サンリオがXR企業Gugenkaを子会社化/ミスドが今田美桜で「推し合戦」CM【週刊推し活ニュース 2025年8月29日号】

2025年8月22日〜8月28日の1週間から、企業の推し活マーケティング・ファンビジネスの注目ニュースをお届けします。
今週のハイライト
今週のキーワードは、IPとの関わり方を、企業自身が本業として語り始めたでした。
サンリオがXR・メタバース開発企業のGugenkaを子会社化し、「IPプラットフォーマー」戦略の一環として位置づけました。VTuberの星街すいせいはグローバルビジネス誌『Forbes JAPAN』の「30 UNDER 30」に選出され、10月号の表紙を飾っています。カシオ計算機はクリエイターエコノミー領域に新規参入し、配信スケジューラー「Streamer Times」を正式リリースしました。
一方で現場のマーケティングも動いています。ミスタードーナツは今田美桜のCMで「推し合戦」を演出し、UHA味覚糖はAぇ! groupを引き続き起用。リロホテルズ&リゾーツ、ホテルニューオータニ、リビエラ逗子マリーナは、それぞれ異なるIPとのコラボ宿泊・飲食企画を用意しました。
企業マスコットとアイドルCMが、購買を後押しした
キウイブラザーズ10周年 — タレント頼みからブランド資産への転換
2016年に誕生した企業キャラクター「キウイブラザーズ」が、デビュー10年目を迎えました。グリーンとゴールド、色の異なるキウイフルーツをモチーフにした兄弟キャラクターで、ゼスプリ インターナショナル ジャパンが開発しています。同社は長年タレントを起用したCMを展開してきましたが、2015年のブランド調査で、知名度は上がってもキウイフルーツ本来の魅力理解には課題が残ることが判明したといいます。同社マーケティング本部長の渋佐奈甫美氏は「タレントに由来しないブランド資産を開発する必要があった」と振り返ります。現在のCMシリーズには、健康的な食生活に悩む猫のキャラクターも新たに登場しています(AdverTimes.)。
時代に左右されないシンプルなデザインで、大人から子どもまで愛される普遍性を意識して設計されたといいます。
研究所メモ: タレントを主役にしたCMでは、消費者の記憶に残るのはタレントで、商品理解には直結しないという壁に多くの企業がぶつかります。キウイブラザーズは、CMの主役をブランドそのものに戻すための装置でした。10年という時間を武器にできるかどうかは、キャラクターを流行に乗せず、地味でも中身の伝わるデザインに絞り込めるかで決まります。
Aぇ! group×ぷっちょ — 継続起用で「両方買ってほしい」を本音で伝える
UHA味覚糖は9月2日から、アイドルグループ「Aぇ! group」が出演するソフトキャンディ「ぷっちょ」のテレビCM2篇を全国で放映開始します。ブランドサイトでは8月28日10時に先行公開されました。同グループは2024年9月から起用が続いており、今回で継続の起用となります。「ぷっちょの神様」篇では、スティックタイプか袋タイプか悩む少女の前にぷっちょの神様が降臨し「両方~。迷ったら~、両方~。」とお告げを授けます。CMを手掛けた電通クリエイティブディレクターの廣瀬泰三氏は「あなたはどっちという提案ではなく、嘘をつかず『両方買ってほしい』という本音を言うほうが気持ちがいいと考えた」と説明しています(AdverTimes.)。
研究所メモ: 「あなたはどっち」ではなく「両方」と言い切る割り切りが効いています。二択を煽るCMは対立で話題化しやすい反面、片方のファンを置き去りにするリスクがあります。継続起用で関係を積み上げてきたグループだからこそ、対立を煽らず両方の売上を素直に狙う設計に踏み切れたと言えます。
ミスタードーナツ×今田美桜 — 「いもド」「くりド」の推し合戦をCMで演出
ダスキンが展開するミスタードーナツは8月27日から、秋のキャンペーン「秋のいもくり推しド合戦」を開始しました。新商品5種の発売にあわせ、俳優・今田美桜が出演するCM「どっち推す?」篇を放映しています。CMでは、さつまいもドーナツ「いもド」派の今田と、くりドーナツ「くりド」派の友人のやり取りを描き、最後は「いもド、くりド、どっち推す?」で締めくくります。商品はいもドが3種(さつまいも粉末1.3%配合)、くりドが2種(マロンペースト0.1%配合)。X上では「#私はいもド推し」「#私はくりド推し」「#私は箱推し」のハッシュタグ投稿キャンペーンも実施し、抽選500名に500円分のギフトチケットが当たります(AdverTimes.)。
研究所メモ: 「推し活」という言葉そのものをCMのコピーに持ち込んだ点が目を引きます。二者択一を煽りながら、最後は「ミスド集合で」という自社スローガンに着地させ、対立を自社への来店動機に変換しています。ファン同士の「推し合戦」を商品選びの物語に組み込む手法は、応援消費を促す設計として汎用性が高いと考えられます。
宿泊・飲食施設が、アニメの世界観を売り場にした
リロホテルズ&リゾーツ×鬼滅の刃 — 全国11施設が鬼殺隊の宿になる
アニメ『鬼滅の刃』とリロホテルズ&リゾーツによるコラボ企画が9月19日から始まります。箱根や熱海エリアを含む全国11施設で、オリジナル装飾が施された客室に宿泊できる「『鬼滅の刃』コラボ宿泊プラン」を用意。竈門炭治郎と我妻善逸のARボイスや館内装飾を楽しめるほか、宿泊者限定で描き下ろしイラストを使用したアクリルスタンドなど4種のグッズも販売します。宿泊期間は9月19日から12月18日チェックインまで(予約受付は8月18日〜12月18日)です(超!アニメディア)。
研究所メモ: 全国11施設という規模の広さが特徴です。1施設だけの限定企画では遠方のファンを取りこぼしますが、複数エリアに同じ企画を配置すれば、居住地を問わず参戦できます。宿泊施設にとっては、客室装飾とノベルティという比較的低コストな投資で、ファンの「聖地」を全国に増やせる設計です。
ホテルニューオータニ×名探偵コナン — 装飾とBGMで“コナンワールド”に没入させる
ホテルニューオータニ(東京)のティー&カクテル「ガーデンラウンジ」で、『名探偵コナン』とのコラボビュッフェ「SUPER SWEETS BUFFET」が9月30日まで開催中です。江戸川コナン、安室透、赤井秀一らをイメージした料理やドリンクに加え、店内装飾やBGMまで作品一色に染め、1日4回のピアノ生演奏でアニメ楽曲を届けています。料金は平日大人9,000円、土日祝10,500円(税込・サービス料込)。持ち帰り用の限定スイーツBOXやチョコレート&クッキーも販売しています(アニメ!アニメ!)。
研究所メモ: 料理だけでなく装飾・BGM・生演奏まで揃え、来店者の五感に世界観を行き渡らせている点が特徴です。ビュッフェという実利のある体験に「没入」という付加価値を重ねることで、9,000円台という単価を成立させています。飲食店がIPコラボで単価を上げたいなら、皿の上だけでなく空間全体を設計に含める発想が参考になります。
リビエラ逗子マリーナ×ムーミン — 秋限定バカンスで海辺のリゾートを物語化する
『ムーミン』の小説出版80周年を記念したコラボ企画「Moomin RIVIERA VACANCES」が、湘南のラグジュアリーリゾート「リビエラ逗子マリーナ」にて9月12日から11月30日までの秋限定で開催されます。作中でムーミン一家が同名のリゾート地「リビエラ」でバカンスを楽しむ様子になぞらえた企画で、「マリブホテル」「スペースキーポイント」の各施設に1日1室限定の「ムーミン スペシャルルーム」を用意。レストラン2店ではコラボメニューを提供するほか、期間限定のオリジナルグッズ販売やタオルアート展示も行います(アニメ!アニメ!)。
研究所メモ: 1日1室という希少性が、ラグジュアリーリゾートのブランドを損なわずにIPを取り入れる工夫になっています。原作のワンシーンをリゾートの立地そのものに重ね合わせているため、コラボが取ってつけた印象になりにくい。既存の施設名や作中設定と、自社の立地・世界観が重なる接点を探すことが、この手の企画の成否を分けます。
食品・飲料ブランドが、キャラクターで棚を彩った
大正製薬「リポビタン」×にじさんじ — 3人の応援団姿でドラッグストアの棚を占拠
大正製薬のリポビタンは9月1日から10月31日まで、VTuberグループ「にじさんじ」所属の三枝明那、不破湊、甲斐田晴とのコラボ「リポにじ応援祭」を開催します。3人が応援団姿で登場し、対象商品購入で缶バッジなどがもらえる店頭キャンペーンと、レシート応募でトートバッグやブランケットが当たる抽選キャンペーンの2本立てです。9月3日には記念生配信も行い、対象ドラッグストアの一部店舗には直筆メッセージ入りの等身大パネルも設置されます(アニメ!アニメ!)。
研究所メモ: 「にじさんじ」は約150名が所属する大所帯のグループですが、今回は3人に絞って応援団という統一コンセプトを与えています。人数を絞るほど個々のファンへの訴求力は強まる一方、コンセプトを揃えることでドラッグストアの棚という限られた面積でも世界観が伝わります。VTuberとの協業は、起用人数とコンセプトの絞り込み方がそのまま費用対効果を左右します。
ネスレ日本「ネスカフェ ふわラテ」×ちいかわ — 初コラボで“ほっと一息”を商品化
イラストレーター・ナガノによる『ちいかわ』と、ネスレ日本「ネスカフェ ふわラテ」シリーズが初コラボレーションしました。「ネスカフェ ふわラテ ちいかわアソートパック15本入り」が9月1日より数量限定で発売されます。希望小売価格は税込494円。購入レシートを撮影して応募すると、1個購入で全員がオリジナル壁紙を、3個以上購入で抽選3,333名がオリジナル赤マグをもらえます。『ちいかわ』は7月の「日本キャラクター大賞2025」で3度目のグランプリを獲得しており、X(旧Twitter)のフォロワーは422万人を突破しています(アニメ!アニメ!)。
研究所メモ: 494円という価格帯の日常品に、抽選ではなく「1個で全員」がもらえる壁紙を組み込んだ点が堅実です。当たらない抽選だけでは購入のハードルが下がりにくいコンビニ・スーパー向け商品において、確実にもらえる特典を用意することが、コラボの効果を日常の購買頻度に落とし込む工夫になっています。
VTuberの実績が、企業の指標として並び始めた
星街すいせい — Forbes JAPAN「30 UNDER 30」に選出、ビジネス誌の表紙も飾る
ホロライブ所属のVTuber・星街すいせいが、グローバルビジネス誌『Forbes JAPAN』の企画「30 UNDER 30 2025」に選出されました。「ENTERTAINMENT & SPORTS」部門の受賞者として、2025年10月号の表紙も飾っています。「30 UNDER 30」は世界を変える可能性を持つ30歳未満の30人を選ぶアワードで、米国『Forbes』が2011年に開始、日本では2018年から実施され、これまで大谷翔平選手や井上尚弥選手ら計300人を選出してきました。VTuberとしては2022年の花譜に続く選出です(Mogura VR)。
研究所メモ: VTuberがアニメ誌や配信プラットフォームのランキングではなく、経済誌のアワードで評価された点が重要です。エンタメの人気指標ではなく、ビジネスの成長性という軸で見られたということは、VTuberという業態そのものが投資・提携の検討対象として企業の目に触れ始めた証拠でもあります。
SIE — 格闘ゲーム大会「EVO」の株式を売却、それでもグローバルスポンサーは継続
ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)は、格闘ゲームの祭典「EVO」の株式持分をNODWIN Gamingへ売却したと発表しました。SIEは2021年からRTSとの合弁会社を通じてEVOの資産を共同買収し、直接運営する体制を敷いてきましたが、今回持分を手放す形になります。ただし2028年までグローバルスポンサーとして関与を続けることを明らかにしており、PlayStationトーナメントなどを通じてコミュニティへの取り組みは継続するとしています。売却先のNODWIN Gamingはソニーグループの出資を受けるeスポーツ企業です(インサイド)。
研究所メモ: 運営からは退きながらスポンサーとしては残るという判断が示唆的です。大会運営という手間のかかる事業を専門企業に委ね、自社はブランド露出とコミュニティとの接点だけを保つ。ファンイベントへの関わり方を「自社運営」か「撤退」かの二択で考えがちですが、間に「スポンサードで支援を続ける」という選択肢があることを示す事例です。
ぶいすぽっ!— カプコン公式大会「SFL: Pro-JP 2025」の応援アンバサダーに就任
VTuberグループ「ぶいすぽっ!」を運営するBrave groupは、カプコン主催の対戦格闘ゲーム『ストリートファイター』公式チームリーグ戦「ストリートファイターリーグ: Pro-JP 2025」の公式応援アンバサダーに就任したと発表しました。如月れん、蝶屋はなび、甘結もかの3人を中心に、応援配信(同時視聴)や出場選手へのインタビュー、大会紹介コンテンツの発信などを行います。所属メンバーは2025年3月に独自イベント「VSPO! SHOWDOWN powered by RAGE」を開催するなど、大会前から格闘ゲームコミュニティへの関与を重ねてきました。同リーグの開幕戦は8月29日と9月2日に開催されます(GameBusiness.jp)。
研究所メモ: 一度きりのタイアップではなく、独自イベントの開催実績を積み上げた上でのアンバサダー就任という順序が重要です。企業側から見ても、単発の広告出演より、コミュニティ内で継続的に活動してきた実績のあるグループを起用するほうが、ファンからの納得感を得やすいと考えられます。
アパレルと技術企業が、クリエイター経済に合流した
にじさんじ「アルス・アルマル」×ZOZOTOWN — 新衣装をアパレルとして受注販売
ZOZOTOWNは、VTuberグループ「にじさんじ」所属のアルス・アルマルとのコラボレーション限定アイテムを発表しました。8月25日の新衣装3Dお披露目配信で公開された衣装をモチーフに、イラストレーター描き下ろしのTシャツ(7,150円)やフーディ(9,350円)、本人監修のトートバッグ(7,700円)など全7型をラインナップしています。受注期間は9月16日11時59分までで、発送は2026年1月を予定しています(インサイド)。
研究所メモ: 7,000円台から1万円台という価格設定は、量産グッズよりアパレルブランドの通常商品に近い水準です。ECアパレル大手がVTuberを一過性のコラボ相手ではなく、通常のブランドラインと同じ受注生産の枠組みで扱っている点に、クリエイターIPを自社の商品開発ラインに組み込む本気度が表れています。
カシオ計算機 — クリエイターエコノミー領域に参入、配信者向け新サービス2つを正式リリース
カシオ計算機は8月27日、ライブ配信のスケジュールを登録・閲覧できる番組表型サービス「Streamer Times」と、日本語テキスト入力で効果音をAI生成する「Waves Place」を正式リリースしました。「Streamer Times」はストリーマーが配信予定を登録すると、リスナーは配信予定を一括確認でき、好みに応じたストリーマーのレコメンド表示機能も搭載しています。基本機能は無料で、スケジュール表をSNS投稿用に出力する有料機能は月額550円(税込)です(インサイド)。
研究所メモ: 時計メーカーがクリエイターエコノミーに参入する動機は、配信という「時間」を扱う事業だからこそ成立します。自社の技術やブランド資産と関係なさそうに見える市場でも、企業が本業のどの要素(この場合は時間管理)を軸に接続できるかを考えると、新規参入の切り口が見えてきます。
サンリオ — XR企業Gugenkaを子会社化、「IPプラットフォーマー」戦略を加速
サンリオは7月28日、XR・メタバース開発企業のGugenkaを子会社化しました。サンリオ常務執行役員の濵﨑皓介氏は、IPのマネタイズの出口を増やす狙いを説明し、Gugenkaが持つ3Dデジタルフィギュアサービス「ホロモデル」へサンリオキャラクターを展開するほか、サンリオが持つ他社IP向けの営業リソースを活用してGugenkaに他IPを誘致する構想も語っています。「サンリオVirtual Festival」の来場者は約7割が北米からだといい、両社はデジタル展開をそのままグローバル展開と位置づけています(Mogura VR)。
研究所メモ: 「IPのマネタイズの出口を増やす」という言葉に、子会社化の狙いが集約されています。グッズやテーマパークという物理的な接点に加え、デジタルフィギュアという複製コストの低い接点を自社グループ内に持つことで、1つのキャラクターから得られる収益経路を増やす発想です。IPを保有する企業にとって、XR企業をパートナーではなく自社内に取り込む判断は、今後の選択肢の1つになりそうです。
ファンの実態調査と新たな拠点が、次の一手を示した
ぴくしぶ「VRChatユーザー4000人調査」— 新規ユーザーの不安とリアルイベントへの期待が浮き彫りに
ピクシブは2025年4月に実施した、4,000名以上のVRChatユーザーを対象にしたアンケート結果を公開しました。回答者の90%以上が週1回以上プレイし、65.5%はほぼ毎日利用。約半数が直近1年以内に始めた新規ユーザーでした。新規ユーザーは他ユーザーへの話しかけやコミュニティ参加への不安を抱える一方、友人・知人の紹介が利用開始のきっかけになりやすいことも判明しています。VRChatでの交流をきっかけにしたリアルイベントや即売会への参加に、約半数が関心を持ち、4分の1はすでに体験済みでした(Mogura VR)。
研究所メモ: 「友人の紹介で始め、いずれリアルで会いたくなる」という導線が数字で裏付けられました。バーチャル空間でのファン獲得施策を考える企業にとって、新規ユーザーの不安(話しかけづらさ、機材の高さ、専門用語)を解消する導線設計と、オフラインイベントへの接続先を用意することの両方が、定着率を左右する鍵だと分かります。
京都アニメーション「京アニのセカイ展」— 制作陣が語る秘話をチケット制イベントで届ける
京都アニメーションのファン感謝イベント第7回「私たちは、いま!! ―京アニのセカイ展―」が10月25日・26日、京都市勧業館「みやこめっせ」で開催されます。『Free!』『小林さんちのメイドラゴン』『響け!ユーフォニアム』など歴代作品の原画や背景美術、CG資料など1,000点超を展示するほか、両日ステージで作品を横断したクリエイターの制作秘話トーク「クリエイターマル秘トーク」を実施します。ステージ通し観覧券はS席15,000円、A席13,000円、B席9,800円(各税込)で、現在二次抽選を受け付けています(超!アニメディア)。
研究所メモ: 「ファン感謝」と銘打ちながら、S席15,000円という単価が成立している点に注目すべきです。感謝イベントは無料や低価格が前提になりがちですが、原画や制作資料という他では見られない一次資料と、クリエイター本人が語る場をセットにすることで、ファンが対価を払う理由を作れています。自社の制作資産をどこまで公開資産化できるかが、単価を左右します。
「ポケモンスリープ」×「サウナイキタイ」— 実証実験で睡眠とサウナ習慣の接続を探る
ポケモンの睡眠ゲームアプリ「Pokémon Sleep」と、サウナポータルサイト「サウナイキタイ」が、サウナと睡眠の関係を探る実証実験「サとス」を8月19日から9月18日まで実施しています。アンケートや睡眠計測データの収集を通じ、就寝前の入浴による温泉効果と睡眠の関係を検証します。ポケモンスリープ推進室の肥田駿佑マネジャーは、効果が実証されれば入浴と睡眠管理を組み合わせた習慣づくりにつなげたいとしています。「Pokémon Sleep」はリリース2周年で月間アクティブユーザー250万以上、累計睡眠データは10億回分以上を蓄積しています(AdverTimes.)。
研究所メモ: ゲームアプリがサウナ施設という異業種と組む理由は、両者とも「習慣化」を事業の核に置いているからです。ポケモンスリープにとってサウナは新規ユーザー層への入口であり、サウナイキタイにとってはサ活を記録する動機づけになる。IPコラボというより、生活習慣データを持つ企業同士のデータ連携に近い座組みです。
Re:AcT — 所属21名のうち13名をデジタルフィギュア化、渋谷ポップアップで先行販売
VTuber事務所「Re:AcT」所属タレントのデジタルフィギュア「ホロモデル」化が決定し、渋谷のポップアップショップ「Re:AcT POP UP SHOP」で8月20日から9月10日まで先行販売されています。獅子神レオナ、花鋏キョウら13名分をカード形式で販売し、価格は各3,850円(税込)。カード裏のシリアルコードをGugenkaのオンラインストア「Xマーケット」に入力すると、スマートフォンやMeta Questで鑑賞できるデジタルフィギュア本体と交換できます。「Re:AcT」は21名のVTuberを抱え、YouTube総登録者数は113万人に達しています(Mogura VR)。
研究所メモ: 現地でカードを買い、あとからオンラインでデータと交換する二段構えの導線が特徴です。ポップアップという足を運ぶ理由を作りつつ、実体はデータなので在庫リスクや配送コストを負いません。中小規模の事務所ほど、物理と非物理の商品を組み合わせて、限られたIPから収益を絞り出す工夫が問われます。
今週の所感
今週は、企業がIPとの関係を「広告費」ではなく「事業戦略」として語り始めた週でした。
サンリオはGugenkaを子会社化し、IPのマネタイズ経路そのものを増やす判断をしました。カシオ計算機は時計メーカーでありながらクリエイターエコノミー領域に新規サービスを投入し、星街すいせいはエンタメ誌ではなくビジネス誌のアワードで評価されています。IPコラボは単発のキャンペーンから、収益構造の一部として組み込まれる段階に入りつつあります。
一方で、ミスタードーナツの「推し合戦」CMやリポビタン×にじさんじのように、店頭の購買行動を直接動かす施策も健在です。戦略としてのIP活用と、店頭の一施策としてのIP活用が同じ週に並んだことは、この市場が投資対象としても、日々の販促手段としても機能し始めていることを示しています。
自社にとってIPとの関わりが「戦略」なのか「販促」なのか。推し活マーケティングの設計原則やファンマーケティングの基本とあわせて、今週の動きを整理してみてください。
週刊推し活ニュースは、推し活×ビジネスの1週間を毎週まとめてお届けします。過去の号は推し活×ニュースカテゴリからどうぞ。



