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ファミマ​「あ​そべる​コンビニ」​始動/JR東海が​FF7で​「推し旅」​【週刊推し活ニュース 2025年12月19日号】

2025年12月12日〜12月18日の1週間から、企業の推し活マーケティング・ファンビジネスの注目ニュースをお届けします。

今週のハイライト

今週のキーワードは、企業が自社の基盤を、推し活の受け皿として開放したでした。

ファミリーマートが新戦略「あそべるコンビニ」を発表しました。全国約1万6,400店舗、1日の総入店客数1,800万人という実店舗網に、公式アプリ「ファミペイ」のファーストパーティデータ3,000万人分(提携データ含め5,000万人規模)を掛け合わせ、IPコンテンツの発信拠点にする構想です。JR東海も「推し旅」で東海道新幹線そのものを『FF7リメイク インターグレード』の舞台に変え、ロッテは生成AIでビックリマン40周年を「名刺」という日常アイテムに落とし込みました。

データの面でも規模の裏付けが相次ぎました。ベネッセの調査では高校生の79.1%に「推し」がいることが分かり、Robloxの年次レポートは1日2億7,400万回のアバター更新とZ世代の70%がデジタルファッションを着用した経験を明らかにしています。配信プラットフォームのミラティブは東証グロース市場に上場し、個人勢VTuberの支援を新規事業の柱に据えました。

コンビニとアパレル小売が、来店客をIPの窓口に変えた

ファミリーマート — 「あそべるコンビニ」で1800万人の来店客をIP発信拠点に

ファミリーマートが12月17日、新たな事業戦略「あそべるコンビニ」を発表しました。全国約1万6,400店舗の実店舗網と、公式アプリ「ファミペイ」が持つファーストパーティデータ3,000万人分(提携データを合わせると5,000万人規模)を掛け合わせ、IPコンテンツの発信拠点として「リテールエンターテイメント」を実現する構想です。1日の総入店客数は1,800万人にのぼり、全国1万1,000店舗にはデジタルサイネージ「FamilyMartVision」を配備しています。細見研介社長は「リアルとデジタルの両面を併せ持つ独自のインフラが整った」と説明。2026年は「呪術廻戦」などとのコラボを予定するほか、12月19日からは「刀剣乱舞ONLINE」とのコラボ恵方巻の予約も始まります(AdverTimes.)。

個人のクリエイターが自身の作品でグッズ販売や販促を行える「C2C」サービスの充実も打ち出しています。

研究所メモ: ファミマの構想の要は、店舗網とファミペイの購買データという既存インフラをそのままIP発信の土台に転用した点です。呪術廻戦や刀剣乱舞といった複数IPを並行して受け入れられる余地は、この基盤の大きさから生まれています。個人クリエイターのC2Cまで同じ枠に組み込んだことで、企業とファンの双方が使えるプラットフォームになりつつあります。

GU、ユニクロ — サンリオとたまごっちを同時に店頭へ

GUは「サンリオキャラクターズ」とのコラボコレクションを2026年1月1日に発売し、12月15日からオンラインストアで先行予約を開始しました。ハローキティやポムポムプリンをあしらったスウェットやルームウェアをラインナップし、価格はヘビーウェイトスウェットショートパーカが各2,990円(税込)などです(インサイド)。ユニクロも12月19日、「たまごっち」のUTコレクションを発売。1996年にバンダイが発売したデジタルペット玩具の初代ピクセルアートをモチーフに、まめっちやくちぱっちをデザインし、UTは各1,990円、オリジナルたまごっちは2,990円(いずれも税込)です(インサイド)。

研究所メモ: 同じ週に、系列の異なる2つのSPAブランドがキャラクターコラボを投入しました。GUは今のファン層、ユニクロは30年近い歴史を持つIPで懐かしさを狙うという住み分けです。推し活マーケティングの設計原則にもある通り、狙う世代を変えれば同じ企業グループでもIPコラボは競合しません。

鉄道とドーム球場が、キャラクターで来訪の動機を作った

JR東海×FF7 — 新幹線ごと「推し旅」の舞台にする

JR東海が提供する「推し旅」と『ファイナルファンタジーVII リメイク インターグレード』のコラボが、2026年1月15日から4月15日にかけて開催されます。クラウドやティファ、セフィロス、ザックスといったキャラクターが鉄道職員の姿で描き下ろされ、ミニアクリルスタンドやパスケース、トラベルステッカーをアニメイト名古屋と名古屋市科学館で販売。東海道新幹線の車内ではオリジナルボイスドラマを配信し、キャンペーンサイトで発行される「新幹線乗車証明」をアニメイト名古屋で見せるとオリジナルアクリルキーホルダー(全3種)がランダムでもらえます。名古屋市内ではデジタルスタンプラリーも実施し、3箇所コンプリートで特典ポストカードを獲得できます(インサイド)。

東京駅・名古屋駅ではデジタルサイネージも放映される予定です。

研究所メモ: 新幹線の乗車自体をボイスドラマや乗車証明特典と結びつけたことで、コラボの体験が改札の外だけでなく移動時間の中にまで広がっています。グッズ販売やスタンプラリーを名古屋という一つの都市に集約した設計は、来訪の目的地と回遊動線を同時に作る手段として参考になります。

東京ドーム×ゴジラ — AR新規事業で「熱狂体験」を屋外に実装

東京ドームとGraffity株式会社が共同開発した屋外型ARアトラクション「ゴジラAR ゴジラ VS 東京ドーム」が、12月17日に東京ドームシティ アトラクションズのバイキングゾーンにオープンしました。東宝・白組・Graffityの3社が協力し、体長約100mのゴジラの迫力を現実の東京ドームで体感できる内容です。東京ドームの長岡勤代表取締役社長COOによると、企画は約3年前に東宝との対話から始まったといいます。新規事業室の下山大輔氏は「熱狂体験」というキーワードを掲げ、効率化が進む時代だからこそ感動や想像力の入り込む余白を作りたいと語りました(Mogura VR)。

研究所メモ: 新幹線とドーム球場という、どちらも「移動」や「待ち時間」を含む場所を舞台に選んだ点が共通しています。目的地そのものより、そこに向かう過程にキャラクターを差し込むほうが体験時間を長く取れる。観光・興行系の企業にとって、コラボの置き場所は本体施設だけでなく動線全体に広げられます。

食品と酒類ブランドが、AIと海外IPで接点を広げた

ロッテ — AI技術でビックリマン40周年を「推し活の名刺」に変える

ロッテが、ビックリマンの「悪魔VS天使」シリーズ40周年を記念し、生成AIでユーザー自身の顔写真をビックリマン風キャラクターに変換した名刺を作成できるキャンペーンを12月16日から開始しました。期間は2026年1月25日までの40日間で、公式Webサイトから申し込め、価格は100枚4,400円(税込)からです。1977年に登場したビックリマンのブランド価値を、最新のAI技術で次世代の消費者との接点に変える狙いがあります。キャンペーン担当者は、ビジネスシーンだけでなく友人や趣味、推し活のコミュニティでの利用も想定していると説明しています(AdverTimes.)。

研究所メモ: 40年前のIPを、名刺という実務的なアイテムに落とし込んだ点がロッテの工夫です。ビジネスとファン活動という別々の場面で同じ名刺を使えるようにしたことで、推し活グッズが持つ「私的な場でしか使えない」という制約を外しています。生成AIによる個人化は、老舗IPを日常の道具に変換する手段として機能しています。

IGIN×ゼットン — BTS・JINのファンを渋谷の飲食店に呼んだ酒類ブランド

飲食事業を展開するゼットンが10月15日から11月11日にかけて、韓国の酒類ブランド「IGIN」との連動企画を実施していたことが、12月16日発売の月刊『販促会議』1月号で紹介されました。IGINが渋谷で5日間のポップアップストアを開催したのに合わせ、「渋谷舌呑」や中目黒の「韓国ポチャイヨサンソウル」など4店舗で、BTSのJINさんがアンバサダーを務めるIGINのパネルやフォトブースを設置。韓国限定「IGIN APPLE GIN -PINK Edition」や日本限定ラベルの商品を提供しました。IGINは2025年7月に日本上陸し、缶タイプの「APPLE TONIC」が全国のローソンで即日完売する話題となっています(AdverTimes.)。

研究所メモ: ロッテは自社の40年物のIPを、IGINは海外から持ち込んだ新興ブランドを使いましたが、どちらも「名刺」「飲食店」という生活の中の小さな接点を選んでいます。大きなイベント会場を用意しなくても、日常の道具や近所の店を一時的にファンの場所へ変えられることを示す事例です。

雑貨店が、クラフト感と物量の両方でファンを迎えた

サンリオ×tamaoworld — 松屋銀座でインド手刺繍のポップアップ

サンリオのキャラクターと、日本でデザインしインドの熟練職人が手刺繍で仕上げるブランド「tamaoworld」のコラボアイテムを展開するポップアップストアが、12月17日から25日まで松屋銀座3階イベントスペースで開催されています。財布ポシェット「Sanrio characters Carnival Dream」がメタリックピンクとメタリックシルバーの2色で先行登場し、価格は税込31,900円。クロミをスパンコール刺繍で表現したポーチは税込9,690円で、いずれも数量限定の先行販売です(銀座経済新聞)。

研究所メモ: サンリオという万人向けIPを、インド手刺繍という手間のかかる製法と組み合わせることで、量産グッズとは異なる単価帯を成立させています。31,900円という価格は、キャラクターの認知度だけでなく素材や技法への信頼があって初めて受け入れられるもので、単価を上げたいコラボ企画では作り手側のクラフト性が価格の裏付けになる点が参考になります。

ロフト×キングダムハーツ — 全国118店舗にグッズを集めた物量作戦

全国のロフト118店舗で、「キングダム ハーツ」関連グッズを集めた「KINGDOM HEARTS GOODS COLLECTION」が12月13日から始まりました。第一弾は12月13日から1月16日まで、第二弾は1月17日から2月15日までの2期構成で、キーブレード型ボールペンやマルチポーチなどイベント限定品を用意。1会計2,200円(税込)以上購入すると、全16柄の「ホログラムしおり」が先着でもらえます(インサイド)。

研究所メモ: tamaoworldは31,900円の一点物、ロフトは118店舗×2期構成という量産型。単価と店舗数という真逆の設計ですが、どちらも「今しか買えない」という限定性を軸にしている点は同じです。限定グッズの企画設計を考えるときは、単価を上げるか店舗数を絞るか、絞り方の軸を先に決める必要があります。

チケットと配信と検定が、ファン接点をインフラ化した

アニメイトチケット — 通販から独立させた専門プラットフォーム

株式会社アニメイトが、アニメ・コミック・ゲームに特化した新しいチケット販売サイト「アニメイトチケット」を開設したと発表しました。既存のアニメイト通販内で扱っていたチケット商品を独立させたもので、全国のアニメイト店舗ネットワークとクラブアニメイト会員の連携により、コンテンツへの関心が高いファン層に情報を届ける仕組みを持ちます。チケット販売に加え、店頭での告知宣伝や特典配布、関連グッズと連動した施策も展開する方針です(アニメ!アニメ!)。

研究所メモ: 通販の一機能だったチケット販売を独立サイトに切り出したのは、店舗網と会員基盤を持つ企業がインフラ側に回る動きです。チケットを起点に店頭告知やグッズ連動まで一体で設計できるのは、すでにファンの母集団を持つ企業ならではの強みで、単独のチケット事業者にはまねしにくい構成です。

【推しの子】×ABEMA — 第3期を地上波同時・単独最速の無料配信に

2026年1月14日から始まるアニメ『【推しの子】』第3期が、ABEMAで地上波同時・単独最速の無料配信を行うことが発表されました。原作は「週刊ヤングジャンプ」連載中の漫画で、全世界シリーズ累計2,500万部(電子含む)を突破しています。毎週水曜23時に地上波同時無料放送し、23時30分から無料配信を実施。放送期間中は第1期から最新話までをいつでも無料で視聴できます(アニメ!アニメ!)。

研究所メモ: 地上波と同時に無料配信することで、視聴のハードルを下げると同時に見逃した回を含めて全話をいつでも追える環境を作っています。累計2,500万部という原作の規模があるからこそ成立する無料化ですが、視聴の間口を広げることが後続話数の追随視聴につながる設計は、連載中IPの配信戦略として参考になります。

夏目友人帳検定2026 — シリーズ初の公式検定を来年2月に開催

TVアニメ『夏目友人帳』の知識を問う「夏目友人帳検定2026」が、2026年2月22日に東京会場とオンラインで全国一斉開催されます。シリーズ初の公式検定で、描き下ろしキービジュアルと受験者向けの特典も公開されました。原作は白泉社「LaLa」連載中のマンガで、コミックスの国内累計発行部数は1,800万部を突破しています(アニメ!アニメ!)。

研究所メモ: チケット、配信、検定は、いずれも一度きりのイベントではなく毎年繰り返せる「型」です。特に検定は、グッズや配信のように消費される体験ではなく、ファンの知識量そのものを可視化する珍しい仕組みで、長期連載IPほど設計しやすい施策だと感じます。

調査データとIPO市場が、推し活の規模を裏付けた

ベネッセ調査 — 高校生の79.1%に「推し」、5位に「にじさんじ」

ベネッセコーポレーションが「高校生の意識・まなび調査2025」の結果を公開しました。全国の高校1年生から3年生756名を対象にした調査で、79.1%が「推しがいた」と回答。「最も推している人」の自由回答集計では、Mrs. GREEN APPLE、Snow Man、なにわ男子、SixTONESが上位に並び、5位にはVTuberグループ「にじさんじ」が入りました(Mogura VR)。

研究所メモ: 79.1%という数字だけでなく、上位にVTuberグループのにじさんじが実在アーティストと並んで入った点が重要です。高校生にとって「推し」はもはやリアルとバーチャルを区別しない対象になっており、企業がファン施策を設計する際もアイドルとVTuberを別カテゴリとして扱う前提を見直す必要があります。

Roblox年次レポート — Z世代の70%がデジタルファッションを着用

Robloxが年次レポート「2025 Roblox Replay」を公開しました。1日2億7,400万回を超えるアバター更新と5,000万件以上の検索データを分析した内容で、Z世代ユーザーの70%がブランドのデジタルファッションを着用した経験があり、64%がその後に現実で同ブランドを検討しやすくなったと回答。88%は実際の購入前にデジタルで試着すると答えています。2025年第1四半期から第3四半期の総プレイ時間は887億時間、8月の同時接続ユーザー数は4,500万人に達し、日本のデイリーアクティブユーザーは2022年第4四半期から2024年第4四半期で120%増加しました(Mogura VR)。

研究所メモ: 88%が購入前にデジタルで試着し、64%が試着後に実際のブランド検討につながったという数字は、デジタルファッションが娯楽の枠を超え、購買前の意思決定プロセスの一部になっていることを示しています。日本のデイリーアクティブユーザーが2年で120%増えている以上、アパレルやコスメ企業にとってRobloxはテスト販促の場として無視しにくい規模に育っています。

ミラティブ — 東証グロース上場、個人勢VTuber支援を新規事業に

株式会社ミラティブが12月18日、東京証券取引所グロース市場に上場しました。スマートフォン向けの画面共有型ライブ配信プラットフォーム「Mirrativ」を2015年から運営し、これまでに500万人を超えるユーザーが配信者として活動しています。2025年5月には新規事業「All for Streamers」を発表し、YouTubeやTwitch、TikTokなど他プラットフォームで活動する配信者を支援。特に企業に所属しない個人勢VTuberへの手厚いサポートを打ち出しています(Mogura VR)。

研究所メモ: 79.1%、2億7,400万回、500万人といった数字が同じ週に並ぶと、推し活はもはやニッチな余暇ではなく統計に載る市場だと分かります。推し活の市場規模を裏付けにした投資判断は、感覚ではなく調査データを根拠にできる段階に来ています。

AI音声パートナーが、推し活の定義を広げ始めた

AIsis — 音声対話AIと関係性を育てるアプリがプレ公開

WESTE & Co.が、音声対話型AIパートナーアプリ「AIsis(アイシス)」をプレマーケティングとして公開しました。3D美少女キャラクターと音声で会話を重ね、相談相手・ビジネスパートナー・疑似恋愛・友人関係といった関係性を自分で育てていく設計です。AIはユーザーとの会話内容を学習・記憶し、会話を重ねるほど応答や距離感が変化します。会話自体をポイント制のゲームとして設計しており、獲得したポイントはデートの解放やアイテム購入、演出のカスタマイズに使用可能。仮想空間を訪れる店内モードに加え、店外デートモードも用意されています(NEWSCAST)。

研究所メモ: 実在の企業やタレントを推す既存の推し活と違い、AIsisは企業が用意した架空のキャラクターとの関係性そのものを商品にしています。ポイント制で親密度を管理する設計は、既存の推し活が持つ「積み重ねた時間が資産になる」という感覚をAIに移植したものと見ることができます。

今週の所感

今週は、企業が自社の持つ基盤を、ファンとの接点そのものに変えた週でした。

ファミリーマートの1,800万人という来店客数、JR東海の新幹線という移動時間、ロッテの名刺という日常アイテム。どれも推し活のために新しく作った場所ではなく、もともと企業が持っていたものを「発信拠点」に読み替えた点が共通しています。ミラティブの上場も、配信プラットフォーム単体の成長ではなく、個人勢VTuberを支援するインフラへと事業を広げた結果でした。

一方で、ベネッセとRobloxのデータは、推し活そのものの裾野が広がっていることを示しています。高校生の79.1%に推しがいて、Z世代の7割がデジタルファッションを着る。AIsisのような、実在しないキャラクターとの関係性を商品化する動きも、この裾野の延長線上にあります。場所を作るより、すでにある基盤を開放するほうが早い。この構図は、業種を問わず応用できるはずです。

自社が持つ顧客接点のどこを推し活の窓口に変えられるか。推し活マーケティングの設計原則やファンマーケティングの基本とあわせて、今週の動きを見てみてください。


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