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Robloxに​1日9,780万人接続/嵐13社CMが​再脚光​【週刊推し活ニュース 2025年5月9日号】

2025年5月2日〜5月8日の1週間から、企業の推し活マーケティング・ファンビジネスの注目ニュースをお届けします。

今週のハイライト

今週のキーワードは、すでに人がいる場所に、企業が乗り込んだでした。

Robloxは2025年第1四半期決算を発表し、1日平均利用者数(DAU)が9,780万人に到達。前年同期比26%増という規模の拡大を背景に、NASCARやサンリオが自社で場を作らず、Roblox上に体験を持ち込んで成果を上げている様子がGDC2025で語られました。大阪・関西万博では「そらのうえショッピングモール」にご当地VTuber130名以上が参加し、既存のイベントに乗る形で発信しています。

リアル側でも同じ構図が見られました。5月6日に活動再開が発表された嵐をめぐり、2020年に13社が合同で流したCMが再び注目を集めています。Spotifyは「KinKi Kidsが出会った日」という既存の記念日に配信解禁日を合わせ、劇場版「名探偵コナン 隻眼の残像」は公開19日間で興行収入104億円を突破しました。

Robloxの巨大な基盤に、大手企業が次々と参入した

NASCARとサンリオ — Robloxで作った継続的な接点

2025年3月開催のGDC2025で、「Robloxを活用したヒットゲームの作り方」と題したパネルディスカッションが行われました。NASCARでインタラクティブ担当VPを務めるニック・レンド氏は、2022年に人気ゲーム「Jailbreak」とのコラボから参入し、2023年に独自のタイクーンゲーム、その後開発スタジオVoldexと協力してレーシングゲーム「Driving Empire」内に専用エリア「NASCAR World」を展開したと説明。サンリオのアメリカ法人でSVPを務めるジル・コーク氏は、2022年に公開した「My Hello Kitty Cafe」の累計訪問数が4億7,000万回、評価96%に達したと明かし、両社とも広告よりコミュニティ発の口コミによる発見を重視していると述べました(Mogura VR)。

研究所メモ: 両社に共通するのは、最初から正解を持たずに参入し、反応を見ながら形を変えてきた点です。サンリオは「カフェ内でほぼ毎週、新鮮なコンテンツを提供する必要がある」と学んだと語っています。ファンプラットフォームでは、初期投資より更新頻度が成果を左右する。推し活マーケティングの設計原則を考える企業への参考です。

Roblox決算 — 1日平均利用者9,780万人に到達

Robloxが発表した2025年第1四半期決算によると、売上は前年同期比29%増の10億3,520万ドル(約1,511億円)、1日平均利用者数(DAU)は前年同期比26%増の9,780万人に達しました。課金額を示す予約売上高(Bookings)は前年同期比31%増の12億670万ドル(約1,762億円)、月間ユニーク課金ユーザー数は同29%増の2,020万人。第1四半期中にクリエイターが獲得した収益は過去最高の2億8,160万ドル(約411億円)にのぼり、過去12か月間で100万ドル以上を稼いだ開発者は100人を超えたとしています(Mogura VR)。

研究所メモ: クリエイター収益が過去最高を更新し続けている点が要点です。Robloxはプラットフォーム側がユーザーを増やすほど、企業が接点を作るコストが相対的に下がる構造になっています。ファン向けの体験をゼロから自社サイトで構築するより、すでに成長している基盤に乗ったほうが合理的になる規模に、確実に近づいています。

バーチャル空間への欲求と、地域VTuberが万博で交差した

博報堂調査 — メタバース経験者の欲求充足率61.7%

博報堂行動デザイン研究所は、HAKUHODO-XRおよび慶應義塾大学大学院と共同で「メタバース経験者の情報行動・欲求に関する調査」を実施しました。15〜69歳の男女2,000人を対象に2024年11月に実施し、うちメタバース経験者は99人。設定した12種類の欲求について、メタバース経験者の達成可能性は平均61.7%で、調査全体平均の28.8%を大幅に上回りました。一方で観光やテーマパーク、ファッションなど没入感が重要な領域では、リアルな体験を望む声が強いことも分かりました(Mogura VR)。

そらのうえショッピングモール — ご当地VTuber130組が万博出展

大阪・関西万博の「クールジャパンショーケース/アニメ・マンガ・ゲームゾーン」に、ベネリックデジタルエンターテインメントが運営するメタバース商業施設「そらのうえショッピングモール」が出展しました。200以上の店舗が集積する施設内に、日本全国のご当地VTuber130名以上が参加し、各地域のアニメ聖地や観光スポットを紹介する動画を制作。VRChat版でも3号館「47都道府県ご当地館」として展開しています(Mogura VR)。

VCEA設立 — バーチャルキャラクター業界の新団体

株式会社バーチャルキャスト、LATEGRA、LOGIC&MAGICの3社が2025年5月1日、「一般社団法人バーチャルキャラクターエンターテインメント協会(VCEA)」を設立しました。バーチャルキャラクターを使ったライブイベントの研究、普及、人材育成、海外展開支援などを主な活動とし、代表理事にはLATEGRAの渡辺幸範氏が就任。「技術やコンテンツは急速に進化しており、企業やクリエイターと共に、より豊かな表現を追求することが求められています」とコメントしています(Branc)。

研究所メモ: 個人の欲求充足の調査、地域VTuberの国家的イベント出展、業界団体の設立という3つの出来事が同じ週に重なりました。バーチャルキャラクター経済は、個人の体験から地域振興、業界標準づくりへと段階を進めています。自治体や企業がこの領域に参入するなら、単発のPRではなく、団体や標準に沿った長期設計を検討する時期に来ています。

音楽配信と長寿CMが、ファンの継続視聴を支えた

Spotify×KinKi Kids — 出会った日に配信解禁

Spotifyは4月30日、KinKi Kidsの楽曲配信を発表しました。配信開始日は、2人が出会った日とされる5月5日。楽曲「ジェットコースター・ロマンス」を使用したブランドCM「あなたの日々に音楽を」車内イントロドン篇30秒を展開するほか、ボイスコメントを含む7つの限定コンテンツ、公式プレイリスト「This Is KinKi Kids」を配信。5月5日から14日には渋谷・大阪でポスターを展開し、Xキャンペーンでは2人の名前にちなんだ2,451人にポストカードが抽選で当たります。5月20日からは国内アーティストとして初となる「My Top 5」機能も提供されます(AdverTimes.)。

研究所メモ: 配信解禁日を「2人が出会った日」に合わせた点が起点です。すでにファンの間で意味を持つ日付に企業活動を重ねることで、告知そのものがファン参加型のイベントになっています。2,451人という抽選人数も2人の名前を意識した設計と見られ、数字の作り方一つでファンの受け止め方が変わることを、この事例は示しています。

嵐×13社合同CM — 5年前の感謝広告が再脚光

2025年5月6日、嵐の活動再開と2026年5月での活動終了が発表されました。これを受けて再び注目を集めているのが、2020年12月26日の冠番組『嵐にしやがれ』最終回で放送された、13社合同CM「嵐へ贈る30秒」です。日立グローバルライフソリューションズ、日本郵便、アサヒ飲料、JCB、日清オイリオグループ、久光製薬、ライオン、森永製菓、エバラ食品工業、アサヒビール、第一三共ヘルスケア、コーセーコスメポート、花王の13社が参加し、各社のCM出演シーンをダイジェストで展開。同年9月に始まった共同プロジェクト「HELLO NEW DREAM. PROJECT」に連なる企画でした(AdverTimes.)。

研究所メモ: 13社が競合を超えて1本のCMに乗った事例です。個社の広告効果ではなく、タレント本人への感謝を軸に据えたからこそ、業種の違う複数企業が同じ枠に入れました。長期でアンバサダーを起用してきた企業ほど、契約終了時に単独で振り返るより、他社と組んで送り出す設計のほうが、ファンの記憶に残りやすくなります。

アキタフーズ×相葉雅紀 — 卵CMを10年続けた理由

アキタフーズは、ブランド卵「きよら グルメ仕立て」の新CM「いもうとのお布団篇」を5月10日に放映します。2015年開始の「寝冷えネコ(きよニャ)」シリーズ最新作で、嵐の相葉雅紀を起用。新キャラクター「ベビきよ」の声はおよそ1歳半の子どもが担当しています。出稿量は10日から3週間で2,000GRPを予定し、これは初代CM以来の量。同社の渡邊大樹課長は、「徹子の部屋」のようにゲストは変えつつ「きよニャ」という定番を維持する手法を10年続けてきたと説明しています(AdverTimes.)。

研究所メモ: 「卵は安いほど売れる」という前提を認めた上で、ブランドを固定させる工夫としてキャラクターの継続起用を選んでいます。ゲストが小雪、YOSHIKI、HIKAKIN、相葉雅紀と変わっても、キャラクターの構図は変えない。単発の話題作りより、10年単位の反復のほうがブランド認知を作ることを、この事例ははっきり示しています。

老舗と酒蔵が、ファンのために特別な一夜を仕込んだ

刀剣乱舞×徳川美術館 — 刀剣男士を料理で表現

『刀剣乱舞ONLINE』が、徳川美術館・蓬左文庫開館90周年記念「時をかける名刀」展とコラボし、「ガーデンレストラン徳川園」にて特別コースを提供します。刀剣男士8振りをイメージした全8品のコースで、後藤藤四郎はヴィシソワーズ、山姥切国広は伊勢真鯛のキャビア添えなど、モチーフやイメージカラーを繊細に取り入れています。価格は14,300円(税込・サービス料込)、2025年6月14日〜9月7日提供、5月1日よりWEB予約限定で受付中。累計ユーザー数1,400万人突破のゲームアプリです(アニメ!アニメ!)。

ちびまる子ちゃん×初亀醸造 — 父の日本酒が5周年

『ちびまる子ちゃん』と初亀醸造がコラボした日本酒「純米吟醸 父ヒロシ Vintage2025」が、2025年5月16日より全国の酒販店で発売されます。企画・販売は「酒繋プロジェクト」を運営するNexus。2021年に始まった「父ヒロシシリーズ」は今作で5周年を迎え、価格は3,630円(税込)。ラベルには、アニメ第1期第100話でヒロシが初亀の日本酒を嗜むシーンがモチーフとして採用されています。原作コミックスは累計3,500万部を突破しています(アニメ!アニメ!)。

研究所メモ: どちらも作品の「特定のワンシーン」を、飲食という体験に翻訳しています。刀剣乱舞は8振り分のコースを組み、ちびまる子ちゃんは第100話の1コマをラベルにする。IPコラボで単価を上げるには、グッズの点数を増やすより、原作のどの瞬間を切り取るかという編集の精度のほうが効いてくることが、よく分かります。

動物園とカフェが、アニメの世界観で来場をつくった

ハイキュー!!×東武動物公園 — 8名の声で園内を彩る

TVアニメ『ハイキュー!!』が、東武動物公園と2年連続でコラボイベントを開催します。「ハイキュー!! × 東武動物公園2025」は5月17日〜7月21日の期間限定開催で、日向翔陽、影山飛雄ら8名の描き下ろしビジュアルを使用したコラボ入園券やオリジナルグッズを展開。園内では日向と影山のオリジナルボイスによるアナウンスが1日6回流れ、対象メニューの注文で特典コースターも配布されます。2025年3月には新作劇場版の制作決定も発表されています(アニメ!アニメ!)。

ムーミンカフェ表参道 — 花に包まれた新拠点が開業

『ムーミン』の世界観を体感できる「ムーミンカフェ フローラルバレー」が、2025年5月23日に東京・表参道にオープンします。運営は株式会社トマッティー。昼はムーミン谷の仲間たちをモチーフにした3段仕立てのアフタヌーンティー、夜はプリフィクス形式のディナーコースを提供し、価格はいずれも8,800円(税込)。店舗限定のオリジナルクッキーなどのグッズも展開されます(アニメ!アニメ!)。

研究所メモ: 東武動物公園は2年連続の実施、ムーミンカフェは新規開業という違いはありますが、共通するのは「毎日聞ける音声」「毎回選べるコース」など、来場のたびに体験を変える仕掛けです。1回きりのポップアップより、通うほど発見がある設計のほうが、既存ファンのリピート来場を作りやすくなることを、両社の事例は示しています。

百貨店とアパレルが、キャラクターで購買のきっかけを作った

ミッフィー×京王百貨店 — 生誕70周年のポップアップ

ミッフィーのフラワーギフトを扱う「フラワーミッフィー」が、京王百貨店新宿店1階に5月1日から期間限定で登場しました。「Flower Miffy POPUP SHOP」として、5月11日の母の日に向けたギフトを展開。2025年はミッフィーの生誕70周年にあたり、ほわほわぬいぐるみブーケ5,830円、ニットフラワーブーケ各3,630円などをラインナップし、5,500円以上の購入者にはオリジナルミニトートバッグを進呈しています(超!アニメディア)。

ユニクロUT×矢沢あい — デビュー40周年の描き下ろし

デビュー40周年を迎える漫画家・矢沢あいと、ユニクロのグラフィックTシャツブランド「UT」がコラボレーションし、2025年7月上旬に発売されることが分かりました。『天使なんかじゃない』『ご近所物語』『Paradise Kiss』『NANA』の4作品からモチーフを選び、各商品には矢沢のサインもデザイン。『NANA』では、主人公・大崎ナナを矢沢がUTのために新たに描き下ろしたデザインも用意されています。価格は各1,500円です(オトナンサー)。

研究所メモ: ミッフィーは「母の日」という年中行事、ユニクロは「デビュー40周年」という作家個人の節目と、それぞれ異なる理由づけで購買のタイミングを作っています。年中行事は毎年繰り返せる一方、周年は一度きりで希少性が高い。どちらの型を使うかで、値付けやグッズの点数設計は大きく変わってくることが、この2社を並べるとよく見えます。

VTuberの卒業グッズと映画興行が、支持の厚さを示した

紫咲シオン — 卒業グッズに直筆サインの特典

ホロライブ所属VTuberとして活動し、2025年4月26日に卒業した「紫咲シオン」の卒業グッズが予約受付中です。ラインナップは描き下ろしアルバム、コスチュームキーホルダーセット、ぬいぐるみなど5種で、数量限定版の「卒業グッズフルセット」は17,160円(税込)。通常版と異なり、紫咲シオン本人の直筆サイン入りポストカードが付属します。予約締切は5月7日18時、発送は2025年11月下旬を予定しています(インサイド)。

名探偵コナン — 3作品連続で興収100億円を突破

劇場版『名探偵コナン 隻眼の残像(フラッシュバック)』が、2025年5月6日までの公開19日間で観客動員726万人、興行収入104億円を突破しました。2023年の『黒鉄の魚影』、2024年の『100万ドルの五稜星』に続き、シリーズ3作品連続で100億円を突破する快挙です。公開19日間での100億円到達は、22日間で達成した前作より3日早い記録。原作コミックスは107巻を超え、累計発行部数は2.7億部に達しています(アニメイトタイムズ)。

研究所メモ: 卒業という「終わり」の瞬間と、興行収入という「積み上げ」の記録が、同じ週にファンの支持を可視化しました。数量限定・直筆サイン付きという紫咲シオンの設計は、終わりだからこそ出せる希少性を使っています。一方コナンは、107巻という蓄積があるからこそ、3作連続という継続的な信頼を数字で示せています。

今週の所感

今週は、すでにある基盤や記念日に、企業がどう乗るかが問われた週でした。

Robloxの1日9,780万人という規模、ご当地VTuberが参加した大阪・関西万博、KinKi Kidsの「出会った日」に合わせた配信解禁。どれも、自社でゼロから場を作るのではなく、すでに人が集まる場所やすでに意味を持つ日付に企業活動を重ねる判断でした。場を作るコストより、すでにある場に乗るコストのほうが低い局面が増えています。

一方で、嵐の13社合同CMや紫咲シオンの卒業グッズのように、「終わり」や「感謝」を軸にした施策が改めて注目される週でもありました。継続と終了、どちらの瞬間もファンにとっては大きな意味を持ちます。自社のファンがどの局面にいるのか、推し活マーケティングの設計原則やファンマーケティングの基本とあわせて、今週の動きを見てみてください。


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