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Roblox公演に​1,286万人が​同時接続/伊藤園が​WBCの​公式パートナーに​【週刊推し活ニュース 2026年1月30日号】

2026年1月23日〜1月29日の1週間から、企業の推し活マーケティング・ファンビジネスの注目ニュースをお届けします。

今週のハイライト

今週のキーワードは、ファンが集まる規模が、これまでの常識を超えたでした。

1月18日にRoblox内で開催されたブルーノ・マーズのバーチャルコンサートが、最大同時接続ユーザー数1,286万2,161人を記録。単独アーティストのバーチャルコンサートとして史上最多の視聴となりました。会場となった「STEAL A BRAINROT」は累計訪問者数544億回を超えるゲームで、限定アイテムは542万個以上が配布されています。

リアル側も動きました。伊藤園の「お~いお茶」が第6回WBCのオフィシャルグローバルパートナーに決定し、大谷翔平選手を軸に世界へ展開します。長野県は移住施策でインフルエンサー21組と組み、資料請求を前年同月比2.3倍に伸ばしました。ミャクミャクは日本PR大賞のパーソン・オブ・ザ・イヤーに選ばれています。

Roblox公演に1,286万人。バーチャルライブが壁を破った

ブルーノ・マーズ×Roblox — 単独アーティスト史上最多の視聴記録

1月18日、Roblox内のゲーム「STEAL A BRAINROT」でブルーノ・マーズのバーチャルコンサートが開催され、最大同時接続ユーザー数1,286万2,161人を突破しました。単独アーティストによるバーチャルコンサートとして史上最多の視聴記録です。史上初のポップアップ形式で開催され、最新曲「I Just Might」と「Locked Out of Heaven」を披露。数量限定アイテム「Brunito Marsito」は合計542万8,644個が集められました。SNS向け動画は38か国以上・20言語で展開して合計5,300万回以上再生され、ライブストリームは14か国・9言語で配信されています(Mogura VR)。

会場に選ばれた「STEAL A BRAINROT」は、累計訪問者数が544億回を超えるゲームです。

研究所メモ: 自社で会場を作らず、すでに人が集まっている場所を借りた点が決定的でした。1,286万人という数字は、東京ドーム約230回分にあたります。ファンを呼び込む努力より、ファンがすでにいる場所へ出向く判断のほうが効く。前号のダイドードリンコの「お邪魔する」アプローチと、まったく同じ構図です。

ダークエスケープ 新宿歌舞伎町店 — 声優を起用したイマーシブ脱出ゲーム

MRXが1月27日、新宿歌舞伎町にイマーシブ脱出ゲームの新拠点「ダークエスケープ 新宿歌舞伎町店」を近日オープンすると発表しました。センサー連動演出、音響、照明制御を組み合わせ、初心者でも主人公として楽しめる設計としています。テーマは全3種で、第一弾は魔法ファンタジーの「始源の魔法院」、第二弾は中世が舞台の「幻夢の国エフィラ」。音声演出には早見沙織さん、杉田智和さんの出演が決まっています(Mogura VR)。

研究所メモ: 脱出ゲームに人気声優を起用する構成が、集客の軸を明確にしています。謎解きの難易度ではなく、誰の声で物語が進むかで来場を決める層がいる。体験型施設を運営する企業にとって、キャスティングは演出費ではなく集客投資として考える段階に来ています。

スポーツと自治体が、推し活の手法で人を動かした

伊藤園×WBC — 大谷翔平選手が愛飲する「お~いお茶」を世界へ

伊藤園が1月22日、「お~いお茶」が第6回WBCのオフィシャルグローバルパートナーになったと発表しました。大会全体のオフィシャルグリーンティーに採用され、公式記者会見での設置や球場でのサンプリングを実施します。採用理由は、グローバルアンバサダーである大谷翔平選手が愛飲していることでした。伊藤園は2001年に米ニューヨーク現地法人を設立し、2003年から「お~いお茶」の海外展開を本格化。米国では二桁の売上増が続いています(サンスポ)。

副社長の本庄周介氏は「日本・アメリカのみならず全世界でお~いお茶の魅力を発信していきます」と述べています。

研究所メモ: アンバサダーが実際に飲んでいる、という事実が大会全体の採用まで運んだ形です。起用したタレントに商品を持たせるのではなく、本人の習慣に商品が入り込んでいたから話が大きくなった。長期契約のアンバサダー施策で最も効くのは、この「本当に使っている」という一点だと分かる事例です。

長野県 — インフルエンサー21組との連携で資料請求2.3倍

長野県が宝島社「田舎暮らしの本」の「移住したい都道府県ランキング」で20年連続1位を獲得しました。2024年度の県外からの移住者数は過去最多の3,747人、移住相談件数は全国1位の2万5,891件。移住総合Webメディア「SuuHaa」は「行政らしくない」視点での発信が評価され、2021年度に県内行政機関の運営サイトとして初のグッドデザイン賞を受賞しています。2025年度は長野県ゆかりのインフルエンサー21組を初めて「長野県広報パートナー」に任命し、「移住×信州やまほいく」をテーマに連携動画を発信。その結果、SuuHaaへの資料請求が前年同月比2.3倍になりました(AdverTimes.)。

研究所メモ: 21組という数の多さが要点です。1人の大型インフルエンサーに賭けるのではなく、それぞれ違うコミュニティを持つ人を並べている。しかもテーマを「子育て」に絞ることで、バラバラの発信が1つのメッセージに収束します。自治体だけでなく、複数のファン層に届けたい企業にとって参考になる設計です。

ミャクミャク — 日本PR大賞のパーソン・オブ・ザ・イヤーに

日本パブリックリレーションズ協会が1月23日、2025年度日本PR大賞の表彰式を実施し、パーソン・オブ・ザ・イヤーに大阪・関西万博の公式キャラクター「ミャクミャク」を選出しました。日本国際博覧会協会の髙科淳副事務総長は「ミャクミャクが生まれたての頃は怖い、気持ち悪いなど散々なことを言われて、実際私も泣き出す子どもにも何回か遭遇しました」と振り返り、「万博開幕前の盛り上がりに欠けていた時期も、ミャクミャクが孤軍奮闘で全国各地を回って、万博への関心をつなぎ留めてくれました」と述べています(AdverTimes.)。

研究所メモ: 発表当初に酷評されたキャラクターが、184日間の会期を経て年間最高のPR賞を獲るまでになりました。最初の評判で企画を引っ込めていたら、この結果はありません。キャラクターは露出の量と時間で愛着に変わる。短期の反応だけでIPの成否を判断する危うさを、はっきり示す事例だと思います。

アパレルと小売が、キャラクターを日常の棚に並べた

ユニクロUT — 「MAGIC FOR ALL」10周年、刺繍で自分仕様に

ユニクロが2月9日、グラフィックTシャツ「UT」の新コレクション「MAGIC FOR ALL ICONS」を発売します。ディズニー、ピクサー、スター・ウォーズ、マーベルのキャラクターが集合し、MENSは8柄各1,990円、KIDSは6柄各990円(税込)。2015年に始まった「MAGIC FOR ALL」プロジェクトの10周年企画です。あわせて、前号で取り上げた「RE.UNIQLO STUDIO」の刺繍サービスにディズニーキャラクター8種類が加わり、全国18店舗で1つ1,000円で提供されます(アニメ!アニメ!)。

研究所メモ: 990円のキッズTシャツと、1,000円の刺繍サービス。この2つが同じ価格帯に並んでいるのが面白いところです。買う体験とカスタマイズする体験を同額で用意すれば、ファンは両方を選べます。IPを「買わせる」だけでなく「手を加えさせる」窓口を持つことが、単価ではなく関与の深さを上げます。

ローソン50周年一番くじ、しまむら×はぴだんぶい、クロックス×RIIZE

BANDAI SPIRITSが1月24日から「一番くじ LAWSON〜50th Anniversary〜」をローソンで発売しました。1回700円(税込)で、A賞は「ハピろー!のうた」が流れる店舗型アラームクロック、B賞・C賞はからあげクンのブランケットとぬいぐるみです(インサイド)。しまむらは1月24日にサンリオ「はぴだんぶい」の新作を発売し、トレーナーは一部で3L・4Lまで展開しました(インサイド)。クロックスは2025年3月からジャパンアンバサダーを務めるRIIZEの自作キャラクター「WE LITTLE RIIZE」をモチーフにしたジビッツチャームを1月29日に発売しています(AdverTimes.)。

研究所メモ: ローソンが自社の50周年を、自社キャラクターの一番くじで祝っている点に注目しました。周年施策は社史や感謝セールになりがちですが、からあげクンという既存の資産をグッズ化するほうが、ファンにとっては手に取りやすい。長く続けてきた企業ほど、社内に眠っているキャラクター資産があるはずです。

ナチュラグラッセ×ポケモン — 8日間のポップアップで先行体験

天然由来成分100%のメイクアップブランド「ナチュラグラッセ」が、ポケモンとのコラボ全6品を数量限定で発売します。2月4日から11日の8日間、東京・渋谷のRAYARD MIYASHITA PARKでポップアップを開催し、購入点数に応じてオリジナルギフトBOXなどを進呈。オンラインとポケモンセンターで2月4日に先行発売し、全国発売は2月18日です(AdverTimes.)。

研究所メモ: 全国発売の2週間前に、8日間だけのポップアップを置いています。先に触れた人がSNSで発信し、全国発売時には認知が仕上がっている状態を作る流れです。数量限定の商材ほど、発売日を1点に集中させず、体験と購入の時期をずらす設計が効きます。

老舗と地域施設が、IPで新しい客層に会いにいった

塩瀬総本家×サンリオ — 創業670余年の和菓子屋がチョコレート羊羹

創業670余年の老舗和菓子屋・塩瀬総本家が、サンリオのシナモロール、ハローキティ、クロミとのコラボ「サンリオキャラクターズ チョコレート羊羹」を1月21日に発売しました。羊羹の表面にキャラクターをプリントし、北海道音更産エリモショウズ小豆とザラメ糖を使った羊羹にチョコレートを練り込んでいます。カカオ生産者支援プログラム「カカオトレース」のチョコレートを使用。大丸東京店では1日限定15個の予定で、築地本店や松屋銀座店などで予約を受け付けます(アニメ!アニメ!)。

研究所メモ: 1日15個という数の少なさが、かえって老舗らしさを保っています。IPコラボで量を追うと、ブランドが安く見えるリスクがある。素材と製法を落とさず、手が届く範囲だけ作る。歴史のある企業がキャラクターと組むとき、この線引きが信用を守ります。

ヒロアカ×名古屋市東山動植物園 — コンビニのコピー機を物販窓口にする

アニメ『僕のヒーローアカデミア』と名古屋市東山動植物園の初コラボ「PLUS ULTRA ANIMALS!」が1月23日に始まり、ブロマイド全8種がファミリーマート、ローソン、ミニストップのマルチコピー機で販売されています。L判300円、2L判400円(税込)で、販売終了は2月23日23時59分。原作は世界累計発行部数1億部を突破し、アニメは計8期・全170話が放送されました(アニメ!アニメ!)。

研究所メモ: 動物園のコラボグッズを、コンビニのコピー機で売る。在庫も店舗スペースも要らず、全国どこでも買えます。300円という価格も、現地に行けない人が記念に買う金額として絶妙です。物販の設備投資が難しい施設にとって、既存インフラを売り場に変える発想は現実的な選択肢になります。

名探偵コナン×ほぼ日手帳 — 原作イラスト300点以上を1冊に

『名探偵コナン』と「ほぼ日手帳2026 spring」のコラボが2月1日午前11時に発売されます。週間手帳weeksには原作イラスト300点以上を全ページに配置し、月間カレンダーはコミックス107巻分から毎月異なるコマを掲載。特別版weeksが各3,850円、手帳カバーがA6で7,700円、A5で8,800円(税込)です。原作は1994年連載開始、テレビアニメは1996年放送開始で1,100回を突破しています(アニメ!アニメ!)。

研究所メモ: 107巻分から毎月違うコマを選ぶ、という手間のかけ方が価値になっています。長期連載IPは資産の量そのものが強みで、それを編集して見せられるかが問われる。過去のコンテンツが積み上がっている企業ほど、再編集で新しい商品を作れる余地があります。

ファンの熱量が、人材採用と宿泊プランの中身まで動かした

アニメ業界就職フェア「ワクワーク 2027」 — 過去最大45社が出展

ワクワークが主催するアニメ業界の合同就職フェア「ワクワーク 2027」が、2026年3月3日・4日に東京都立産業貿易センター台東館で開催されます。出展企業は過去最大の45社で昨年から6社増、久しぶりの2日間開催です。現時点でチケット予約は600枚を超え、2日間でのべ1,000人超の来場が見込まれています。コンセプトは初回から一貫して「絵を描けなくても大丈夫!!!」で、A-1 Pictures、トリガー、ユーフォーテーブル、東映アニメーション、プロダクション・アイジーなどが出展します(アニメ!アニメ!、超!アニメディア、Branc、PR TIMES)。

研究所メモ: 「絵を描けなくても大丈夫」というコンセプトが、業界の裾野を広げています。制作進行、プロデュース、グッズ、メディアと職種が多様化しているのに、志望者側の認識が追いついていない。ファンを採用候補として見るなら、まず「あなたにもできる仕事がある」と伝えるところから始める必要があります。

新宿プリンスホテル — 4万円弱の「推し活ステイ」を1日1室で

新宿プリンスホテルが宿泊プラン「推しに会う日のときめきビューティーステイ」を、2月16日から販売します。宿泊期間は4月1日から5月10日で、料金は1名39,250円より(1室2名利用時)、1日1室限定。新大久保の人気サロンでの韓国ヘアメイク体験、75インチの大画面とDolby Atmos対応音響、映像連動照明を備えた「イマーシブルーム」、8色に光るペンライト、フロントの大型サイネージへの推し色メッセージ掲出、VT COSMETICSのCICAスキンケアセットが付きます(PR TIMES)。

研究所メモ: ライブの前後を1日まるごと設計している点が新しいところです。開演前のヘアメイクから、終演後の余韻を過ごす部屋、翌朝の肌ケアまで。宿泊を「泊まる場所」ではなく「参戦の一部」に位置づけています。4万円弱という価格が成立するなら、遠征需要は宿泊業にとって単価を上げられる領域です。

ゲームとキャラクターが、店舗を巻き込んで合流した

モンハンワイルズ×ホロライブ5期生、ポケモン×初音ミク

カプコンが1月30日から「ホロライブとオトモ」キャンペーンを開始します。『モンスターハンターワイルズ』とホロライブ5期生(雪花ラミィ、桃鈴ねね、獅白ぼたん、尾丸ポルカ)のコラボで、プライズ景品は全9種類。カプコンカフェ池袋店・梅田店では2月20日から4月9日までコラボカフェも開催します(インサイド)。ポケモンは初音ミクとのコラボ「18 Harmony Stage」を発表し、18タイプのポケモントレーナー姿の初音ミクと相棒ポケモンを新規描き下ろし。6ステージ構成でユニットがライブする様子を描き、ライブグッズ風のアイテムを展開します(インサイド)。

研究所メモ: ポケモン側が「ライブグッズ風」という形式を選んだのが巧みです。マフラータオル、チケットホルダー、缶バッジセットと、ライブ会場で買うものの体裁をとっている。ゲームのグッズではなく、参戦グッズとして棚に置く。既存の推し活の作法に商品の形を合わせることで、買う理由が一段はっきりします。

今週の所感

今週は、ファンが集まる場所の規模が、企業の想定を追い越した週でした。

Robloxの1,286万人という数字は、これまでのバーチャルライブの議論を一段飛ばしにしています。しかも会場は自社で作ったものではなく、すでに人が集まっているゲームでした。長野県が21組のインフルエンサーと組んで資料請求を2.3倍にしたのも、伊藤園が大谷選手の習慣から大会全体の採用に至ったのも、同じ構図です。人を集めるより、集まっている場所に行くほうが早い。

一方で、規模を追わない選択も光りました。塩瀬総本家の1日15個、新宿プリンスホテルの1日1室。どちらも数を絞ることで、価格と体験の質を保っています。1,286万人と1日15個が同じ週に並んだことに、この市場の幅の広さが表れていると思います。

自社のファンがどこに、どれだけの密度でいるのか。推し活マーケティングの設計原則や推し活の市場規模とあわせて、今週の動きを見てみてください。


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