「カムカムエヴリバディ」の聖地巡礼|岡山・大阪・滋賀・京都で、三世代の記憶をつなぐ10か所【推し活×聖地巡礼】
川辺で自転車を練習する。ラジオから流れる英語を聞く。あんこを炊き、歌を聴き、時代劇の世界に憧れる。「カムカムエヴリバディ」は、祖母、母、娘の三世代の人生を、暮らしの中の行動や音でつないでいく物語です。撮影場所を訪ねると、別々の時代の記憶が、一つの家族へ戻っていく感覚を味わえます。
岡山、大阪、滋賀、京都にある10か所には、外観を撮影した洋館や店構えの参考になった商店街、大学の場面を収録した旧校舎など、三世代の物語と関わる各地の舞台が並んでいます。

三世代の暮らしが映った場所へ|10か所の訪問先
旧杉山家住宅と周囲の寺内町は一つの歴史地区、鴨川の複数の撮影区間も一つの川辺の散策にまとめました。現役の商店街や住宅街と、一般公開されている文化財や文化施設を、それぞれの利用案内に沿って訪ねる旅です。
旭川河川敷|安子が、自転車を練習した川辺

岡山市の旭川河川敷は、安子が自転車の練習をする場面の撮影場所です。岡山県の観光案内にも作品との関係が記録されており、物語の舞台である岡山と実際にカメラが回った土地が重なる場所で、安子の少女時代の暮らしを思い出せます。
自転車を乗りこなすまでの時間は、大きな歴史の出来事とは違う、身体を使って覚える日常です。川沿いを歩くと、広い景色の中で練習する人物の姿を思い返せます。映像を見てから歩くと、安子がいた街の広がりを自分の歩幅で体感できる川辺です。
県の特集では、旭川東岸の河川敷が散歩先として案内され、約1キロメートルの桜並木にも触れています。桜の花は春の時期だけの景色ですが、季節を問わず穏やかな川面と広い空を眺めながら歩ける遊歩道です。
散策エリアは公共の河川敷に整備された遊歩道です。歩行者や自転車が行き交う穏やかな水辺で、川面に流れた物語の時間を静かに思い返せます。
- 所在地
- 岡山県岡山市(旭川東岸河川敷)
- 作品との関係
- 初代ヒロイン・安子が少女時代に自転車の練習を重ねる場面が撮影された川辺
- 散策条件
- 河川敷の公共遊歩道として常時散策可(東岸には約1kmの桜並木あり)
出典:岡山県観光連盟
旧岡山偕行社|安子が聴いた歌と、るいが戻る場所

岡山県総合グラウンド内の旧岡山偕行社は、進駐軍の将校クラブの外観として撮影されました。安子がロバートに招かれ、定一の歌う「On the Sunny Side of the Street」を聴いて涙する、物語上の場所に結び付きます。のちの世代のるいが歌う時間へもつながる、音楽の記憶を宿す洋風建築です。
県の案内では、入口の門が撮影用のセットで、室内の場面は別の場所で収録されたことが紹介されています。建物の外観と別撮りの室内ステージを組み合わせて、劇中の将校クラブの空間が作られました。
現在の1階にはキューティパイカフェが入り、2階は会議などに利用される施設です。カフェでお茶を味わいながら、明治期の建築がドラマのどの場面を支えていたかを振り返る過ごし方ができます。
建物があるのは岡山市北区いずみ町2-1の総合グラウンド内です。カフェの営業は11時から16時、定休日は火曜日(祝日の場合は翌日休み)で、園内からの外観見学と1階カフェの利用で立ち寄れます。
- 所在地
- 岡山県岡山市北区いずみ町2-1(岡山県総合グラウンド内)
- 作品との関係
- 進駐軍の将校クラブの外観ロケに使われた明治期の洋風建築
- 営業時間・定休日
- 園内から外観見学可、1階キューティパイカフェは11:00〜16:00(火曜定休・祝日の場合は翌日休)
出典:岡山県観光連盟 / 岡山県観光連盟 / 岡山県総合グラウンド
表町商店街|「たちばな」の店構えを考える入口

表町商店街には、「たちばな」の店構えの参考になった老舗和菓子店があると、岡山県の公式特集に記されています。本編の店舗セットをそのまま現地で撮影した場所とは異なり、物語の和菓子屋を作るときに、実際の街や商いの形を参考にした関係です。
作品の中で和菓子は、商いの品であると同時に、家族の仕事や記憶と深く結び付きます。アーケードの通りを歩き、店先が通りへどう開いているか、買い物をする人がどう立ち寄るかを見ると、店構えが果たす役割にも目が向きます。県の特集では、城下町から続く商店街の空気そのものが作品世界を知る手掛かりです。
岡山市北区の中心部に広がる商店街で、アーケードの一般通路は自由に歩けます。現在も続く商店街の商いや和菓子文化に触れながら、作品の店作りへ思いを巡らせられる通りです。
- 所在地
- 岡山県岡山市北区(表町商店街)
- 作品との関係
- 安子の実家・御菓子司「たちばな」の店構えを考える参考になった老舗和菓子店があるアーケード街
- 散策条件
- アーケード通路は通行自由(営業時間は各店舗により異なる)
富田林寺内町・旧杉山家住宅|雉真家を演じた歴史的な町並み

大阪府の富田林寺内町では、旧杉山家住宅が雉真家の外観や玄関として使われました。富田林市は、2021年6月の2日間と、2022年1月に撮影が行われたと記録しています。仲村家住宅前の夕暮れの場面も含め、町並み全体が一つの訪問エリアとなっています。
岡山の物語の一部を、大阪の歴史的な建物で作った例です。家の正面や玄関を見てから作品へ戻ると、人物が出入りする動きと建築の関係を思い出せます。現地の住宅の来歴と、ドラマで演じた雉真家の設定を重ね合わせると、時代考証やロケーション選びの奥深さが見えてきます。
旧杉山家住宅は一般公開される重要文化財です。周囲の寺内町には現在の暮らしもあるため、公開施設以外の住宅へ立ち入らないよう配慮して歩きます。歴史ある町並みの散策と、公開された文化財建築の見学の両方を楽しめる地区です。
富田林市富田林町14-31にある旧杉山家住宅は、開館時間が10時から17時、月曜日が休館(祝日の場合は翌日休館)です。入館料は大人400円、小中学生200円、未就学児は無料。専用駐車場はないため、市営駐車場など現地の案内に従って訪問します。
- 所在地
- 大阪府富田林市富田林町14-31ほか(富田林寺内町)
- 作品との関係
- 重要文化財・旧杉山家住宅をはじめ、雉真家の外観や玄関、夕暮れの町並みが撮影された歴史地区
- 開館時間・入館料
- 旧杉山家住宅は10:00〜17:00(月曜休館・祝日の場合は翌日休)、大人400円・小中学生200円
豊郷小学校旧校舎群|稔が受けた、大学のドイツ語講義

滋賀県の豊郷小学校旧校舎群は、第6回で稔が大学のドイツ語講義を受ける場面に使われました。滋賀ロケーションオフィスが、放送回と人物の行動を対応させて記録しています。建物の名前は小学校ですが、作品の中では稔が通う大学の空間を演じました。
英語のラジオ講座が大きな役割を持つ作品の中で、この場面で描かれるのは、別の外国語を学ぶ戦前の学生生活です。稔を演じる松村北斗の姿を思い返しながら、昭和初期の学校建築が学ぶ場所の空気をどう支えているかに目を向けられます。
現在は一般公開される歴史文化施設で、児童が通う現役の校舎とは分かれています。2026年4月1日に開館時間が改定され、現在は10時から17時までの公開です。
犬上郡豊郷町石畑にある旧校舎群は、豊郷町観光協会の案内では月曜日と年末年始が休館で、祝日の場合は振替休館があります。貸館や催事で使われる部屋もあるため、当日の公開範囲を確かめながら校舎内を見学します。
- 所在地
- 滋賀県犬上郡豊郷町石畑
- 作品との関係
- 第6回で稔が大学のドイツ語講義を受ける場面が撮影された、昭和初期の歴史的旧校舎群
- 開館時間・休館日
- 10:00〜17:00(2026年4月1日改正)、月曜・年末年始休館(祝日の場合は振替休館あり)
出典:滋賀ロケーションオフィス / 豊郷町観光協会
大城神社|安子ときぬの初詣、勇たちの祈願

大城神社は、第6回で安子ときぬが振袖姿で初詣をする場面、第10回で勇と野球部が甲子園出場を祈願する場面に使われました。同じ神社の境内が、友人同士の新年の時間と、仲間と目標を願う時間の両方を支えています。
安子を上白石萌音、きぬを小野花梨、勇を村上虹郎が演じました。人物と行動を思い出すと、神社という場所が、人生の節目や将来への願いに関わる舞台だと分かります。本編の場面を見返してから参拝すると、誰が何を願っていたかが境内を見る手掛かりになります。
所在地は東近江市五個荘金堂町66で、滋賀県神社庁の神社紹介にも社伝が記された古社です。地域の氏神として守られてきた静かな境内で参拝できます。
- 所在地
- 滋賀県東近江市五個荘金堂町66
- 作品との関係
- 第6回の安子ときぬの振袖初詣と、第10回の勇と野球部員たちの甲子園出場祈願が撮影された神社
- 参拝条件
- 境内参拝自由(祭礼・祈祷時は神社の行事を優先)
出典:滋賀ロケーションオフィス / 滋賀県神社庁
北野天満宮|るいが、回転焼きの仕事を選ぶきっかけ

北野天満宮では、天神市の回転焼きの露店を見たるいが、この仕事をやろうと心を動かす場面が撮影されました。京都市メディア支援センターの記録にも、具体的な行動と撮影場所が結び付けて記されています。るいの暮らしを支える仕事が、京都の街で見た光景から始まる場面です。
回転焼きには、食べる楽しみと、あんこを炊いて焼き上げる仕事の両面があります。露店での出会いを思い返すと、その後の「大月」の店の場面も、日々の生活を選んだ結果として見えてきます。岡山の安子の世代から続くあんこの記憶が、京都での新しい仕事へつながる入口です。
京都市上京区御前通今小路上ル馬喰町にあり、現行の開門時間は7時から17時、祈祷の受付は9時から16時です。通常の参拝日と毎月25日の縁日(天神市)の開催日は境内の様子が異なるため、訪問日の案内を確かめて参拝します。
- 所在地
- 京都府京都市上京区御前通今小路上ル馬喰町
- 作品との関係
- 2代目ヒロイン・るいが天神市の露店で回転焼きを見て、その仕事を始めようと決意する場面が撮影された神社
- 開門時間・縁日
- 7:00〜17:00(祈祷受付9:00〜16:00)、毎月25日に縁日「天神市」開催
出典:京都市メディア支援センター / 京都市メディア支援センター / 北野天満宮
上七軒付近|るいと錠一郎、ひなたが暮らす街

上七軒付近は、るい、錠一郎、ひなたが暮らす街の撮影場所です。るいが倒れ、錠一郎が自転車で急いで戻る場面も、京都市の撮影案内に記録されています。京都の花街としての風情とともに、家族のもとへ帰る道として思い返せる石畳の通りが続く一帯です。
オダギリジョーが演じる錠一郎が走る理由を知ると、道の距離や曲がり角も、家族の時間を支える風景に見えてきます。隣接する北野天満宮が仕事を始めるきっかけの場所なら、こちらの通りは家族の暮らしが積み重なる日常の舞台です。
目安となるのは京都市上京区今出川通七本松西入真盛町付近です。劇中の回転焼き屋「大月」の店舗セットは撮影時のもので、現在は公道から花街の石畳と町家の並びを眺められます。
- 所在地
- 京都府京都市上京区今出川通七本松西入真盛町付近
- 作品との関係
- 京都へ移ったるい・錠一郎・ひなたの三人が暮らす町並みや、錠一郎が自転車で駆け戻る道が撮影された花街
- 見学条件
- 公道から石畳の町並みを見学可(北野天満宮東門の隣接エリア)
出典:京都市メディア支援センター / 京都市メディア支援センター
京都府立鴨川公園|錠一郎の練習と、ひなたの体操

鴨川の河川敷では、錠一郎が自転車を練習する場面と、子どものひなたがラジオ体操をする場面が撮影されました。幼いひなたを演じるのは新津ちせです。川辺に残るのは、家族の日常の動きと、子どもの夏休みの記憶です。
安子の自転車練習は岡山の旭川、錠一郎の練習は京都の鴨川で撮影されました。同じ行動を違う人物と世代が経験することを思い返すと、三世代の物語を川辺の景色から見比べられます。岡山と京都の二つの川が、それぞれの時代の家族の時間を映しています。
京都市の案内が示すのは、葵橋から出雲路橋、北大路橋から北山大橋にかけての河川敷付近です。複数の橋の周辺を一つの川沿いの散策エリアとして歩くと、京都編の日常の広がりを体感できます。
現在も市民が憩う公共公園として利用される場所で、川沿いの遊歩道が整備されています。ラジオ体操の場面や自転車練習の記憶と重ねながら、鴨川の水音とともに散策できる水辺です。
- 所在地
- 京都府京都市(葵橋〜出雲路橋/北大路橋〜北山大橋の鴨川河川敷付近)
- 作品との関係
- 錠一郎が自転車を練習する場面や、幼いひなたが夏休みのラジオ体操に通う場面が撮影された河川敷公園
- 散策条件
- 公共の河川敷公園として常時散策可
出典:京都市メディア支援センター / 京都市メディア支援センター
太秦映画村|ひなたが、見る側から支える仕事へ進む

太秦映画村は、ひなたが就職する「条映太秦映画村」の舞台として撮影されました。時代劇を見る少女だった人物が、制作や催しを支える側へ進む場所です。京都市メディア支援センターが、作品の舞台となった施設として案内しています。
ここでは、劇中の時代劇の世界と、その映画を作る仕事が重なります。スクリーンの中の登場人物と、裏側で撮影や企画を支える人の双方に光が当たる物語です。川栄李奈が演じるひなたの奮闘を思い返して訪ねると、オープンセットの見せ方や京都の撮影文化にも関心が広がります。
所在地は京都市右京区太秦東蜂ケ岡町10で、現在は有料のテーマパーク・文化体験施設として営業中です。日ごとの営業時間とチケット料金は公式カレンダーで確認できます。2026年に施設が刷新されているため、撮影当時のオープンセットや劇中の看板がすべてそのまま残っているわけではありません。
一般公開されているエリアやアトラクションを楽しみながら、撮影所の歴史や時代劇の町並みに触れられます。作品の記憶を持って歩くことで、現在の施設の中から映画作りの工夫を新しく見つけられる訪問先です。
- 所在地
- 京都府京都市右京区太秦東蜂ケ岡町10
- 作品との関係
- 3代目ヒロイン・ひなたが時代劇に憧れて就職し、映画や催しを支える仕事へ踏み出す舞台となった映画村
- 利用条件・アクセス
- 有料テーマパーク(営業時間・入場料は公式カレンダーに準拠)、JR太秦駅・嵐電太秦広隆寺駅から徒歩約5分
出典:京都市メディア支援センター / 京都市メディア支援センター / 株式会社東映太秦映画村 / 株式会社東映太秦映画村
「カムカムエヴリバディ」をもっと知る|三人の人生をつなぐ言葉、味、音
十か所を巡ると、建物や街の役割とともに、世代を越えて繰り返される行動が見えてきます。自転車、あんこ、歌、時代劇。時代や場所が変わっても、前の世代の記憶が、次の人生に別の形で現れます。人物と制作の背景を知ると、そのつながりをより具体的にたどれます。
藤本有紀が描く、三世代100年の物語
本作は、「ちりとてちん」も手掛けた藤本有紀のオリジナル脚本による連続テレビ小説第105作です。特定の原作小説を持たない書き下ろし脚本で、ラジオ英語講座、あんこ、野球、ジャズ、時代劇といった日常のモチーフを通して、三世代・約100年の人生を結び付けています。
上白石萌音が演じる安子は、日本でラジオ放送が始まった1925年3月22日に岡山の和菓子屋「たちばな」に生まれました。深津絵里が演じる娘・るいの物語は昭和30年代の大阪から始まり、川栄李奈が演じる孫・ひなたの物語は昭和40年代の京都で幕を開けます。三人が同じ時代を並行して生きる構成とは異なり、前の世代の選択や言葉が次の世代の人生へバトンのように届く展開です。
完全版ブルーレイBOX1の各週の題名には、物語の年代が明記されています。第1週は「1925-1939」、第2週は「1939-1941」、第3週は「1942-1943」、第4週は「1943-1945」。さらに戦後の第5週「1946-1948」、第6週「1948」、第7週「1948-1951」へと進みます。放送された週と劇中の年代を照らし合わせると、半年間の放送の中に100年の歳月がどう織り込まれているかが明瞭です。
舞台の中心が岡山から大阪、京都へと移っても、小豆を炊く鍋の音やラジオの講座、ジャズの旋律が途切れずに引き継がれます。ロケ地を訪ねるときも、安子の岡山、るいの京都の暮らし、ひなたの職場を一本の家族史としてつなげて歩くと、物語の奥行きがいっそう深まります。
稔、勇、きぬ、ロバートと安子の時間
滋賀で撮影された場面を人物から見直すと、稔は大学でドイツ語を学び、勇は野球部の仲間と甲子園出場を祈願し、安子ときぬは振袖姿で初詣へ向かう構成です。松村北斗、村上虹郎、小野花梨が、それぞれ異なる立場と関係性を演じました。戦前から戦中へと向かう時代の中で、若者たちの学びや友情が具体的な空間とともに描かれています。
進駐軍の将校・ロバートを演じるのは村雨辰剛です。ロバートに招かれて将校クラブを訪れる場面は、安子が再び音楽や英語と向き合い、感情を動かす時間へつながります。旧岡山偕行社の洋風建築の外観と、別撮りされた室内のステージ映像が組み合わさることで、戦後の岡山の空気が表現されました。
誰がどの場所でどんな時間を過ごしたかを整理しておくと、旅先で思い浮かぶ映像も鮮明になります。豊郷小学校旧校舎群では大学の講義、大城神社では初詣と必勝祈願、旧岡山偕行社ではジャズの歌声へと続く外観。それぞれの建築と場面の結び付きを確かめながら鑑賞へ戻れます。
安子と稔が見た映画を、ひなたの仕事へつなげる
完全版BOX1の収録案内では、劇中映画『棗黍之丞 仁義劍』が、安子と稔がデートで見た時代劇として紹介されています。時代劇は、三代目のひなたの世代になって初めて登場する要素ではありません。祖母の安子と祖父の稔が映画館で共有した娯楽の記憶が、孫のひなたが太秦映画村で働く未来へと遠く響き合っています。
同じBOX1には、中川家がエンタツ・アチャコを演じた漫才「お笑い早慶戦」も2パターン収録されました。ジャズ、時代劇映画、しゃべくり漫才といった大衆娯楽が、登場人物の生きる時代の空気を形作っています。
こうした劇中映画や演芸は、ロケ地を歩くだけでは見えにくい制作のもう一つの層です。太秦映画村で映画を支える裏方の仕事を思い浮かべたあと、家庭で劇中映画や漫才の特別編を見直すと、登場人物が楽しんだ娯楽を現実のスタッフと出演者が細部まで作り込んでいたことが伝わってきます。
定一の歌から、るいの歌へ
安子が将校クラブで耳にするのは、世良公則が演じる喫茶店「ディッパーマウスブルース」のマスター・柳沢定一が歌う「On the Sunny Side of the Street」です。岡山県の公式特集でも、その歌声に涙する安子と、のちに成長したるいが母を思って歌う物語上のつながりが紹介されています。一曲のジャズ・スタンダードが、親子の記憶を呼び覚ます縦糸となる構成です。
旧岡山偕行社で撮影されたのは建物の外観ですが、現地の洋館の佇まいを知ってから本編を見返すと、外からクラブへ足を踏み入れる緊張感と、室内に響く定一の歌声がいっそう自然に結び付きます。
完全版ブルーレイBOX1の特典映像には、この「サニーサイド」の歌唱場面をステージのみで再編集した特別版が収められています。本編の物語の流れの中で聴いた歌を、世良公則の歌唱と演奏に集中して味わえる映像です。
主題歌とジャズを届ける制作陣
劇伴音楽は米米CLUBのメンバーとしても知られる金子隆博、主題歌「アルデバラン」はAIが歌唱し、森山直太朗が作詞・作曲、斎藤ネコが編曲を担当しました。本作のために書き下ろされた楽曲です。英語と日本語を交えた語りは城田優が務め、ラジオや音楽が人生を導く物語を声と音の両面から支えています。
演出には安達もじり、橋爪紳一朗、深川貴志、松岡一史、二見大輔、石川慎一郎が名を連ねます。制作統括は堀之内礼二郎と櫻井賢、プロデューサーは葛西勇也、橋本果奈、齋藤明日香が担当しました。NHK大阪放送局制作の朝ドラとして、多くのスタッフの分業と連携で100年の物語が紡がれています。
完全版ブルーレイBOX2には、ジャズとオープニング映像の制作舞台裏、ノンクレジット版のオープニング、さらに錠一郎とトミー北法令(早乙女太一)のセッションのディレクターズカット版が収められています。本編の人間ドラマを味わったあとに、ジャズ演奏やストップモーション風のオープニングを作る職人技へ目を向けられる構成です。
回転焼きと映画村が、仕事になるまで
北野天満宮の天神市で見た露店は、るいが回転焼きの仕事を選ぶ出発点になりました。そして太秦映画村は、時代劇を愛するひなたが映画村の社員として働く場所になります。街角やスクリーンで出会った好きなものが、やがて自分の暮らしを支える仕事へ変わっていく過程が、京都の二つの訪問先に刻まれています。
岡山の表町商店街での店構えの参考、富田林寺内町の町家、京都・上七軒の石畳の道も、商いや家族の暮らしを画面に立ち上げるためのロケーションです。旅先で建物や通りを見るときに、そこで何が作られ、誰が働き、誰が帰りを待っていたかを思い返すと、風景の意味が立体的に浮かび上がります。
太秦映画村の場面と深く関わるのが、劇中で作られた映画や宣伝映像です。完全版BOX3には劇中映画『妖術七変化 隠れ里の決闘』の約10分の映像や、条映映画村のCM2種類も収録されており、ドラマの中の映画村がどのような作品を送り出していたかを確かめられます。
- 行動の継承
自転車の練習
安子は岡山の旭川河川敷、錠一郎は京都の鴨川河川敷で練習し、世代と土地を越えて同じ行動が重なる。
- 味と仕事
あんこと回転焼き
岡山の御菓子司「たちばな」のあんこの記憶が、北野天満宮の露店を経て、るいの回転焼きの店へ受け継がれる。
- 娯楽から制作へ
時代劇と映画村
安子と稔が映画館で見た時代劇『棗黍之丞』の記憶が、京都の太秦映画村で働くひなたの仕事へつながる。
出典:NHKエンタープライズ / NHKエンタープライズ / NHKエンタープライズ / 京都市メディア支援センター / 株式会社東映太秦映画村 / 京都市メディア支援センター / 岡山県総合グラウンド / 岡山表町商店街 / 京都市メディア支援センター / 滋賀県神社庁 / 岡山県観光連盟 / 北野天満宮 / 富田林市 / 岡山県観光連盟 / 株式会社東映太秦映画村 / 豊郷町観光協会 / 京都市メディア支援センター / 富田林寺内町4施設 / 滋賀ロケーションオフィス / 富田林市 / 京都市メディア支援センター / 京都市メディア支援センター
撮影から放送へ|三世代が届いた節目
2021年6月の富田林寺内町でのロケーション撮影から、同年11月の放送開始、2022年1月の京都編スタート、そして4月の最終回放送と完全版BOX発売までの歩みを年表にまとめました。各地域のロケがどの放送週と重なり、3巻の完全版BOXにどう収録されているかを一覧できます。
- 2021年
6月 富田林寺内町で2日間の撮影を実施。旧杉山家住宅などの歴史的な建築が、ドラマの家や街を演じる。撮影 - 2021年
11月1日 連続テレビ小説第105作として放送開始。安子から始まる三世代の物語が視聴者へ届く。放送 - 2021年
11月12日 滋賀ロケーションオフィスが第2週の撮影実績を紹介。第6回、第8回、第10回の具体的な場面と場所を記録。地域 - 2021年
12月17日 完全版BOX1に収録される第7週までの放送が一区切りとなり、安子の時代をまとまった単位で見返せるようになる。放送 - 2021年
12月20日 第8週からの放送が開始。映像商品ではBOX2に当たる範囲へ物語が進む。放送 - 2022年
1月 富田林寺内町で再び撮影を実施。放送が進む中でも歴史的な町並みが継続して活用される。撮影 - 2022年
1月26日 京都編の放送が開始。北野天満宮、上七軒、鴨川公園などが、るいとひなたの暮らしの場面へ結び付く。放送 - 2022年
2月14日 完全版BOX3の収録対象となる第16週が開始し、ひなたの成長と映画村での物語が本格化する。放送 - 2022年
4月8日 第23週の最終回まで全112回の放送が完了。安子、るい、ひなたへと受け継がれた100年の物語が完結する。放送 - 2022年
4月22日 完全版のBlu-ray BOX1とDVD-BOX1を発売。本編と歌唱・劇中映画などの特典映像を手元で見返せるようになる。映像
出典:NHKエンタープライズ / NHKエンタープライズ / NHKエンタープライズ / 京都市メディア支援センター / 株式会社東映太秦映画村 / 京都市メディア支援センター / 岡山県総合グラウンド / 岡山表町商店街 / 京都市メディア支援センター / 滋賀県神社庁 / 岡山県観光連盟 / 北野天満宮 / 富田林市 / 岡山県観光連盟 / 株式会社東映太秦映画村 / 豊郷町観光協会 / 京都市メディア支援センター / 富田林寺内町4施設 / 滋賀ロケーションオフィス / 富田林市 / 京都市メディア支援センター / 京都市メディア支援センター / STARTO ENTERTAINMENT
旅の前後に見る・聴く|三つの完全版BOXと主題歌の公式映像
岡山・大阪・滋賀・京都の10か所を訪ねる前後には、完全版の映像ソフトと主題歌の公式映像から物語へ戻れます。見返したい時代のエピソードや、音楽・劇中映画の収録内容ごとに巻や映像が分かれています。
三つの完全版BOXから、見返したい時代と特典を選ぶ
ブルーレイ商品はBOX1、BOX2、BOX3の全3巻構成です。NHKエンタープライズの商品番号は順に25353AA(品番NSBX-25353)、25354AA(NSBX-25354)、25355AA(NSBX-25355)で、いずれも4枚組です。同内容のDVD-BOX(品番NSDX-25356ほか)も展開されているため、再生環境と収録週を確かめて選びます。
BOX1には第1週から第7週までの本編525分と特典映像142分に加え、24ページの特製ブックレットとバリアフリー日本語字幕が備わっています。上白石萌音・甲本雅裕・松村北斗が出演した「土曜スタジオパーク」の特別編集版や、算太のダンスのフルカラー映像も収録されており、岡山・大阪・滋賀のロケ地を巡ったあとに安子編を深く見返せる構成です。
続くBOX2は第8週から第15週までの本編525分に特典60分を収録し、ジャズやオープニングの制作舞台裏、錠一郎とトミーのセッション、劇中時代劇「けったい侍」など音楽と大阪・京都編の始まりを楽しめます。BOX3は第16週から最終週までの本編600分に特典93分を収め、川栄李奈のインタビューや撮影最終日の記録、劇中映画『妖術七変化 隠れ里の決闘』、条映映画村のCM、34人の出演者のクランクアップ集まで網羅しています。
AI「アルデバラン」の公式映像で、三世代をつなぐ歌を聴き直す
旅の移動中や帰宅後に作品を思い返す入口として、AIが歌う主題歌「アルデバラン」のオフィシャルビデオも欠かせません。森山直太朗が作詞・作曲を手掛けたこの楽曲は、安子、るい、ひなたの三人がそれぞれの時代で困難に向き合いながら前へ進む姿に寄り添うように毎朝流れました。
旭川や鴨川の川辺、旧岡山偕行社の洋館、そして上七軒や太秦映画村の風景を歩いたあとに歌声を聴き直すと、歌詞の一節ごとに三世代の表情や街の景色が鮮やかに重なります。ユニバーサルミュージック公式のYouTube映像でも、100年の物語を支えた主題歌の響きを聴き返せます。
出典:NHKエンタープライズ / NHKエンタープライズ / NHKエンタープライズ / 京都市メディア支援センター / 株式会社東映太秦映画村 / 京都市メディア支援センター / 岡山県総合グラウンド / 岡山表町商店街 / 京都市メディア支援センター / 滋賀県神社庁 / 岡山県観光連盟 / 北野天満宮 / 富田林市 / 岡山県観光連盟 / 株式会社東映太秦映画村 / 豊郷町観光協会 / 京都市メディア支援センター / 富田林寺内町4施設 / 滋賀ロケーションオフィス / 富田林市 / 京都市メディア支援センター / 京都市メディア支援センター
ビジネスの視点から|場面の具体性と、現在の利用をそろえる
大学の講義、初詣、自転車の練習、店を始めるきっかけという具体的な行動を添えると、撮影地の名前は人物の記憶と結び付きます。
豊郷小学校旧校舎群の開館時間変更、太秦映画村の施設刷新、現役の住宅や商店街の利用条件は、放送当時の情報から更新しておくことが欠かせません。
出典:NHKエンタープライズ / NHKエンタープライズ / NHKエンタープライズ / 京都市メディア支援センター / 株式会社東映太秦映画村 / 京都市メディア支援センター / 岡山県総合グラウンド / 岡山表町商店街 / 京都市メディア支援センター / 滋賀県神社庁 / 岡山県観光連盟 / 北野天満宮 / 富田林市 / 岡山県観光連盟 / 株式会社東映太秦映画村 / 豊郷町観光協会 / 京都市メディア支援センター / 富田林寺内町4施設 / 滋賀ロケーションオフィス / 富田林市 / 京都市メディア支援センター / 京都市メディア支援センター
出典
- NHKエンタープライズ
- NHKエンタープライズ
- NHKエンタープライズ
- 京都市メディア支援センター
- 株式会社東映太秦映画村
- 京都市メディア支援センター
- 岡山県総合グラウンド
- 岡山表町商店街
- 京都市メディア支援センター
- 滋賀県神社庁
- 岡山県観光連盟
- 北野天満宮
- 富田林市
- 岡山県観光連盟
- 株式会社東映太秦映画村
- 豊郷町観光協会
- 京都市メディア支援センター
- 富田林寺内町4施設
- 滋賀ロケーションオフィス
- 富田林市
- 京都市メディア支援センター
- 京都市メディア支援センター
- STARTO ENTERTAINMENT
会期・営業時間・チケットは執筆時点の情報です。お出かけ前に各公式サイトで最新の情報を確認してください。
よくある質問
ドラマの岡山の場面は、すべて岡山で撮影されていますか
雉真家の外観などは大阪府の富田林寺内町、稔が通う大学の講義場面は滋賀県の豊郷小学校旧校舎群で撮影されました。物語上の舞台設定と実際のロケ地を合わせてたどれます。
旧岡山偕行社では、劇中で定一が歌ったステージを見られますか
旧岡山偕行社で撮影されたのは将校クラブの外観で、門は撮影用のセット、室内のステージは別の場所で収録されました。現在は1階がカフェ、2階が貸し会議室として運営されています。
豊郷小学校旧校舎群は、児童が通う校舎へ入る見学ですか
一般公開されている歴史的な旧校舎群を訪ねる見学です。2026年4月1日から開館時間が10時〜17時(月曜・年末年始休館)に改定されています。
太秦映画村では、撮影当時のセットをそのまま見られますか
施設は2026年に刷新されており、撮影当時のオープンセットや劇中看板がすべてそのまま残っているわけではありません。現在公開されている時代劇の町並みや体験展示を公式案内で確認して訪ねます。
完全版ブルーレイBOX1だけで全話を視聴できますか
完全版は全3BOX(BOX1〜BOX3)に分かれており、BOX1には第1週から第7週までの岡山編を中心とする本編と特典映像が収録されています。大阪編・京都編を含む後半の週はBOX2・BOX3に収められています。
岡山の表町商店街は、ドラマの本編ロケ地ですか
岡山県の公式特集では、安子の実家である御菓子司「たちばな」の店構えを考える参考になった老舗和菓子店がある街として紹介されています。城下町の商いが続く通りとして散策を楽しめます。
北野天満宮と上七軒は、同じ日に歩いて回れますか
北野天満宮の東門から上七軒の通りはすぐ隣り合っており、徒歩で続けて散策できる位置関係にあります。



