Robloxの同時接続が3,060万人に倍増/サンリオ大賞は過去最多6,316万票【週刊推し活ニュース 2025年7月4日号】

2025年6月27日〜7月3日の1週間から、企業の推し活マーケティング・ファンビジネスの注目ニュースをお届けします。
今週のハイライト
今週のキーワードは、プラットフォームの規模が、企業の想定を追い越したでした。
Robloxの同時接続プレイヤー数が、4月の1,390万人から6月には3,060万人へと倍増し、記録を更新しました。この規模を背景に、ヒカキンやBABYMETALが相次いでRoblox上での企画を始動。Fate/Grand Orderは配信10周年を機に、合計48の地方新聞へ47都道府県別の広告を展開しています。
キャラクター人気の側でも動きがありました。サンリオキャラクター大賞は総得票数6,316万696票という過去最多を記録し、ポムポムプリンが9年ぶり4度目の1位に。横浜市はにじさんじ所属のVTuberを市長選挙の啓発キャラクターに起用するなど、公的機関がファンダムに接点を求める動きも見られました。
Robloxが、企業とアーティストの新しい客層になった
Roblox — 同時接続3,060万人、プラットフォーム規模が世界記録に
Robloxの同時接続プレイヤー数が、4月の1,390万人から6月には3,060万人へと倍増し、これまでの記録を大幅に更新しました。プラットフォーム内のゲーム「Grow a Garden」は同時プレイ数2,160万人を記録し、フォートナイトが持っていたギネス世界記録を上回っています。Robloxは世界24か所にエッジデータセンターを運営し、ピーク時には1秒間に最大40億の参加組み合わせを評価する体制を整備。「1,000万人の参加を10秒で処理する」という目標に向け、毎週のキャパシティプランニングとカオステストを続けているといいます(Mogura VR)。
研究所メモ: 同時接続数が4月から6月にかけて倍増しても、Robloxは世界24か所のデータセンターと毎週のキャパシティプランニングでその負荷を受け止めています。企業がプラットフォーム上で企画を打つ際、その基盤がどこまで負荷増に耐える設計かを見ておく価値があります。規模の伸びそのものより、伸びを支えるインフラ投資の継続性が信頼の土台になっています。
Roblox×ヒカキン×セブン-イレブン — 限定アバターとギフトカードで送客
Robloxで、YouTuberヒカキンさん監修の限定アバターアイテムがもらえるキャンペーンが、7月1日から8月31日まで実施されます。全国のセブン-イレブン店舗でRobloxのギフトカード(3,000円、またはバリアブル1,000円〜50,000円)を購入すると、引換えコードで限定アバターアイテムを入手可能。7月は「ブンブンハローHIKAKIN」、8月は「肩乗りHIKAKIN」が提供されます(Mogura VR)。
研究所メモ: オンラインのアバターという無形の特典を、コンビニでのギフトカード購入という実店舗の行動に結びつけている点がこの企画の核です。7月・8月で異なるアイテムを用意し、来店の動機を1回で終わらせない設計になっています。デジタルの人気コンテンツとリアル店舗の送客を組み合わせる、業種をまたいだ連携の一例です。
BABYMETAL×Roblox・VRChat — アーティストがメタバースに拠点を持った
株式会社Kultureと株式会社メタバースクリエイターズが、BABYMETALとの共同メタバースプロジェクトを発表しました。VRChatとRobloxの両方でコンテンツを提供するのは、日本のアーティストとして初の同時展開だといいます(Kulture社調べ)。VRChatでは7月1日より新ワールド「Avatar Dance Stage」が開設され、モーションキャプチャーで再現した振付で「ギミチョコ!!」などを踊れます。Robloxでは7月11日から「BABYMETAL MONSTERS」が公開され、「ヘドバンギャー!!」をテーマにしたマルチプレイ型ホラーゲームとしてプレイ後にBABYMETALの展示ギャラリーも楽しめます(Mogura VR)。
研究所メモ: 3社が同じ週に、それぞれ違う形でRobloxに乗りました。プラットフォームの記録的な規模の伸びが、コンビニの送客企画からアーティストの新曲展開までを同時に呼び込んだ形です。自社でユーザーを集める前に、すでに数千万人が集まっている場所へどう出向くか。この問いに、業種を問わず答えが出始めています。
鬼滅の刃が、飲料とホテルの両方で存在感を示した
ダイドードリンコ×鬼滅の刃 — 限定缶と本物の風鈴でコンプ需要を作る
ダイドードリンコが6月30日、約5年ぶりとなる『鬼滅の刃』とのコラボレーションで「ダイドー鬼滅の刃アイスラテ」全20種類、「みかん水無糖」全12種類の計32種類を発売しました。前回2020年のコラボでは、発売から約3週間で累計販売本数が5,000万本を突破した実績があります。あわせて始まったキャンペーンでは、本物の鍛冶職人が作る「鬼滅の刃」風鈴(胡蝶しのぶモデル)やおそろいTシャツ&サコッシュが抽選で当たります。7月13日まで、阪神電気鉄道の大阪梅田駅・神戸三宮駅のデジタルサイネージでも広告を展開しています(アニメ!アニメ!)。
研究所メモ: 32種類という缶のラインナップは、1本ではなくコンプリートを目指させる設計です。2020年の前回コラボが発売から約3週間で5,000万本を突破した実績があるからこそ、約5年越しの再登板という判断が成立しています。過去の成功実績が、次のコラボの規模とタイミングを後押しする好例です。
東急ホテルズ×鬼滅の刃 — 義勇の好物や猗窩座イメージをブッフェで再現
東急ホテルズ&リゾーツが、劇場版『鬼滅の刃』無限城編第一章の公開を記念したコラボブッフェ「鬼滅の刃×東急ホテルズ スペシャルブッフェ2025」を、2025年7月19日から8月31日まで全国6都市・7ホテルで開催します。予約は7月1日15時に受付を開始しました。冨岡義勇の好物「鮭大根」、猗窩座イメージの「ビーツコロッケ」、禰豆子をイメージしたローストポークなど、キャラクターにちなんだメニューをブッフェスタイルで提供。料金はホテルにより大人4,700円〜6,500円です(アニメ!アニメ!)。
研究所メモ: 同じIPでも、飲料は「集めて楽しむ」設計、ホテルブッフェは「食べて確かめる」設計と、体験の質がまったく違います。缶のデザイン32種類はコンプリート欲を刺激し、義勇の好物を実際の料理で再現したブッフェは考証への信頼を刺激する。同じキャラクターでも、業種によって刺激すべきファン心理が違うことを、この2社の企画は示しています。
ブランド周年を機に、企業がCMと店頭を刷新した
キャンメイク — ブランド40周年、小芝風花を起用しクッションファンデを訴求
井田ラボラトリーズが7月1日、俳優の小芝風花さんが出演するメイクアップブランド「キャンメイク」の新テレビCMを公開しました。1985年誕生のキャンメイクは2025年春にブランド40周年を迎え、今回のCMではブランド初となるクッションファンデーション「フィットグロウクッション」の魅力を夏の情景とともに伝えています。周年企画として特設サイトも開設し、40年間のメイクトレンドの変遷や当時の人気商品を振り返るブランドヒストリーを公開しています(AdverTimes.)。
研究所メモ: 40周年という節目を、過去を懐かしむだけでなく「ブランド初」の新商品訴求に使っている点がポイントです。特設サイトで40年の歴史を振り返りつつ、CMでは新商品のクッションファンデを前面に出すことで、周年企画がそのまま新商品の話題化にもつながっています。周年は懐古と新商品訴求を両立できる機会だと分かる事例です。
Mrs. GREEN APPLE×TSUTAYA — デビュー10周年、渋谷にメッセージを掲出
SHIBUYA TSUTAYAが7月7日から14日まで、Mrs. GREEN APPLEとのコラボレーションイベント「ミセスとCD聴こうよ。展@TSUTAYA」を開催します。デビュー10周年とベストアルバム『10』の発売を記念した企画で、展示に先駆けて6月30日から渋谷QFRONTシートに「#CD聴こうよ。」の屋外広告を掲出。メンバーの大森元貴さんがCDの魅力を綴ったメッセージが掲げられています。懐かしのTSUTAYAロゴとのコラボグッズ販売や、特別仕様の返却バッグ復活もあわせて実施します(AdverTimes.)。
研究所メモ: 40周年のキャンメイクは新商品の訴求に、10周年のミセスは過去の資産(CD文化)の再発見に、周年をそれぞれ違う目的で使っています。周年は「これまでありがとう」で終わらせず、次の商品や新しい文化体験への入口に変換できるかが分かれ目です。どちらも「懐かしさ」を単独の商品にせず、現在進行形の企画に組み込んでいる点が共通しています。
Fate/Grand Order10周年が、全国紙に広がった
Fate/Grand Order — 47都道府県の新聞広告で、10周年を全国に伝える
TYPE-MOONが提供し、アニプレックスが運営する『Fate/Grand Order』(FGO)が、サービス配信10周年を記念した広告企画「OVER THE SAME SKY」を実施しました。6月22日付の読売新聞朝刊にキービジュアルを掲載したのを皮切りに、6月29日・30日には関東・甲信地方9紙にイラスト広告を掲載。今後、47都道府県それぞれの名所名跡をキャラクターが訪れるデザインで、合計48の地方新聞へ展開していく予定です。2020年の5周年記念広告「under the same sky」は、掲載当日からSNSで話題となり、日本新聞協会の新聞広告賞や読売マーケティング賞グランプリを受賞した実績があります(AdverTimes.、インサイド)。
研究所メモ: 47都道府県それぞれに専用デザインを作る手間は膨大です。しかし5周年の前例が「掲載紙の購入や観光の問い合わせが相次いだ」実績を残しているからこそ、10周年でも同じ型を再投資できています。一度作った成功パターンを周年ごとに反復する。長期IPの周年施策は、毎回ゼロから発想し直す必要はないという好例です。
VTuber業界が、次世代タレントの育成に乗り出した
にじさんじ「VTA」— ストリーマーからゆめかわライバーまで、入学オーディション開始
「にじさんじ」を運営するANYCOLOR株式会社が7月1日、VTuber人材育成プロジェクト「バーチャル・タレント・アカデミー(VTA)」の入学オーディションを開始しました。「ストリーマーオーディション」「ゆめかわライバーオーディション」「バーチャルお笑いコンビオーディション」の3ジャンルで実施し、配信未経験者でも挑戦できる仕組みです。応募期間は7月1日から7月25日正午まで、都内での研修参加が条件。過去のVTA出身ライバーには「Ranunculus」「VOLTACTION」などがいます(ANYCOLOR)。
研究所メモ: 配信未経験者でも応募できる設計は、すでにファンである層をそのまま供給側に転換させる仕組みです。3ジャンルに分けたオーディションは、応募のハードルを下げながら異なる適性の人材を同時に集める工夫といえます。ファンを次の担い手として育てる発想は、VTuber業界に限らず応用できます。
渋谷ハル×REALITY — 「VVVV学院」でVTuber志望者を育成する
REALITY株式会社が、VTuber/メタバースアプリ「REALITY」で活動するライバーの育成を目的とした新プロジェクト「VVVV学院 feat.渋谷ハル」を開始しました。VTuberの渋谷ハル氏が公式アンバサダー兼講師に就任し、8月からスタートする特別番組「渋谷ハル先生のぶいふぉーキャンパス」に、オーディションで選ばれた1期生4名が出演します。募集人数は既存のスターライバーから2〜3名、全REALITYユーザーから1〜2名の計4名。受験期間は7月1日から15日までです(PR TIMES)。
研究所メモ: 2社がほぼ同じ週に、VTuberの「育成プロジェクト」を始動させました。すでに人気のタレントを起用するだけでなく、次の世代を自社プラットフォーム内で育てる動きが本格化しています。配信未経験者を受け入れる設計は、ファンをいずれ演者側に転換させる導線でもあります。ファンビジネスの担い手を自前で増やす発想は、他業種のコミュニティ運営にも応用できます。
サンリオが、ファンの支持を数字と場所の両方で見せた
サンリオキャラクター大賞 — ポムポムプリンが9年ぶり4度目の1位に
サンリオキャラクターの人気投票イベント「2025年サンリオキャラクター大賞」の最終結果が6月29日に発表されました。総得票数は前年比111%となる過去最多6,316万696票を記録。第1位に輝いたのは、昨年4位から返り咲いた「ポムポムプリン」で、9年ぶり4度目の1位となりました。5連覇していた「シナモロール」は2位、「ポチャッコ」が3位で、サンリオの3大犬キャラクターがトップ3を独占しています。結果発表は6月28日・29日にパシフィコ横浜で開催された「SANRIO FES 2025」内で行われました(アニメ!アニメ!)。
研究所メモ: 前年比111%という得票数の伸びは、5連覇していたシナモロールが2位に後退するほどの順位変動と同時に起きています。長年続く人気投票でも、上位の顔ぶれが固定化せず毎年動く設計が、投票への参加意欲を保っている一因と考えられます。ランキングの不確実性そのものがファンの投票行動を促す仕掛けになっています。
サンリオキャラクターズ×極楽湯 — 銭湯とのコラボで日常の接点を作る
『サンリオキャラクターズ』とスーパー銭湯の極楽湯・RAKU SPAグループによるコラボキャンペーン「サンリオキャラクターとおふろタイム」が、7月17日から8月17日まで全国11店舗で開催されます。入館時に「サンリオキャラクターズ プラスセット」を購入すると、描き下ろしデザインの限定マフラータオル(全6種)がランダムでプレゼント。浴室にはキャラクターをイメージした6種類のコラボ風呂が登場し、RAKU CAFEではコラボメニュー「おしりまん」(880円)も提供されます(アニメ!アニメ!)。
研究所メモ: 6,316万票という投票の熱量と、銭湯という日常の場所へのコラボは、一見遠いようで同じ土台の上にあります。年に一度の大規模投票で熱量を可視化し、普段の生活動線にキャラクターを溶け込ませる。この両輪があるからこそ、40周年を迎えてなお過去最多の得票を更新できています。ファンの熱量を測る場と、日常で会う場の両方を持つことが、長寿IPの強さです。
自治体とプラットフォームが、新しい客層への入口を広げた
横浜の市長選挙×にじさんじ — 社築・魁星を起用し若年層への投票を呼びかけ
横浜市が、市長選挙の投票参加を呼びかけるため、にじさんじ所属のVTuber・社築さんと魁星さんを啓発キャラクターに起用しました。市内ターミナル駅やみなとみらいの動く歩道、Yahoo!やGoogleなどのウェブポータルに掲出予定で、期日前投票所・当日投票所では数量限定でオリジナルデザインの投票証明書も配布されます。7月17日にはマリンタワーでの点灯式に社築さんがビデオ出演し、投票への参加を呼びかけます(Mogura VR)。
研究所メモ: 民間のファンダムを持つVTuberを、投票率向上という公共の課題に起用した点がこの事例の特徴です。駅や動く歩道といったリアルな生活動線と、Yahoo!やGoogleのようなウェブポータルの両方に掲出することで、接点を絞らない設計になっています。自治体施策でも、既存のファン基盤を持つキャラクターを起用する発想が広がっています。
TikTok Shop — 国内でついに提供開始、購入までの距離を縮める
「TikTok」が6月30日、アプリ内で商品の販売から購入までが完結するEC機能「TikTok Shop」を日本で提供開始しました。展開はグローバルで17市場目、日本国内のTikTokユーザーは3,300万以上(2025年6月現在)。ショッピング機能付きの動画やLIVE配信を通じ、外部ECサイトへの遷移なしに購入できる仕組みです。TikTok Shop Japanの邱開洲氏は、オフライン購入の文化が根強い日本市場に合わせた機能追加を今後進める方針を示しました(AdverTimes.)。
研究所メモ: 外部ECサイトへの遷移をなくし、動画やLIVE配信の中で購入まで完結させる設計は、視聴から購買までの距離を最短にする狙いです。3,300万人を超える国内ユーザーを抱えたうえでのEC機能追加であり、すでに集まった視聴者をそのまま購買層に転換させる動きといえます。オフライン購入文化が根強い市場向けに機能を調整する姿勢も、今後の展開を見るうえでの参考になります。
サントリー「ジハンピ」— 阿部サダヲ起用CMで、500万ダウンロード突破
サントリー食品インターナショナルが、自販機キャッシュレスアプリ「ジハンピ」の新テレビCM3本を7月1日から全国放映しています。俳優の阿部サダヲさんと女優の桜田ひよりさんが初共演し、アプリの利便性や「3本無料」キャンペーンを訴求。2025年3月からの展開で、当初2025年中に200万ダウンロードを目標としていましたが4月末時点で達成したため、目標を500万に引き上げました。6月30日からは500万ダウンロード突破を記念した追加キャンペーンも実施しています(サントリー)。
研究所メモ: 横浜市はVTuberの発信力を投票率という公共課題に使い、TikTokとサントリーはアプリという入口を使って購買までの距離を縮めています。共通するのは、ファンやユーザーが普段いる場所まで出向く発想です。自社サイトやアプリだけに頼らず、相手のいるプラットフォームに合わせて接点の形を変える。この週の3件は、業種を問わない共通の打ち手を示しています。
今週の所感
今週は、プラットフォームの規模がそのまま企業の選択肢を広げた週でした。
Robloxの同時接続数が半年足らずで倍増したことで、ヒカキンのアバター企画やBABYMETALの新曲展開が同時に生まれました。FGOの47都道府県別新聞広告や、にじさんじ・REALITYのVTuber育成プロジェクトも、すでに存在する巨大な母集団(読者、視聴者、ライバー志望者)に向けた企画です。規模のある場所に、企業が合わせにいく。この構図は、鬼滅の刃の飲料・ホテル展開やサンリオの投票イベントにも共通しています。
一方で、キャンメイクやMrs. GREEN APPLEのように、周年という自社の歴史を軸にした施策も並びました。規模を追う施策と、自社の積み重ねを掘り下げる施策。どちらも今週は同時に動いており、企業がファンとの接点をどちらの軸で作るかを選べる状況が見えてきます。
自社のファンがどのプラットフォームに、どれだけの密度でいるのか。推し活マーケティングの設計原則や推し活の市場規模とあわせて、今週の動きを見てみてください。
週刊推し活ニュースは、推し活×ビジネスの1週間を毎週まとめてお届けします。過去の号は推し活×ニュースカテゴリからどうぞ。



