「踊る大捜査線」の聖地巡礼|お台場の原点、レインボーブリッジ、公式ミュージアムへ【推し活×聖地巡礼】
レインボーブリッジを見上げると、映画の副題を思い出す。お台場のフジテレビへ行くと、シリーズが始まった頃の街を想像する。『踊る大捜査線』は、青島俊作や湾岸署の仲間たちとともに、東京の風景も記憶に残る作品です。
フジテレビの球体展望室「はちたま」は、1996年12月に連続ドラマの制作発表が行われた場所です。2026年夏には同じ場所で展覧会を開き、衣裳や小道具を公開しました。展覧会は銀座を経て、いまは大阪で11月23日まで開かれています。12月からは札幌へ巡回します。お台場の実景と巡回中の展覧会には、1997年の放送開始から2026年の新作制作へと続くシリーズの記録が集まっています。

お台場と公式展覧会を訪ねる七つの場所
1フジテレビ「はちたま」|制作発表が行われた原点

お台場のフジテレビ本社には、25階の球体展望室「はちたま」があります。『踊る大捜査線』との関係は、放送局の建物というだけではありません。公式ミュージアムの案内によると、1996年12月、この場所でドラマの制作発表が行われました。
「はちたま」は地上約100メートルの高さにあり、臨海副都心を270度見渡せる展望室です。『踊る』のミュージアムは2026年7月25日〜8月23日の夏の企画として開催されました。現在は、その展覧会の会期を終えています。
通常の営業時間は10時〜18時、最終入館は17時30分。月曜休館で、祝日の場合は翌平日が休みです。料金は高校生以上800円、小中学生500円、幼児無料。平日は学生証の提示で高校生640円となります。
入口は7階で、専用エレベーターで25階へ上がります。1階フジテレビモールから7階までもエレベーターを使えるため、車椅子でも展望室へ行けると案内されています。車椅子対応トイレは1階・7階・25階にあります。
- 場所
- 東京都港区台場2-4-8 フジテレビ本社25階
- 作品との関係
- 1996年12月の連続ドラマ制作発表会場、2026年夏の公式ミュージアム会場
- 営業時間
- 10時〜18時、最終入館17時30分、月曜休館・祝日の場合は翌平日休館
- 観覧料
- 高校生以上800円、小中学生500円、幼児無料
出典:踊る大捜査線THE MUSEUM・開催の背景
フジテレビ・現在の見学案内
2レインボーブリッジ|映画の題名になった橋を歩く

映画第2作の副題は『レインボーブリッジを封鎖せよ!』。1993年8月に開通した橋が、10年後の映画の題名になりました。臨海副都心と都心を結ぶ実際の交通路を、物語が大きな舞台として取り込んでいます。
歩行者は車道と分かれた遊歩道を利用できます。芝浦側から台場側まで約1.7キロメートル、管理者の目安は徒歩20〜30分です。お台場側から橋全体を眺める景色とは違い、海の上の高さから臨海部を見渡せます。
開場は4月〜10月が9時〜21時、11月〜3月が10時〜18時で、最終入場は閉場30分前。休館は毎月第3月曜、祝日の場合は翌日です。荒天や点検で入れない場合もあります。
遊歩道に駐車場はなく、トイレは芝浦側にあります。自転車は乗車できませんが、貸し出しの専用台座を使って押すか、分解・折り畳みのうえ専用袋に入れれば通行できます。車椅子の利用については、傾斜が大きいため介助者を付けるよう管理者が案内しています。
- 場所
- 東京都港区海岸3-33-19 芝浦アンカレイジ〜台場側出入口
- 作品との関係
- 映画第2作『レインボーブリッジを封鎖せよ!』の舞台・題名となった橋
- 開場時間
- 4月〜10月は9時〜21時、11月〜3月は10時〜18時、最終入場は閉場30分前
- 休館日
- 毎月第3月曜・祝日の場合は翌日
出典:フジテレビ・映画第2作の作品情報
東京都港湾局・レインボーブリッジ遊歩道
3お台場海浜公園|湾岸の風景をゆっくり眺める

お台場海浜公園は、第三台場を公園にした台場公園とともに入り江を囲んでいます。砂浜、磯、芝生、展望デッキ、スカイウォークと、水辺を眺める場所が続く公園です。
現在の都市を描く『踊る』のお台場にも、幕末に築かれた台場の地形が残っています。第三台場には砲台跡や陣屋跡、火薬庫跡があり、隣の第六台場は保全のため立入禁止です。砂浜越しに見える石垣や緑も、埋め立て地の街より古い時間を伝えます。
海浜公園は1975年12月、台場公園は1928年7月に開園しました。連続ドラマの放送時には、海辺の公園はすでに街の一部だったことになります。
- 場所
- 東京都港区台場1丁目
- 作品との関係
- 湾岸署管内の舞台となったお台場の海辺とレインボーブリッジを望む公園
- 見どころ
- 砂浜や展望デッキ、スカイウォーク、隣接する台場公園の砲台跡
出典:海上公園なび・お台場海浜公園
フジテレビ・連続ドラマの作品紹介
4大阪ATC|11月23日まで開催中の「踊る大捜査線THE MUSEUM」

大阪では、ATCのITM棟4階の特設会場で、「踊る大捜査線THE MUSEUM ~事件はATCで起きている!~」が開かれています。会期は2026年10月17日から11月23日までです。
平日は13時〜18時、土日祝は10時〜17時で、最終入場は各日閉場30分前です。当日券は一般・大学生2,000円、中高生1,600円。チケットはアソビュー!で販売しています。
大阪会場は、お台場と銀座三越の開催に続く巡回です。青島のデスクや衣裳、物語に関わる小道具に加え、銀座会場で登場した新作グッズも扱うと告知されています。旧作だけを振り返る展示から、捜査第一課へ移った『N.E.W.』の青島までを含む構成です。
ニュートラムのトレードセンター前駅から、改札を出て左へ進むと、連絡橋がITM棟2階につながっています。地下鉄中央線を使う場合は、コスモスクエア駅でニュートラムへ乗り換える経路です。
- 場所
- 大阪府大阪市住之江区南港北2-1-10 ATC ITM棟4階特設会場
- 作品との関係
- 「踊る大捜査線THE MUSEUM」大阪巡回会場
- 会期
- 2026年10月17日〜11月23日、平日13時〜18時・土日祝10時〜17時
- 観覧料
- 当日券は一般・大学生2,000円、中高生1,600円
出典:ATC・駅からのアクセス
フジテレビ・THE MUSEUM大阪会場
5サッポロファクトリー|12月5日から開かれる巡回予定会場

北海道では、サッポロファクトリー1条館2階の特設会場で、ミュージアムの開催が予定されています。会期は2026年12月5日から2027年1月11日まで。主催者は、当初の2条館4階から会場を変更したと案内しています。
変更後の会場は、1条館2階のローソンとユナイテッド・シネマ札幌の横です。主催者の案内に会場変更が明記されているため、以前の「2条館4階」という情報ではなく、1条館へ向かいます。
開場は平日13時〜17時30分、土曜と休前日11時〜18時、日曜・休日11時〜17時30分。最終入場はいずれも閉場30分前です。全体の巡回案内では12月31日と1月1日を休館としています。
一般・大学生2,000円、中高生1,600円で、12月4日までの前売りは各200円引き。小学生以下は、有料の同伴者1人につき2人まで無料です。チケットは会期中1回有効で、12月5日以降はプレイガイドのほか会場受付でも販売すると案内されています。障がい者手帳を持つ人が有料入場する場合、同伴する介助者1人は無料です。
札幌の展示予定には、歴代の青島コート、撮影に使われた小道具、旧・新湾岸署のジオラマ、喫煙所の再現、新作『N.E.W.』の衣裳・小道具が挙がっています。展覧会限定グッズも販売予定です。
地下鉄東西線のバスセンター前駅8番出口から、施設の公式目安は徒歩3分。バスでは「サッポロファクトリー」停留所が最寄りです。
- 場所
- 北海道札幌市中央区北1条東4丁目 サッポロファクトリー1条館2階特設会場
- 作品との関係
- 「踊る大捜査線THE MUSEUM」札幌巡回予定会場
- 会期
- 2026年12月5日〜2027年1月11日、12月31日・1月1日休館
- 最寄り駅
- 地下鉄東西線バスセンター前駅8番出口から徒歩3分
出典:サッポロファクトリー・公共交通でのアクセス
北海道会場・開催案内
THE MUSEUM・巡回会場一覧
6銀座三越|「事件は銀座三越で起きている」

お台場に続く巡回の2か所目は、銀座三越の新館7階でした。2026年9月9日から10月12日まで、「事件は銀座三越で起きている」の題で開かれました。この会場で登場した新作グッズは、続く大阪会場でも扱うと告知されています。
- 場所
- 東京都中央区銀座4-6-16、銀座三越 新館7階
- 作品との関係
- 2026年9月9日〜10月12日、「踊る大捜査線THE MUSEUM」の銀座会場
- 現在
- 会期は終了
出典:踊る大捜査線 THE MUSEUM・お知らせ 、三越伊勢丹・銀座三越の催し
7the SOHO|『THE FINAL』で湾岸警察署になった建物

お台場の青海にあるthe SOHOは、映画『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』(2012年)で警視庁湾岸警察署として登場した建物です。東京都の東京ロケーションボックスは、ここを「『踊る』シリーズ最後の湾岸署」と紹介しています。ゆりかもめの船の科学館駅かテレコムセンター駅から歩いて約5分。オフィスなどが入る建物のため、外観を道路から眺めます。
- 場所
- 東京都江東区青海2-7-4
- 作品との関係
- 映画『THE FINAL』(2012年)で湾岸警察署として登場
- 最寄り駅
- ゆりかもめ船の科学館駅・テレコムセンター駅から徒歩約5分
- 見学
- 外観のみ
出典:東京ロケーションボックス・『踊る』シリーズ最後の湾岸署です
湾岸署で描かれた、人と組織の物語
青島と仲間たちの職場としてのお台場
『踊る大捜査線』では、警視庁を「本店」、所轄署を「支店」と呼ぶように、警察の組織を会社に重ねています。青島が現場で得たことを本庁へ伝えようとしても、階級と指揮系統が立ちはだかる。事件の捜査と、組織の中で話を通すための仕事が並行するドラマです。
青島が向き合うのは犯人だけではありません。室井が本庁の立場で決めること、和久が現場で積み重ねてきた経験、すみれがその場で判断すること。それぞれの職務や立場が違うため、同じ事件を前にしても、すぐには意見がそろいません。人物の対立が、組織の役割から生まれる構成です。
刑事になる前にも、青島は会社で働いていた
青島は、初めから刑事だけを目指して育ってきた人物ではありません。ドラマアカデミー賞の作品紹介では、大学卒業後に電機メーカーへ勤め、変化の少ない日々から刺激を求めて警視庁の試験を受けたという経歴が説明されています。交番勤務を経て、念願の刑事になった先が湾岸署でした。
青島は会社を離れたあとも、別の大きな組織の一員として働くことになります。刺激を求めた転職先に待っていたのは、階級、報告、上司との調整でした。刑事という肩書を得た喜びと、予想した働き方とのずれが、物語の出発点です。
主人公の周りに、異なる立場の人物を置く
織田裕二の青島、柳葉敏郎の室井、いかりや長介の和久、深津絵里の恩田すみれ。若い刑事とベテラン、所轄と本庁の関係を、異なる人物に分けて描いています。
企画の初期には、『セブン』を意識した若手とベテランの組み合わせを考え、織田の次にいかりやを起用したと、亀山千広はWOWOWの対談で話しています。その段階では、和久にあたる人物をすみれの父親とし、青島が下宿する家庭の話も含む案でした。最終的には犯人当てを中心とする構成を離れ、警察官の職場を描く企画へ変わっています。
織田裕二
主人公の青島俊作を演じました。大学卒業後に電機メーカーへ勤め、刺激を求めて警視庁へ入った刑事で、湾岸署の刑事課に配属されます。
柳葉敏郎
本庁の立場で捜査を指揮する室井慎次を演じました。2005年の『容疑者 室井慎次』では、責任を問われて逮捕される室井が中心です。
深津絵里
湾岸署の刑事、恩田すみれを演じました。事件の現場で、その場の判断を下す人物です。
いかりや長介
現場で経験を積み重ねてきたベテラン刑事、和久平八郎を演じました。若手とベテランを組み合わせる企画の初期に、織田の次に起用されています。
ユースケ・サンタマリア
真下正義を演じました。2005年の『交渉人 真下正義』では主役となり、乗っ取られた地下鉄の実験車両をめぐって犯人と交渉します。
出典:フジテレビ・出演者とスタッフ
WOWOW・亀山千広、本広克行の企画回想
フジテレビ・映画シリーズのあらすじ
「湾岸署」という名前と、現実の建物
『THE FINAL』で湾岸警察署として登場した建物は、東京ロケーションボックスが「the SOHO」と紹介しています。画面に映る警察署の名称と、実際の建物の名称は異なります。撮影先の紹介は、日常的な館内見学の案内を意味するものではありません。
湾岸署の内部空間を見たい場合、今回のミュージアムには旧・新湾岸署の模型や再現展示が用意されています。はちたま会場では、旧湾岸署刑事課の机の配置や、山積みの始末書を含めた一部再現が行われました。
出典:東京ロケーションボックス・『THE FINAL』の湾岸署外観
公式ミュージアム・刑事課の再現
笑いと小道具から見る、「踊る」の作り方
緑のコートは、衣裳合わせで決まった
青島の緑色のコートは、衣裳合わせで決まりました。最初にステンカラーコートを着せると、『東京ラブストーリー』で織田が演じたカンチに見えてしまったといいます。そこで本人がモッズコートを提案。スタイリストが着ていたものを試し、青島の姿が決まりました。
亀山千広によると、コートが決まったあとに、青島は軍の払い下げ品を好み、時計もアーミー系という設定が生まれたそうです。先に人物の全設定があり、それに合わせた服を選んだのではなく、試着した姿から人物像も広がった例です。
緊張の中に笑いがある、脚本家の出発点
君塚良一の出発点は、大学在学中に応募した『太陽にほえろ!』の脚本コンクールでした。2本ほど採用されたものの、プロの手直しが入り、自分の台詞はほとんど残らなかったと振り返っています。その後、萩本欽一に誘われ、バラエティ番組の放送作家として約10年の経験を積みました。
バラエティでは演者がその場で生む言葉が面白く、細かな台本が動きを縛ることもある。君塚は次第に、ドラマを書きたいという希望を周囲へ話すようになります。バラエティ班からドラマ班へ異動したプロデューサーの依頼が、再び脚本の仕事に入るきっかけでした。
君塚自身、そこで学んだ笑いの要素が『踊る』にも生きたと語っています。捜査会議の緊張と、署内の少し間の抜けた会話が同じ人物のまま続く作品には、ドラマの前に積んだ経験が含まれています。
第2作の道路撮影を支えた、一般参加の車と人
『THE MOVIE2』の橋を巡る場面には、開通前の高速道路を借りたロケがあります。2003年7月10日発行の「滋賀ロケーションオフィスニュース」第3号は、その道路上に車両を並べた撮影風景を掲載しています。3月中旬の撮影には、延べ100人近い登録サポーターが自分の車とともに参加したと記録されています。
同オフィスが支援した理由には、地域の人が映画作りに参加できることと、3日間で延べ300人のキャスト・スタッフが県内に宿泊することへの期待が挙げられていました。掲載された参加者の声には、無線で指示が飛ぶ現場、寒さの中で動くスタッフ、大がかりなクレーンやステディカムへの驚きが残っています。
劇中の東京の景色を作るために、別の地域の道路や車、人も参加していた。レインボーブリッジの遊歩道を訪ねることと、撮影時に用意された道路の光景を振り返ることを、この記録はつないでくれます。
出典:滋賀ロケーションオフィスニュース第3号・2003年7月、1ページ
小道具と制作資料から、シリーズの時間をたどる
歴代の青島コートと、再現された刑事課
お台場会場では、連続ドラマ、『THE MOVIE』の1・2・3、そして『FINAL』の歴代コートが並びました。公式案内が見どころに挙げていたのは、時代ごとの細部と傷跡です。モスグリーンの外見がシリーズの連続性を保つ一方、一枚ずつの違いが各作品の記録になっています。
展示は衣裳だけではなく、制作陣が所蔵する台本や小道具、本広監督が保管していたコレクターズアイテムにも広がりました。刑事課の再現に加え、青島と和久、青島と室井の会話を思い出す喫煙所がフォトスポットとして設けられています。
公式ページに掲載された亀山と本広のやり取りによると、準備ではスタッフそれぞれの手元にある物を探し、織田も所蔵品を探して持ち寄る話になったそうです。一括して保管された展示品だけでなく、制作に関わった人の手元に残る物を集めた展覧会でした。
出典:THE MUSEUM・お台場会場の展示内容
THE MUSEUM・制作陣のコメント
2026年の新作では、東京の街を走る青島へ
2026年9月18日に公開された『踊る大捜査線 N.E.W. メトロポリスを駆け抜けろ!』は、全国の映画館で上映中です。上映館は公式サイトの劇場案内に載っています。この新作で、青島は警視庁刑事部捜査第一課に所属しています。誘拐犯から身代金の運び役に指名され、さらに別の重大事件も重なり、東京の街を移動する物語です。
公式の制作ノートによると、当初は後方支援に回った青島を考えていたものの、方向が定まらなかったといいます。そこで本広克行が、青島は走ると提案。再開発中の新宿や渋谷を使い、街を走る先で新たな仲間が加わる構成が決まりました。
東京ロケーションボックスの支援記録には、都庁周辺、新宿アイランドタワー、新宿駅西口のカリヨンデッキ、新宿大ガード、歌舞伎町のシネシティ広場、東京高速道路のKK線が挙がっています。新宿の西側から東側へ走る場面は、複数の場所を使って撮影されました。
支援側は早い段階で、大人数のエキストラを入れて新宿を撮りたいという相談を受け、警察署、商店街などと時間をかけて調整しています。画面で走り続ける青島の周りには、撮影のために協力した街の人たちもいるのです。
出典:映画「N.E.W.」公式・作品紹介
映画「N.E.W.」公式・上映劇場
公式プロダクションノート
和久に近い年齢になった青島を、どう描くか
2024年の『室井慎次』2部作の構想段階では、青島を主人公にした次回作は決まっていなかったそうです。脚本を読んだ織田が、自分はなぜ出ていないのかと制作陣に尋ねたことが、再始動のきっかけになりました。連続ドラマ当時のいかりや長介に近い年齢となった青島は、今何をしているのか。織田はそのことを考えていたと、亀山が制作ノートで明かしています。
役作りでは、白髪やしわを隠さず、目に入ったものをつい口にする独り言を加えました。和久の腰痛に対し、青島は膝を気にする動作を入れる提案も、織田によるものです。年齢を外見だけにとどめず、言葉や体の動かし方にも表しています。
テーマ曲を聞くと、走る姿が浮かぶ
音楽も、街の景色と作品を結びつける大きな手掛かりです。松本晃彦による「Rhythm And Police」を聞くと、タイトルより先に青島が動き出す姿を思い出す人もいるでしょう。2026年のDIMEの取材で、本広監督は、青島が走り出す要所で使う効果や、『スパイ大作戦』をイメージして依頼したことを話しています。
DIME編集部は、連続ドラマ全11話で劇伴が使われる回数を調べ、室井の登場時に流れる「G-Groove」が最も多かったと紹介しています。青島の走る姿と結び付くテーマ曲だけでなく、本庁と現場の間に立つ室井にも、繰り返し使う音楽がありました。
同記事で田中久勝が注目したのは、メロディーの壮大さよりリズムを前に出した音作りです。「Rhythm And Police」の導入で作品をすぐ連想できることと、人物ごとに異なる音を割り当てることが、シリーズの聞き覚えのある世界を作っていると分析しています。
映画第2作の主題歌は、織田裕二 featuring MYAの「Love Somebody [CINEMA Version II]」。劇中の音楽は松本晃彦です。
出典:DIME・「踊る大捜査線」の音楽を取材
フジテレビ・映画第2作の音楽クレジット
お台場への電車で、二つの発車メロディーを聴く
りんかい線の東京テレポート駅では、2008年7月から『踊る大捜査線』の楽曲が発車メロディーになっています。大崎方面は「C.X」、新木場方面は「Rhythm And Police」。フジテレビの協力を得て導入したと、鉄道会社が紹介しています。
駅は地下1階が改札、地下3階がホームです。改札へ上がる途中には、お台場の海を題材に、合わせガラスの中へ和紙を入れた装飾があります。地下駅の中にも海を表す意匠と、街を舞台にした作品の音が置かれています。
お台場に着く前に思い浮かべる映画のテーマが、帰りの電車では実際の発車案内として鳴る。この駅の音楽は、期間限定の展覧会とは別に、普段の交通の中に続いてきた作品との接点です。
出典:りんかい線・東京テレポート駅の発車メロディー
りんかい線・駅の構造と海の装飾
同じお台場でも、作品ごとに仕事の景色が変わる
映画第2作の公式あらすじでは、お台場は、かつての空き地の多い街から観光地へ変わった場所として描かれています。湾岸署の仕事にも、観光案内や迷子、交通整理が加わり、街がにぎわうことと警察の忙しさがつながっています。橋や商業施設は、画面を飾る景色だけではなく、そこで働く人の仕事を変える存在です。
第3作は2010年3月28日、新しい湾岸署への引っ越しが始まるところから展開します。強行犯係係長になった青島が移転を任される一方、管内では事件が続き、混乱の中で拳銃も盗まれる。新しい街の設備と、現場が抱える仕事量が、物語の発端に組み込まれています。
1997年のテレビシリーズから、映画へ
連続ドラマは1997年1月〜3月に放送され、翌1998年10月31日に初の劇場版が公開されました。最終話から映画までは約1年半。その間にスペシャルドラマも作られています。テレビの毎週の物語が終わった直後に、そのまま映画へ移ったわけではありません。
公開当時の驚きを、亀山千広と本広克行は、映画館の周囲にできた長い列の記憶として語っています。第1作を見に来た観客の多さを目の当たりにし、初めて大きなブームを実感したという回想です。湾岸署の日常をテレビで追った人たちが、同じ人物に会うため映画館へ集まっていました。
湾岸署を離れた真下と室井の映画
2005年の『交渉人 真下正義』は、真下を主役に、東京の地下鉄網を扱った映画です。クリスマス・イブ、最新鋭の実験車両が乗っ取られ、真下は姿を見せない犯人との交渉を任されます。『踊る』で描かれた交通と街の関係が、地下鉄を中心とする一本の映画へ広がりました。
同年の『容疑者 室井慎次』では、捜査を指揮した責任を問われた室井が逮捕されます。若い弁護士が室井を救おうとする一方、警察内部の関係も絡み、青島とは別の立場から組織の問題を描きました。湾岸署で見ていた人物を中心に移すと、同じ世界の別の場所が舞台になります。
展示に登場する青島のコートや湾岸署の机を起点にしても、シリーズには地下鉄の現場や、室井の事件を担当する弁護士たちの視点へ進む枝があります。2024年の『室井慎次』2部作を経た『N.E.W.』にも、こうして別々に描かれてきた人物たちの時間が続いています。
出典:フジテレビ・『交渉人 真下正義』『容疑者 室井慎次』の作品紹介
作品と施設の主な節目
- 1993年8月レインボーブリッジ開通街
- 1996年12月球体展望室で制作発表制作
- 1997年連続ドラマ放送開始ドラマ
- 1998年映画第1作公開映画
- 2003年映画第2作「レインボーブリッジを封鎖せよ!」映画
- 2012年「THE FINAL」公開映画
- 2024年室井慎次の映画2作公開映画
- 2026年7月25日〜8月23日はちたまでTHE MUSEUM開催終了
- 2026年9月9日〜10月12日銀座三越でTHE MUSEUM開催展示
- 2026年9月18日「N.E.W.」公開映画
- 2026年10月17日〜11月23日大阪ATCでTHE MUSEUM開催展示
- 2026年12月5日〜2027年1月11日札幌・サッポロファクトリーでTHE MUSEUM開催予定予定
出典:東京都港湾局・橋の開通について
フジテレビ・シリーズ作品紹介
映画公式サイト
公式予告で、お台場の記憶を呼び戻す
マイシアターD.D.公式チャンネルでは、映画第2作の配信予告が公開されています。観光地へ変わったお台場で複数の事件が重なり、湾岸署と本庁の間にも緊張が生まれる作品です。
研究所メモ|ビジネスの視点から:青島のコートが、遠くのファンを迎える
最初の展覧会は、単に放送局内の空きスペースを使ったものではありません。連続ドラマの制作発表を行った「はちたま」を選び、制作陣の手元に残る資料を集めています。その後は銀座、大阪へ巡回し、12月からは札幌でも開かれます。作品の舞台から離れた地域でも、衣裳や小道具を見られる企画になりました。
大阪の公式案内には、銀座で登場した新作グッズも扱うとあります。昔の撮影資料を集めるだけでなく、2026年の新作映画の公開と展示内容を結び付けている点が特徴です。青島のコートのように長年見覚えのある物と、新作のデスクや小道具を、同じ会場の訪問理由にしています。
出典:THE MUSEUM・制作発表の場所と巡回
大阪会場・展示と新作グッズ
出典について
作品とミュージアムはフジテレビ・映画公式・各会場主催者、散策場所は東京都港湾局と公園管理者の案内を参照しました。制作の経緯は、監督・プロデューサー・脚本家のインタビューに基づいています。
よくある質問
「はちたま」でミュージアムをいつでも見られますか?
お台場会場は2026年8月23日に終了しました。展望室の通常営業と、作品の企画展は別です。
レインボーブリッジは歩けますか?
専用遊歩道を利用できます。4月〜10月は9時〜21時、11月〜3月は10時〜18時で、最終入場は30分前。第3月曜が休館で、祝日の場合は翌日です。
湾岸署の内部へ入れますか?
作中の警察署をそのまま見学できる常設施設はありません。公式ミュージアムでは旧・新湾岸署の模型や刑事課の一部再現が展示され、札幌会場(2026年12月5日〜2027年1月11日)でもジオラマの展示が予定されています。
ミュージアムは、どこを巡回していますか?
お台場のはちたま(2026年7月25日〜8月23日)、銀座三越(9月9日〜10月12日)を経て、いまは大阪ATCで11月23日まで開かれています。12月5日〜2027年1月11日は札幌のサッポロファクトリーへ巡回し、12月31日・1月1日は休館と案内されています。
大阪会場の開催時間と料金は?
平日は13時〜18時、土日祝は10時〜17時で、最終入場は閉場30分前です。当日券は一般・大学生2,000円、中高生1,600円。会場はATCのITM棟4階です。
橋の遊歩道は、どれくらいの距離ですか?
芝浦側と台場側の出入口の間が約1.7キロメートル。管理者は徒歩20〜30分程度を目安としています。
『THE FINAL』の湾岸署は、どの建物ですか?
江東区青海のthe SOHOです。東京ロケーションボックスが撮影地として紹介しています。オフィスなどが入る建物のため、外観を眺めます。
札幌会場は子どもも有料ですか?
小学生以下は、有料の同伴者1人につき2人まで無料です。中高生は当日1,600円、12月4日までの前売りは1,400円です。



