推し活×聖地巡礼

「宝塚歌劇」​の​聖地巡礼|大劇場と​花のみち、​衣装展示から​旧音楽学校へ​【推し活×聖地巡礼】

兵庫県の宝塚(たからづか)大劇場で公演を観て、宝塚歌劇の殿堂で実際に使われた衣装や大羽根を見る。駅と劇場を結ぶ花のみちを歩くと、歌劇のブロンズ像にも出会えます。

日比谷の東京宝塚劇場は、もう一つの専用劇場です。大阪の池田には、創設者・小林一三(こばやしいちぞう)の旧邸と公演資料を収める文庫があります。観劇、衣装の展示、学校や創設者の歴史を、それぞれの場所で紹介します。

三つのアーチと鉄の門扉がある宝塚大劇場の入口を訪れる三人の女性のイラスト

観劇の劇場と、衣装や学校の歴史を見られる場所

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宝塚(たからづか)歌劇の訪問先7か所兵庫県宝塚市栄町1-1-57・兵庫県宝塚市栄町1丁目・兵庫県宝塚市武庫川町6-12・東京都千代田区有楽町1-1-3・兵庫県宝塚市栄町1-1-33・大阪府池田市栄本町12-27・大阪府池田市栄本町12-1
公式イベント地域ゆかりの場所公開展示

① 宝塚大劇場の複合施設

大劇場・バウホール・歌劇の殿堂を同じ場所で紹介。

宝塚大劇場の複合施設を詳しく

② 花のみち

桜と歌劇のブロンズ像がある公開歩道。

花のみちを詳しく

③ 宝塚文化創造館・すみれ♪ミュージアム

旧音楽学校の校舎と卒業写真・公演ポスター。

宝塚文化創造館・すみれ♪ミュージアムを詳しく

④ 東京宝塚劇場

東京の公演拠点。客席は公演チケットで入場。

東京宝塚劇場を詳しく

⑤ 宝塚ホテル

舞台の実衣装・小道具の展示ギャラリー。

宝塚ホテルを詳しく

⑥ 小林一三(こばやしいちぞう)記念館

歌劇創設者の旧邸と業績展示。

小林一三記念館を詳しく

⑦ 池田文庫

公演プログラム・ポスターを閲覧する資料館。

池田文庫を詳しく

1宝塚(たからづか)大劇場の複合施設|大劇場、バウホール、歌劇の殿堂

赤い瓦屋根とアーチがある宝塚大劇場の入口と、手前の女性のイラスト

宝塚歌劇の本拠地は、兵庫県宝塚市栄町1-1-57の宝塚大劇場です。同じ複合施設には小劇場の宝塚バウホールと、実際の衣装や小道具を展示する宝塚歌劇の殿堂もあります。

宝塚大劇場|生演奏と大きな舞台で見る公演

専用の大劇場が開場したのは1924年です。現在の劇場は1993年、星組の『宝寿頌』『PARFUM DE PARIS』で幕を開けました。2026年の客席新設を経て、座席数は2,619席になっています。

客席は2層で、前の人と位置が重なりにくい、ちどり配置です。舞台ではオーケストラが生演奏を行います。舞台前方に張り出す銀橋(ぎんきょう)は、2005年にカーブの形が変更されました。

宝塚バウホール|若手の公演を近くで見る小劇場

宝塚バウホールは1978年に開場した、約500席の小劇場です。「バウ」は船首を意味するBowに由来します。若手スターや若手演出家の登竜門となる会場で、大劇場とは別の公演を、舞台に近い客席で見られます。

どちらの劇場も、公演の客席へ入るにはその回のチケットが必要です。施設全体の開門、飲食店、物販の時間は公演日により変わるため、観劇日の日程と営業案内を合わせて確認できます。

出典:宝塚歌劇・大劇場とバウホール / 公演期間ごとの館内営業

宝塚歌劇の殿堂|舞台で使われた衣装、小道具、大羽根

大劇場の2階と3階には、宝塚歌劇の殿堂があります。2階の殿堂ゾーンは、卒業生やスタッフの写真と、ゆかりの品を展示する場所です。3階では、実際の公演で使った衣装や小道具、フィナーレの大羽根を見られます。

2階では、フィナーレの舞台を再現したレゴブロックの「宝塚大劇場」も展示されています。創設者の小林一三(こばやしいちぞう)だけでなく、舞台を支えた卒業生やスタッフの品を通して、公演づくりに関わった人々をたどれる区画です。

3階の大型モニターでは、約10分の舞台映像を上映。衣装や小道具とともに、歌や踊りの中でそれらを使う姿を見られます。大階段を模した背景には大羽根の体験コーナーがあり、記念撮影もできます。

手に持てる小道具は、各組の色でつくった体験用のオリジナル・シャンシャンです。シャンシャンとは、フィナーレで出演者が持つ飾りのこと。舞台で実際に使われた品は展示ケースなどで鑑賞し、体験用の品を持って撮影する仕組みになっています。

3階には、前任トップスターの手形も展示されています。見学は2階から3階へ進む一方通行で、入館券の販売は閉館15分前までです。

展示品は公演ごとに入れ替わります。入館料は500円で、小学生から有料です。休演日は休館し、開館時間は公演日の日程に合わせて設定されます。劇場の客席で公演を見る体験に加え、衣装や道具の実物を間近で見るための展示施設です。

出典:宝塚歌劇の殿堂・展示と入館

所在地兵庫県宝塚市栄町1-1-57

2花のみち|桜と歌劇のブロンズ像がある歩道

桜と街灯が並ぶ夜の花のみちを歩く二人の旅行者のイラスト

花のみちは、阪急宝塚(たからづか)駅と宝塚大劇場を結ぶ道です。中央の歩道が周囲より一段高くなっており、花や桜の植栽、宝塚歌劇に関わるブロンズ像があります。

場所は宝塚市栄町1丁目。公開された歩道として歩けるので、劇場へ向かう際にも、街の植栽や像を見る目的でも立ち寄れます。

出典:宝塚市・花のみち

所在地兵庫県宝塚市栄町1丁目

3宝塚(たからづか)文化創造館・すみれ♪ミュージアム|旧音楽学校の校舎で歴史を見る

蔦に覆われた宝塚文化創造館の外観と、手前の女性のイラスト

宝塚文化創造館は、宝塚音楽学校の旧校舎を活用する施設です。1935年に建てられ、1937年から1998年まで本校舎として使われました。現在も、当時のモダニズム建築を見られます。

2階のすみれ♪ミュージアムには、卒業写真、歴代公演のポスター、映像、衣装などが展示されています。学校を巣立った人々と、公演の歩みを、資料で知るための博物館です。

学校の展示には、当時の授業で用いた教材や、授業・課外授業のモニター映像もあります。舞台衣装を着た卒業後の姿に加えて、在学中に何を学び、どのように稽古していたかを、教材と動く映像の両方で知ることができます。

公演ポスターは旧宝塚大劇場のこけら落としから約880点。卒業写真には生徒として同じ時期を過ごした人々が並び、ポスターには劇場で上演した作品と出演者が記されています。学校の記録と公演の記録が同じ校舎に集まっているのが、この展示の特徴です。

建物の3階には、バレエや日本舞踊の教室が残っています。鏡、床、バーは、できるだけ使用当時の状態を保って整備されました。入学式と卒業式に使われた旧講堂は、現在の文化交流ホールです。教室やホールはイベント・レッスンの利用施設で、通常のミュージアム見学は2階の展示を巡ります。

出典:宝塚市・教材、授業映像と旧校舎の保存 / 旧校舎の現在の利用

所在地は宝塚市武庫川町6-12。ミュージアムの開館は10時から16時30分までで、最終入場は16時、一般の入館料は300円です。月曜は休館しますが、祝休日の場合は開館します。展示を見学する際には、このミュージアムの時間に合わせて訪ねます。

出典:宝塚市・旧校舎の歴史 / すみれ♪ミュージアムの展示と開館

所在地兵庫県宝塚市武庫川町6-12

4東京宝塚(たからづか)劇場|日比谷にある東京の公演拠点

東京宝塚劇場の高い外壁と街路樹、二人の女性のイラスト

東京宝塚劇場は、1934年に開場した、東京での宝塚歌劇の拠点です。1998年からの建て替えを経て、2001年に現在の劇場が再開しました。

ロビーには赤い絨毯が敷かれ、シャンデリアが下がります。2層の客席は2,079席で、ちどり配列を採用。宝塚大劇場と同等の舞台システムを備え、東京で歌劇の公演を鑑賞できます。

所在地は東京都千代田区有楽町1-1-3。観劇には公演のチケットが必要です。劇場の案内時間は10時から18時まで、月曜が定休日で、入場は各公演の開場時刻に従います。

出典:宝塚歌劇・東京宝塚劇場の歴史と設備

所在地東京都千代田区有楽町1-1-3

5宝塚(たからづか)ホテル|舞台衣装を立体で見られる展示ギャラリー

赤い屋根とクリーム色の外壁がある宝塚ホテルを眺める女性のイラスト

宝塚大劇場の西隣に建つ宝塚ホテルは、歌劇のオフィシャルホテルです。1階ではトップコンビの写真をLEDパネルに映し、2階の展示ギャラリーには舞台で実際に使った衣装や小道具、舞台写真が並びます。

衣装の周囲を回り、360度から見られる展示も特徴です。テレビの専門チャンネル「タカラヅカ・スカイ・ステージ」を流すモニターもあり、公演に合わせて展示内容が入れ替わります。食事や宿泊を伴わずギャラリーを訪ねる場合は、ホテルの受付で見学範囲を確認できます。

ホテルは2020年6月に現在地へ移転しました。建物には旧ホテルの切妻屋根、植物を表したレリーフ、アーチ窓などの意匠を継承。赤い絨毯の階段も、館内の特徴です。所在地は宝塚市栄町1-1-33、阪急宝塚駅から徒歩約4分です。

出典:宝塚ホテル・館内の歌劇展示 / 旧ホテルから継承した意匠 / 所在地とアクセス

所在地兵庫県宝塚市栄町1-1-33

6小林一三(こばやしいちぞう)記念館|歌劇の創設者が暮らした雅俗山荘(がぞくさんそう)

松の木と瓦屋根の玄関がある小林一三記念館を訪れる二人の旅行者のイラスト

大阪府池田市の小林一三記念館は、宝塚(たからづか)歌劇を創設した小林一三の旧邸「雅俗山荘」を中心とする施設です。居住していた部屋と、一三の業績を紹介する展示を見学できます。

一三が宝塚唱歌隊を創設したのは1913年。そこから歌劇の歴史が始まりました。記念館では、歌劇を含む事業に取り組んだ創設者の暮らしを、旧邸の部屋から知ることができます。

所在地は池田市栄本町12-27。開館は10時から17時、入館は16時30分までで、月曜などが休館です。大人の入館料は300円です。

出典:阪急文化財団・記念館の建物と展示 / 利用案内 / 宝塚市・小林一三の事業

所在地大阪府池田市栄本町12-27

7池田文庫|初公演のプログラムから歌劇の歴史を調べる

池田文庫の煉瓦の外壁と入口、手前の女性のイラスト

池田文庫には、1914年の初公演から今日までの宝塚(たからづか)歌劇のプログラム、1919年以来の公演ポスター、雑誌『歌劇』の創刊号から最新号までが収蔵されています。ポスターだけで3,400件余りがあり、作品がどの時期に、どのような図案で紹介されたかを調べられる資料館です。

閲覧室の検索端末では、ポスターなどの画像を見られます。書庫にある資料は職員へ閲覧を請求し、指定された貴重資料には紹介状と事前予約が必要です。館内の写真・動画撮影は禁止されています。

所在地は池田市栄本町12-1、入館は無料。開館は10時から17時で、月曜と年末年始が休館です。小林一三(こばやしいちぞう)記念館と同じ栄本町にあり、創設者の旧邸と上演の記録を、それぞれの施設で見られます。

出典:阪急文化財団・歌劇の収蔵資料 / 池田文庫の閲覧条件

所在地大阪府池田市栄本町12-1

宝塚(たからづか)歌劇をもっと知る|出演者と舞台の仕組み

劇場や展示で見かけた男役・娘役、大階段、銀橋(ぎんきょう)が、公演でどのような役割を持つのかを紹介します。芝居とショーの構成を知ったうえで、『ベルサイユのばら』や『エリザベート』の人物と衣装を見ていきます。

五つの組と専科(せんか)|公演を担う人々

宝塚(たからづか)歌劇は、女性だけが出演する劇団です。男性の役を演じる男役と、女性の役を演じる娘役が、作品の人物を演じます。団員は宝塚音楽学校を卒業して初舞台を踏み、それぞれの組へ配属されます。

公演を担うのは花組、月組、雪組、星組、宙組(そらぐみ)の五組です。このほかに、特定の組に所属せず、各組の舞台へ特別出演する専門の役者たちの「専科」があります。

出典:宝塚歌劇・組と出演者の仕組み

物語を演じる芝居と、歌い踊るレビュー

宝塚(たからづか)大劇場と東京宝塚劇場の公演には、芝居とショーを組み合わせた二本立てがあります。物語を追う芝居の後に、歌と踊りを連ねるショーが続く構成です。一つの芝居を上演する公演でも、最後にフィナーレのショーが付きます。

主劇場の二本立てでは、芝居が約90分、休憩が30分、ショーが約60分という構成が基本です。実際の上演時間は演目ごとに示されます。チケットは公式のウェブ販売で購入でき、残席がある公演では当日窓口の販売も行われます。

出典:宝塚歌劇・初めての観劇ガイド

大階段と銀橋(ぎんきょう)、舞台の高さや向きを変える仕組み

出演者をどこに見せるかを変える、舞台の仕組み
  1. 高さを使う

    大階段

    出演者が段に並び、後列の姿まで見せる。

  2. 客席に近づく

    銀橋

    オーケストラと客席の間へ張り出す細長い舞台。

  3. 上下に動く

    セリ

    床を上下させ、人物や大道具が現れる高さを変える。

  4. 向きを変える

    盆

    舞台を回転させる機構。

客席は前後の座席がずれる、ちどり配置。大劇場の2層の客席から舞台を見通せるようにつくられています。公演を支える音楽は、大劇場では専属オーケストラ、東京宝塚(たからづか)劇場では外部の楽団が生演奏を担当します。

出典:宝塚大劇場・客席と舞台 / 新大劇場の設備 / 両劇場の生演奏

大階段の群舞から、出演者が並ぶパレードへ

大劇場と東京宝塚(たからづか)劇場の大階段は、現在26段です。最初に登場したのは1927年の『モン・パリ』で、そのときは16段でした。

フィナーレには、ラインダンス、大階段を使う群舞、トップコンビのデュエット、出演者がそろうパレードを重ねる基本形があります。作品ごとに構成は変わりますが、2021年雪組の『Fire Fever!』でも、この流れが取り上げられました。

パレードで歌を担う出演者がエトワールです。トップスターが大羽根を背負って階段を降り、最後に出演者が銀橋(ぎんきょう)へ並ぶ場面では、大階段から客席前方へと舞台の使い方が移ります。

衣装には、照明の下で見える色に加え、踊る身体の動きと早替わりへの工夫も必要です。滑りのよい裏地や、短時間で着脱するための面ファスナーが使われます。殿堂で見られる装飾のある衣装にも、舞台上で動くためのこうしたつくりが組み合わされています。

出典:宝塚歌劇・大階段、銀橋と衣装の用語 / 『Fire Fever!』・フィナーレの構成

漫画原作と海外ミュージカル、上演を重ねる演目

『ベルサイユのばら』|フェルゼンとアントワネットの関係を描く

『ベルサイユのばら』は、池田理代子の漫画を原作とする演目です。宝塚(たからづか)での初演は1974年秋。50年後の2024年には、雪組が『ベルサイユのばら-フェルゼン編-』を上演しました。

この版で物語の軸となるのは、革命期のフランスに生きる、スウェーデン貴族フェルゼンと王妃マリー・アントワネットの関係です。フェルゼンを彩風咲奈、アントワネットを夢白あやが演じ、オスカルは朝美絢、アンドレは縣千が担当しました。脚本・演出は植田紳爾、演出には谷正純も参加しています。

人物関係を具体的にたどると、2013年雪組の『フェルゼン編』では、スウェーデン貴族のフェルゼンが、仮面舞踏会でフランス王妃のマリー・アントワネットに出会います。王妃への思いを抱きながら、彼女の立場を守るためにフランスを離れるのが、フェルゼンの選択でした。

もう一組をつくるのが、近衛隊長のオスカルと、彼女を愛するアンドレです。オスカルは王宮を警護する近衛隊から衛兵隊へ移り、革命の中で民衆の側に立ちます。アンドレの思いを受け入れたオスカルがバスティーユへ進む一方、フェルゼンは王妃を救おうと再びフランスへ。牢獄での再会では、王妃として生きるアントワネットの決意に向き合います。

出典:2013年雪組『フェルゼン編』の物語

出典:2024年雪組・作品紹介 / 2024年の配役

『エリザベート』|皇妃と、死を人の姿で表すトート

『エリザベート』は、オーストリアの皇妃エリザベートと、黄泉の帝王トートを描くミュージカルです。トートは死を人の姿で表す役。ウィーンで生まれた作品を、1996年に宝塚(たからづか)が日本初演し、トートを主役にして舞台美術、衣装、振付も宝塚版へ変えました。

脚本と歌詞はミヒャエル・クンツェ、音楽はシルヴェスター・リーヴァイです。宝塚版の潤色・演出を担当するのは小池修一郎。2026年の花組公演は、日本初演から30年、前回から8年を経た再演となります。

2026年版のトートは永久輝せあ、エリザベートは星空美咲、皇帝フランツ・ヨーゼフは聖乃あすかが担当。物語を語り進める狂言回しのルキーニは極美慎、皇太子ルドルフは侑輝大弥と希波らいとの役替わりです。

宝塚大劇場の日程は2026年10月17日から11月22日。東京宝塚劇場では、12月19日から2027年2月7日までの上演が予定されています。役替わりの出演日と公演日程は、各劇場の公演ページに掲載されています。

出典:宝塚版の人物と構成 / 2026年の作品紹介 / 2026年の配役 / 宝塚大劇場の日程 / 東京宝塚劇場の日程

トートのブーツと皇妃のドレス|公演ごとにつくる衣装

『エリザベート』の衣装を手掛けるデザイナーが有村淳です。1996年の初演で一路真輝が演じたトートは、衣装本体の装飾を抑え、ブーツのつま先側に装飾を置く設計でした。

2018年月組公演では、珠城りょうのトートの衣装に、割れたステンドグラスを思わせる布を使っています。布を切り抜き、その内側からグラデーションの布を縫い付けるつくりです。同じ公演で愛希れいかが着たエリザベートの白いドレスには、スカートに約1ミリの小さなストーンが施されました。第2幕の衣装は、細く縦に伸びる線で人物の変化を表しています。

トート一役でも、一つの公演で十数着の衣装が必要です。1996年の初演以来、公演ごとに新しく設計してきた衣装には、その年の役者に合わせた輪郭や装飾があります。

出典:衣装デザイナー・有村淳インタビュー

演じる男役によって変わる、トートの姿

2016年の宙組(そらぐみ)公演でトートを演じたのは、朝夏まなとでした。演出の小池修一郎は、この役には固定された現実のモデルがないため、男役ごとに違うトート像が生まれると語っています。朝夏のトートには、黒を基調とした髪と有村淳の衣装が組み合わされました。

同じ役名でも、公演年と配役が変われば、衣装や髪、演技を組み合わせた姿が変わります。歴代公演のポスターや映像には、こうした各年の役づくりが記録されています。

出典:2016年制作発表・小池修一郎の発言

温泉の余興から、二つの専用劇場へ

宝塚(たからづか)唱歌隊の創設者は、鉄道事業にも携わった小林一三(こばやしいちぞう)です。宝塚への乗客を呼び込む取り組みの中で、1913年に唱歌隊をつくり、翌年に少女たちの公演を始めました。初公演の会場は、新温泉の室内プールを改造したパラダイス劇場でした。

宝塚大劇場と東京宝塚劇場は、建て替えや公演の中断を経て、現在の建物になっています。大劇場は阪神・淡路大震災後の休演から、1995年3月31日に星組『国境のない地図』で公演を再開しました。

出典:宝塚市・創設者の歩み / 初公演の会場 / 宝塚歌劇・劇場の歩み

  1. 1913年小林一三が宝塚唱歌隊を創設。創設
  2. 1914年4月1日パラダイス劇場で初公演。公演
  3. 1921年花組・月組の二組制になる。組
  4. 1924年7月19日旧宝塚大劇場が開場。劇場
  5. 1927年岸田辰彌の『モン・パリ』を上演。レビュー
  6. 1934年1月東京宝塚劇場が開場。劇場
  7. 1944年両劇場が閉鎖・接収される。歴史
  8. 1946年4月宝塚大劇場で公演を再開。再開
  9. 1955年東京宝塚劇場で『虞美人』を上演、公演再開。再開
  10. 1974年秋『ベルサイユのばら』を初演。演目
  11. 1978年3月宝塚バウホールが開場。劇場
  12. 1993年1月1日現在の宝塚大劇場が開場。劇場
  13. 1995年3月31日震災後の休演から公演を再開。復興
  14. 1996年『エリザベート』を日本初演。演目
  15. 1998年1月1日宙組(そらぐみ)を新設。組
  16. 2001年1月1日現在の東京宝塚劇場が開場。劇場
  17. 2014年4月100周年を迎え、宝塚歌劇の殿堂が開設。展示
  18. 2020年6月宝塚ホテルが大劇場西隣へ移転。地域
  19. 2026年宝塚大劇場の客席新設により2,619席となる。劇場

110年の歩みを読む『宝塚(たからづか)歌劇110年史』

『宝塚歌劇110年史』は、2024年9月に宝塚クリエイティブアーツが刊行した本です。山本久美子が執筆・編集を担当した352ページのタカラヅカMOOKです。

出典:国立情報学研究所・110年史の書誌

研究所メモ|ビジネスの視点から:観劇と、舞台の実物を見せる展示

宝塚(たからづか)には、公演を観る劇場に加え、実際に使った衣装や小道具を見せる殿堂、学校の歴史を残す旧校舎、上演記録を調べる文庫があります。舞台で使ったものを保存し、展示や閲覧につなげることで、観劇した日以外にも訪れる目的をつくっています。

オフィシャルホテルの展示は、宿泊や食事の場にも舞台の実物を置く取り組みです。劇場、展示施設、ホテルそれぞれの公開範囲と利用条件を伝えることが、初めて訪れる人の行き先選びを支えます。

出典

会期・営業時間・チケットは執筆時点の情報です。お出かけ前に各公式サイトで最新の情報を確認してください。

よくある質問

宝塚歌劇の「組」とは何ですか?

出演者が所属する公演の単位で、花・月・雪・星・宙の五組があります。各組に特別出演するスペシャリストが専科です。

大劇場とバウホールは同じ公演ですか?

それぞれ別の公演を上演する会場です。バウホールは約500席の小劇場で、若手スターや演出家の登竜門となっています。

舞台で使った衣装はどこで見られますか?

大劇場2・3階の宝塚歌劇の殿堂や、宝塚ホテル2階の展示ギャラリーで見られます。展示品は公演に合わせて入れ替わります。

旧宝塚音楽学校の校舎には入れますか?

旧校舎は宝塚文化創造館として使われています。2階のすみれ♪ミュージアムで卒業写真やポスター、衣装などを見学できます。

東京でも宝塚歌劇を観られますか?

日比谷の東京宝塚劇場で公演が行われます。所在地は千代田区有楽町1-1-3で、観劇する回のチケットが必要です。

池田文庫で公演資料を読むには予約が必要ですか?

入館は無料で、書庫の資料は職員へ閲覧を請求します。指定された貴重資料には紹介状と事前予約が必要です。館内での写真・動画撮影は禁止されています。

宝塚歌劇をつくった人の旧邸はどこですか?

大阪府池田市の小林一三記念館です。旧邸の雅俗山荘を中心に、居住していた部屋や一三の業績を見学できます。

観劇のチケットはどこで購入できますか?

公式のウェブ販売を利用できます。残席がある場合には当日窓口販売もあります。