村は、撮影前に演技の細部を決め込むより、現場で場面をつくっています。撮影は物語の順序に近い進行でした。

有村は、土井監督の演出と編集には、役者が考え、感じる時間が残されていると振り返っています。菅田も、場面を切る位置と余韻を残す位置を使い分ける編集について語りました。5年間の出来事を追う中で、台詞を発しない反応や間も映画に残されています。

出典:菅田将暉・有村架純の撮影談 / 主演二人・土井監督の演出と編集

二人が初めて遠出する海の場面は、静岡県牧之原市で撮影しました。終盤のファミリーレストランの長い場面には、2日間をかけています。共同生活を重ねる調布の場面に、遠出した日の海や、長く話す店内を組み合わせて5年間を描きました。

出典:土井裕泰(どいのぶひろ)監督・海と終盤の撮影

心の声と会話を交互に重ねる構成

坂元の脚本には、一行ほどで終わる場面から数ページに及ぶ場面まで、長さの異なる出来事が並びます。土井監督は、一日ずつ記した日記のような構成を、映画の時間へ組み立てました。

前半では、人物の心の声を伝えるモノローグと、二人が実際に交わす対話のリズムが大切な要素です。会話を聞かせる長い場面と、短く切り替わる場面を重ね、出会いから共同生活までを描いています。

出典:土井裕泰(どいのぶひろ)監督・脚本の長短とモノローグ / 東京テアトル公式・140秒予告

映画公開から、ロケ地マップと街の新しい展示へ

2021年の公開と、調布で続いた関連企画

  1. 2021年1月8日調布市がロケ地マップ配布と紹介映像・観光パネルの事業を開始。地域連携
  2. 2021年1月29日映画公開。調布のロケ地を題材にした謎解きのオンライン版も始まる。公開
  3. 2021年3月22〜30日調布でロケ地の謎解き街めぐりを実地開催。地域企画
  4. 2021年7月14日DVD通常版などの映像パッケージを発売。映像
  5. 2021年秋TAMA映画賞でスタッフ・キャスト一同の特別賞、菅田将暉と有村架純の主演賞。受賞
  6. 2022年3月11日有村架純が日本アカデミー賞の最優秀主演女優賞を受賞。受賞
  7. 2023年3月8日調布市観光協会と地球の歩き方が11地点の案内記事を多言語で公開。地域案内
  8. 2023年秋調布市のロケ地マップに多言語版が加わる。地図
  9. 2024年10月調布市が翌年1月までのロケ地謎解き企画を発表。地域企画
  10. 2026年3月調布駅前広場の全体整備が完了。5月にお披露目。現地の変化

出典:調布市報・公開前の地域企画 / 調布市・実施事業の報告 / TAMA映画賞・授賞報告 / 日本アカデミー賞 / 2023年の多言語観光案内 / 多言語版マップ / 2024年の企画発表

映画の公開前につくられた、調布の撮影地案内

調布市のロケ地マップは、映画の公開に先立つ2021年1月に配布が始まりました。市の事業では1万2,000部の地図を用意し、紹介映像と5か所の観光パネルも制作。公開日の1月29日にはオンラインの謎解き企画が始まり、3月には実際の撮影地を訪ねる企画へ広がりました。

2023年秋のマップは、その後に発行された多言語版です。撮影地の地図には映画の画面と現地写真、二人が何をした場面かが添えられています。現地の位置を確認する際は、調布市のロケ地マップ配布ページからPDFを開けます。

出典:調布市・初期事業の実施記録 / 2023年の多言語版発行

本編を収めたDVD通常版

2021年7月14日発売のDVD通常版は、品番TCED-5745の1枚組です。本編124分と予告など約2分を収録し、日本語音声ガイドとバリアフリー字幕を備えています。

出典:TCエンタテインメント・通常DVDの仕様

研究所メモ|ビジネスの視点から:暮らしの場所を撮影地として伝える

駅の待ち合わせ、書店での本選び、川辺を歩く時間。本作で撮影されたのは、映画のために開く施設に限らず、街で営業・運営されている場所です。調布市のマップは、それぞれの場面を具体的に示し、訪問者が映画の記憶から実際の場所を探せる案内をつくっています。

公開前の地図から多言語版へ案内を更新し、駅前の整備後には参加作家の新しい路面作品も加わりました。撮影当時の記録と現在の街を併せて伝えることで、一度訪れた人にも、その後の変化を紹介できます。

出典

会期・営業時間・チケットは執筆時点の情報です。お出かけ前に各公式サイトで最新の情報を確認してください。

よくある質問

二人が出会った駅は飛田給駅ですか

物語の出会いは、明大前駅で終電を逃した夜です。飛田給駅は映画の冒頭のホームと、絹がバスを降りる場面に使われた撮影地です。

調布のどの書店が映画に登場しますか

調布PARCO5階のパルコブックセンターです。麦がビジネス書、絹が文学の本を選ぶ場面が撮影されました。現在も5階で営業しています。

二人が初めてキスをした場所はどこですか

調布市深大寺元町の御塔坂橋交差点です。現地では橋と交差点に沿う公開歩道から景観を見られます。

多摩川サイクリングロードと、おさんぽロードは別の道ですか

旧通称の多摩川サイクリングロードを、歩行者優先と伝わるように改称したのが、ちょうふ多摩川おさんぽロードです。花束とパンを手にした二人が歩く場面の撮影地です。

出演者のサインを見られる場所はありますか

調布市役所2階のエレベーター横に、菅田将暉と有村架純のサインが展示されています。祝日・年末年始を除く月曜から金曜の開庁時間に共用通路を訪ねられます。

映画に原作小説はありますか

坂元裕二が映画のために書き下ろしたオリジナル脚本です。監督は土井裕泰で、テレビドラマ『カルテット』を経て、映画では初めて組みました。

通常DVDにメイキングは入っていますか

TCED-5745の通常DVDは、本編124分と予告など約2分を収録した1枚組です。メイキングや脚本家・監督の対談は、特典映像の付く豪華版の収録内容です。

ロケ地マップはいつ作られたものですか

調布市は2021年1月に配布を開始しました。2023年秋には多言語版を発行しています。現行のマップは市の公式ページから閲覧できます。