推し活聖地巡礼

「男は​つらいよ」​の​聖地巡礼|柴又へ​帰り、​寅さんの​旅先を​歩く​10か​所​【推し活×聖地巡礼】

寅(とら)さんには、旅に出ても戻ってくる柴又(しばまた)があります。一方、旅先の駅や橋、寺、温泉街では、行きずりの人と話し、恋をして、思いがけない騒動を起こします。「男はつらいよ」のロケ地を訪ねる楽しみは、美しい景色の中に、誰と何をしていた場面かを思い出すことです。

柴又帝釈天(たいしゃくてん)と寅さん記念館を起点に、映画の具体的な場面が確認できる各地の8地点を加えた全10か所です。第1作の法隆寺と智恩寺、リリーたちと歩いた小樽、夢から覚めた下灘(しもなだ)駅。帰る場所と旅の場所を行き来しながら、50作へ続いたシリーズの舞台が広がっています。

柴又帝釈天の二天門へ歩く旅行者

寅(とら)さんの帰郷と旅をたどる10か所

東京・柴又(しばまた)の街から、岡山、愛媛、静岡、香川、奈良、京都、北海道、長野へ。日本各地の風景の中で映画の名場面を思い出せます。撮影から長い年月を経ているため、当時の景色と現在の施設の姿が異なる場所もあり、現役の無人駅や寺院、有料庭園など施設ごとの公開条件が設けられています。

10
男はつらいよの訪問先10か所柴又から全国へ、寅さんの旅先10地点
実写ロケ地公式施設

① 柴又帝釈天(たいしゃくてん) 題経寺

柴又帝釈天(題経寺)は、第1作で車寅次郎が20年ぶりに帰郷して以来、御前様や家族が暮らす故郷の中心としてシリーズ全作を通して描かれた寺院です。

柴又帝釈天 題経寺を詳しく

② 葛飾柴又寅さん記念館

葛飾柴又寅さん記念館は、松竹大船撮影所で実際に使われた「くるまや」のセットや朝日印刷所の再現展示を見学できる、柴又巡礼の拠点施設です。

葛飾柴又寅さん記念館を詳しく

③ 備中国分寺跡・備中国分寺

岡山県総社市の備中国分寺は、第32作『口笛を吹く寅次郎』の冒頭で寅さんが旅を続ける父娘と梅林でお弁当を広げて語り合う場面が撮影された寺院です。

備中国分寺跡・備中国分寺を詳しく

④ 下灘(しもなだ)駅

愛媛県伊予市のJR予讃線・下灘駅は、第19作『寅次郎と殿様』の冒頭で駅員に声をかけられた寅さんが夢から目を覚ます、瀬戸内海を望む海沿いの駅です。

下灘駅を詳しく

⑤ 蓬莱橋(ほうらいばし)

静岡県島田市の大井川に架かる蓬莱橋は、第22作『噂の寅次郎』の冒頭で寅さんが雲水とすれ違い、女性との縁で苦労する相を指摘される全長897.4メートルの木造歩道橋です。

蓬莱橋を詳しく

⑥ 栗林公園

香川県高松市の栗林公園は、第46作『寅次郎の縁談』で満男を迎えに来た寅さんが松坂慶子演じる葉子とともに琴電に乗って散策する特別名勝の日本庭園です。

栗林公園を詳しく

⑦ 法隆寺

奈良県斑鳩町の法隆寺は、第1作『男はつらいよ』で奈良を旅する御前様と娘の冬子が五重塔を背景に記念写真を撮る場面が撮影された寺院です。

法隆寺を詳しく

⑧ 天橋立 智恩寺

京都府宮津市の天橋立・智恩寺は、第1作のラストシーンで恋に破れた寅さんが舎弟の登とともに縁日の境内で威勢よく古本の啖呵売を行う寺院です。

天橋立 智恩寺を詳しく

⑨ 小樽運河エリア

北海道の小樽運河エリアは、第15作『寅次郎相合い傘』で寅さんと旅回りの歌手・リリー、会社員の兵頭謙次郎の3人が運河や坂道を並んで歩いた旅先です。

小樽運河エリアを詳しく

⑩ 別所温泉・北向観音周辺

長野県上田市の別所温泉・北向観音は、第18作『寅次郎純情詩集』で寅さんが坂東鶴八郎一座の旅芝居を見物し、宴席の勘定を払えなくなる騒動が起きた門前町です。

別所温泉・北向観音周辺を詳しく

柴又(しばまた)帝釈天(たいしゃくてん) 題経寺|20年ぶりに帰った故郷の中心

柴又帝釈天の二天門と参道

1969年公開の第1作『男はつらいよ』で、車寅(とら)次郎は20年ぶりに故郷の柴又へ帰ってきます。柴又帝釈天(題経寺)には、笠智衆が演じる御前様とその娘・冬子が暮らす世界が広がっています。旅先で立ち寄る観光名所とは異なり、家族や幼なじみが待つ「帰るべき故郷の中心」としてシリーズ全作を貫く場所です。

寅さんは周囲から温かく迎えられながらも、妹さくらの見合いを壊してしまい、いたたまれずに再び旅へ出ます。その後、奈良の旅先で御前様と冬子に偶然再会して冬子へ恋心を抱くと、柴又へ戻ってからも題経寺の彼女のもとへ足繁く通うようになります。同じ境内でも、旅の前と後では寅さんの足取りと胸の内がすっかり変わっている対比が鮮やかです。

京成金町線の柴又駅から続く参道と二天門、そして境内の風景は、映画の空気を今に伝える一続きの空間です。門前の草だんごや川魚料理の店を眺めながら歩くと、どこからともなく寅さんがふらりと帰ってきそうな親しみが湧いてきます。

所在地は東京都葛飾区柴又7-10-3。境内の参拝は自由で、帝釈堂の胴羽目彫刻を見学する彫刻ギャラリーと邃渓園(庭園)は共通拝観料大人400円の有料エリアに分かれています。

御前様が鐘をつき、寅さんが顔を出した物語の記憶に加えて、精巧な法華経説話の透かし彫り彫刻や渡り廊下から眺める日本庭園そのものも貴重な文化財です。

所在地
東京都葛飾区柴又7-10-3
作品との関係
第1作で車寅次郎が20年ぶりに帰郷して以来、御前様や冬子が暮らす故郷の中心として全作に描かれた寺院
拝観条件・料金
境内参拝自由、彫刻ギャラリー・邃渓園(庭園)は共通拝観料大人400円
アクセス
京成金町線柴又駅から徒歩約3分
所在地20年ぶりに帰った故郷の中心

出典:松竹・映画男はつらいよ公式 / 葛飾区観光サイト・寅さん記念館 / 柴又帝釈天 題経寺

葛飾柴又(しばまた)寅(とら)さん記念館|実際に使われた「くるまや」のセットへ

寅さん記念館のくるまや撮影セット

帝釈天(たいしゃくてん)から歩いてすぐの葛飾柴又寅さん記念館には、松竹大船撮影所から移設された団子屋「くるまや」の撮影セットが展示されています。実際の映画撮影で使われていたセットを間近に見られる貴重な空間です。柴又の街並みを歩く体験に、撮影所でどのように寅さんの実家が作られていたかを知る視点が加わります。

くるまやの茶の間では歴代の名場面映像が流れ、おいちゃんやおばちゃん、さくらや博がちゃぶ台を囲んで語り合った空間とスクリーンの記憶が重なる展示です。館内では、実使用セットである「くるまや」、精巧なミニチュアで再現された昭和30年代の帝釈天参道ジオラマ、そして「朝日印刷所」の再現展示をそれぞれ見比べられます。

タコ社長や博が働いた朝日印刷所のコーナーには本物の活版印刷機が据えられ、当時の町工場の息遣いが伝わってきます。さらに2025年4月のリニューアルでは、歴代マドンナや旅先の記憶をたどる「こころのふるさと街道」や昭和の黒電話の体験展示も充実しました。

住所は東京都葛飾区柴又6-22-19。開館時間は9時から17時で、閉館30分前までの入館が推奨されています。休館日は原則として第3火曜日(祝日の場合は翌日、12月は第3火・水・木曜日)で、一般の入館料は山田洋次ミュージアムとの共通券で500円です。

同じ建物内で隣接する山田洋次ミュージアムもあわせて見学できます。寅さんの帰る家を体感したあとに、フィルム編集機や脚本資料を通して監督・スタッフの映画づくりに触れられる充実した構成です。

所在地
東京都葛飾区柴又6-22-19
作品との関係
松竹大船撮影所で実際に使われた「くるまや」のセットや朝日印刷所の再現展示を見学できる記念館
開館時間・入館料
9:00〜17:00、原則第3火曜休館、一般500円(山田洋次ミュージアム共通券)
アクセス
京成金町線柴又駅から徒歩約8分
所在地実際に使われた「くるまや」のセットへ

出典:葛飾区観光サイト・寅さん記念館 / 葛飾区観光サイト・寅さん記念館

備中国分寺跡・備中国分寺|旅の父娘と過ごした梅林

緑の向こうに立つ備中国分寺の五重塔

第32作『口笛を吹く寅(とら)次郎』(1983年公開)の冒頭では、花咲く梅林で旅を続ける父娘と寅さんが穏やかにお弁当を広げる場面が描かれます。松竹の公式ロケ地案内がこのシーンの撮影地として挙げているのが、岡山県総社市の備中国分寺です。父親役を演じたのはレオナルド熊。のどかな吉備路の風景の中に、旅人同士が偶然出会って言葉を交わす温かな時間が流れています。

寅さんの旅先では、大騒動だけでなく、こうした何気ない食事や世間話のワンシーンに土地の空気が映るのも特徴的です。梅の花がほころぶ丘で誰とどんな会話をしていたかを思い浮かべると、静かな寺院の風景が急に親しみ深いものに変わります。

現在の備中国分寺周辺でひときわ目を引くのは、吉備路のシンボルとしてそびえる重要文化財の五重塔です。奈良時代の創建当時の礎石が残る史跡公園一帯とあわせて、田園風景の中をゆったり散策でき、早春には映画の冒頭と同じく梅の花が咲きます。

所在地は岡山県総社市上林1046で、総社市の観光案内では10時から16時が利用時間の目安です。五重塔の内部は常時公開されておらず、境内の散策と外観の見学が基本となります。

所在地
岡山県総社市上林1046
作品との関係
第32作『口笛を吹く寅次郎』冒頭で寅さんが旅の父娘と梅林でお弁当を広げて語り合う場面の撮影地
見学時間・公開範囲
境内散策目安10:00〜16:00、重要文化財の五重塔外観と史跡公園を見学可(塔内部は非公開)
所在地旅の父娘と過ごした梅林

出典:松竹・映画男はつらいよ公式 / 総社市

下灘(しもなだ)駅|夢から覚めた寅(とら)さんと、海を望むホーム

下灘駅の待合屋根と海

1977年公開の第19作『寅次郎と殿様』は、海辺の駅のベンチでうたた寝していた寅さんが、駅員に声をかけられて夢から目を覚ます場面で幕を開けます。この印象的なオープニングが撮影されたのが、愛媛県伊予市にあるJR予讃線の下灘駅です。目の前に伊予灘の青い海が広がる開放的なホームには、旅の途中に寅さんが一人で過ごす静かな時間が流れています。

シリーズ恒例の夢のシーンから、波の音が聞こえる現実の旅先へと切り替わる瞬間です。現地を訪ねる前に映画の冒頭を見返しておくと、古い待合ベンチで目をこする寅さんの表情や、駅員との間の抜けたやり取りまでそのままよみがえってきます。

下灘駅は現在も地域の人や旅人が利用する現役の無人駅です。ホームの屋根の下で潮風を感じながら次の普通列車を待つ時間そのものが、映画の冒頭場面と重なります。

所在地は愛媛県伊予市双海町大久保。JR四国は駅前の駐車スペースを列車利用者の送迎用と定めており、観光目的での駐車を認めていません。松山駅方面からの普通列車の時刻表を事前に調べ、鉄道に乗って訪れるのがこのロケ地にふさわしい旅のスタイルです。

所在地
愛媛県伊予市双海町大久保
作品との関係
第19作『寅次郎と殿様』冒頭でベンチでうたた寝していた寅さんが駅員に声をかけられて目を覚ます海沿いの駅
利用条件
JR予讃線の現役無人駅(駅前駐車スペースは列車利用者の送迎専用で観光駐車不可)
所在地夢から覚めた寅さんと、海を望むホーム

出典:松竹・映画男はつらいよ公式 / 四国旅客鉄道

蓬莱橋(ほうらいばし)|雲水の忠告を受けた、長い木の橋

蓬莱橋の木の床と低い欄干

1978年公開の第22作『噂の寅(とら)次郎』の冒頭では、川を渡る長い木の橋の上で寅さんが一人の雲水(修行僧)とすれ違います。大滝秀治が演じるその雲水から、寅さんが「女性との縁で苦労する相が出ている」と忠告を受けるユーモラスな場面です。この旅の始まりの舞台に選ばれたのが、静岡県島田市の大井川に架かる蓬莱橋でした。

全長897.4メートルにおよぶ木造歩道橋は、一歩ずつ板の感触を確かめながら対岸へと渡る時間の長さを体感できる場所です。遮るもののない川風の中で雲水と立ち話をしたシーンを思い浮かべながら歩くと、見知らぬ旅人同士がすれ違う一本道の舞台としてこの橋がいかに効果的だったかがよく分かります。

毎度のように旅先で恋に落ちては失恋する寅さんを知っている観客にとって、橋の上での短い忠告は、その後の物語の行方を軽妙に予感させる導入です。下灘(しもなだ)駅での目覚めと比べると、作品ごとに冒頭の旅情の描き方が工夫されていることに気づけます。

住所は静岡県島田市南2丁目地先。歩行者と自転車が渡れる賃取橋で、渡橋料は中学生以上100円、小学生10円です。橋のたもとにある番小屋の受付時間は8時30分から17時で、時間外は備え付けの料金箱を利用する仕組みとなっており、増水や強風時には通行制限がかかる場合があります。

所在地
静岡県島田市南2丁目地先(大井川河川敷)
作品との関係
第22作『噂の寅次郎』冒頭で寅さんが雲水とすれ違い、女性との縁で苦労する相を指摘される全長897.4mの木造歩道橋
渡橋料・受付時間
中学生以上100円・小学生10円、番小屋受付8:30〜17:00(時間外は料金箱利用、増水・強風時は通行制限あり)
所在地雲水の忠告を受けた、長い木の橋

出典:松竹・映画男はつらいよ公式 / 島田市観光協会

栗林公園|葉子と歩いた日本庭園

栗林公園の池と茶屋

1993年公開の第46作『寅(とら)次郎の縁談』では、家出をした甥の満男を連れ戻すために四国へ渡った寅さんが、松坂慶子演じるヒロイン・坂出葉子とともに琴電(高松琴平電気鉄道)に揺られ、美しい日本庭園を訪れます。そのロケ地となったのが、香川県高松市の特別名勝・栗林公園です。

葉子は、瀬戸内海の島で暮らす父親のもとで心の疲れを癒やしている女性です。満男を探しに来たはずの寅さんがいつしか島の暮らしになじみ、葉子と連れ立って高松の街と庭園を歩く展開に、シリーズ後半ならではの穏やかな情味がにじみます。島の風景と高松の庭園という二つの舞台が、一つの旅の記憶を形作っています。

紫雲山を借景に6つの池と13の築山を配した広大な回遊式大名庭園は、二人が並んで歩いた時間を思い返しながらゆっくり巡るのにぴったりの場所です。池の水面に映る松の緑や茶屋のたたずまいを眺めながら、季節ごとの光の移ろいを楽しめます。

所在地は香川県高松市栗林町1-20-16。入園料は大人500円、小中学生170円です。年中無休で、開園時間は日の出から日没に合わせて月ごとに細かく設定されています。

所在地
香川県高松市栗林町1-20-16
作品との関係
第46作『寅次郎の縁談』で満男を迎えに来た寅さんが坂出葉子(松坂慶子)とともに散策する特別名勝の日本庭園
開園時間・入園料
年中無休(開園・閉園時刻は日の出・日没に合わせ月ごとに設定)、大人500円・小中学生170円
所在地葉子と歩いた日本庭園

出典:松竹・映画男はつらいよ公式 / 栗林公園

法隆寺|御前様と冬子が写真を撮った奈良の旅

法隆寺の金堂と五重塔

1969年公開の記念すべき第1作『男はつらいよ』には、柴又(しばまた)帝釈天(たいしゃくてん)の御前様(笠智衆)と娘の冬子(光本幸子)が二人で奈良を旅する場面があります。その中で、五重塔を背にして二人が仲良く記念写真を撮るロケ地として登場するのが、斑鳩の里にある法隆寺です。

なお、柴又を飛び出した寅(とら)さんが旅先の奈良で御前様と冬子にばったり再会する場面は、法隆寺とは別の東大寺大仏殿前として描かれています。

第1作のマドンナである冬子は、寅さんにとって幼なじみのお嬢さんです。古都の旅先で思いがけず再会し、行動をともにしたことで、柴又へ帰ってからも寅さんの一途な片想いが続いていきます。法隆寺の静かな伽藍は、その恋が本格的に動き出す直前の端正な風景を伝えています。

住所は奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺山内1-1。拝観時間は2月22日から11月3日が8時から17時、11月4日から2月21日が8時から16時30分(いずれも受付は閉門30分前まで)で、西院伽藍・大宝蔵院・東院伽藍には共通拝観料が設定されています。

所在地
奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺山内1-1
作品との関係
第1作『男はつらいよ』で奈良を旅する御前様と娘の冬子が五重塔を背景に記念写真を撮る場面の撮影地
拝観時間
2月22日〜11月3日は8:00〜17:00、11月4日〜2月21日は8:00〜16:30(西院伽藍・大宝蔵院・東院伽藍は共通拝観有料)
所在地御前様と冬子が写真を撮った奈良の旅

出典:松竹・映画男はつらいよ公式 / 法隆寺 / 松竹シネマプラス

天橋立 智恩寺|第1作の最後に、再び商売へ戻る

智恩寺の文殊堂と石参道

第1作『男はつらいよ』のラストシーンで、再び旅に出た寅(とら)さんが舎弟の登(秋野太作)とともに縁日の境内で威勢よく古本を売る場面が撮影されたのが、京都府宮津市の天橋立にある智恩寺(文殊堂)です。柴又(しばまた)へ帰り、冬子への恋に破れて街を去った寅さんが、たくましく旅の稼業へ戻っている姿を映し出します。

寅さんの代名詞である「啖呵売(たんかばい)」は、リズミカルな口上で道行く人を引き込みながら品を売る商売です。多くの参拝客でにぎわう寺の縁日という空間で、渥美清の張りのある声と身振り手振りが生き生きと輝きます。失恋の哀愁を吹き飛ばすように響く口上が、車寅次郎という主人公の生き方を決定づけました。

奈良の法隆寺と天橋立の智恩寺は、同じ第1作に登場する寺院でありながら、物語上の役割が対照的です。御前様と冬子の穏やかな旅を映す法隆寺に対し、智恩寺は寅さん自身の再出発を告げる場所。二つの寺を見比べると、第1作の起承転結がロケーションの選び方にも表れていることが分かります。

所在地は京都府宮津市文珠466で、京都丹後鉄道の天橋立駅から徒歩約3分です。境内は拝観自由と案内されています。映画のような古本の露店は撮影当時の演出ですが、日本三文殊の一つとして知られる文殊堂や山門を参拝しながら、第1作のエンディングの活気を思い返せます。

所在地
京都府宮津市文珠466
作品との関係
第1作のラストシーンで恋に破れた寅さんが舎弟の登とともに縁日の境内で古本の啖呵売を行う寺院
参拝条件・アクセス
境内拝観自由、京都丹後鉄道宮豊線天橋立駅から徒歩約3分
所在地第1作の最後に、再び商売へ戻る

出典:松竹・映画男はつらいよ公式 / 京都府観光連盟

小樽運河エリア|リリーと謙次郎、三人で歩いた街

冬の小樽運河と倉庫

1975年公開の第15作『男はつらいよ 寅(とら)次郎相合い傘』では、北海道を旅する寅さんが、浅丘ルリ子演じる歌手のリリー、船越英二演じる会社員の兵頭謙次郎と3人で小樽の街を歩きます。松竹の公式ロケ地案内では、小樽運河や外人坂(船見坂周辺)、港を3人が巡る場面が紹介されています。

蒸発して旅に出たエリート会社員の謙次郎にとって、小樽はかつての初恋の人が暮らす思い出の街でした。寅さんと函館で再会したリリーがそこへ合流し、謙次郎の初恋探しに付き添う形で奇妙で温かい3人旅が続いていきます。北の港町の風景の中に、大人たちのほろ苦い過去と優しさが重なる名作です。

とりわけ、寅さんと同じように各地を移動しながら生きるリリーは、息の合った掛け合いでシリーズ屈指の人気マドンナです。小樽を訪ねる前にこの第15作を見ておくと、運河沿いの石造倉庫や坂道の景色に、相合い傘で歩いた二人の距離感を重ねられます。

現在の小樽運河(北海道小樽市港町5周辺)には散策路やガス灯が整備され、北海道を代表する観光スポットです。映画が撮影された1975年当時の水辺の風景から移り変わった部分も含めて、半世紀の時間の流れが運河沿いの石造倉庫群に刻まれています。

所在地
北海道小樽市港町5周辺(小樽運河)
作品との関係
第15作『寅次郎相合い傘』で寅さんと旅回りの歌手・リリー、会社員の兵頭謙次郎の3人が並んで歩いた港町の運河
利用条件・アクセス
運河沿いの散策路は常時通行可、JR函館本線小樽駅から徒歩約10分
所在地リリーと謙次郎、三人で歩いた街

出典:松竹・映画男はつらいよ公式 / 小樽観光協会 / 松竹・映画男はつらいよ公式

別所温泉・北向観音周辺|旅一座との交流が騒動になった場所

北向観音の石参道と本堂

1976年公開の第18作『男はつらいよ 寅(とら)次郎純情詩集』では、信州・上田の別所温泉を訪れた寅さんが、北向観音の前で吉田義夫演じる坂東鶴八郎一座の旅芝居を見物します。各地を渡り歩くテキヤの寅さんが、同じく旅から旅へと公演を続ける大衆演劇の役者たちと意気投合する場面です。

座長たちに同情して気前よく宴席を設けた寅さんですが、いざ会計となると持ち合わせが足りず、東京のさくらへ電報で助けを求める大騒動へと発展します。困っている人を見ると放っておけない人情味と、お金の計算がまるで追いつかない無鉄砲さが同時に炸裂する、いかにも寅さんらしい喜劇の舞台です。

現在の北向観音周辺では、映画の仮設芝居小屋は撮影当時のセットであり、常時は歴史ある観音堂の参拝と別所温泉の外湯や街並みが続く門前町として親しまれています。

所在地は長野県上田市別所温泉の北向観音堂周辺。本堂の開堂時間は朝7時からで、閉堂は季節により異なります(5月〜9月は17時、4月・10月は16時30分、11月〜3月は16時、御朱印受付は8時から)。上田電鉄別所線の別所温泉駅から門前へと続く坂道を歩きながら、映画の賑やかな一幕を思い返せます。

所在地
長野県上田市別所温泉1656(北向観音堂周辺)
作品との関係
第18作『寅次郎純情詩集』で寅さんが坂東鶴八郎一座の旅芝居を見物し、宴席の勘定騒動を起こした門前町
開堂時間・アクセス
本堂開堂7:00〜17:00(4・10月は16:30まで、11〜3月は16:00まで)、上田電鉄別所線別所温泉駅から徒歩約10分
所在地旅一座との交流が騒動になった場所

出典:松竹・映画男はつらいよ公式 / 北向観音・常楽寺 / 北向観音・常楽寺 / 松竹・映画男はつらいよ公式

「男はつらいよ」をもっと知る|帰る家と、旅を続ける人

同じシリーズでも、夢から覚める海辺の駅、雲水から忠告を受ける木造橋、マドンナと並んで歩く大名庭園では、風景の担う役割がまったく異なります。そのすべての場面の中心にいるのが、渥美清の演じる車寅(とら)次郎です。景色の向こうにいる柴又(しばまた)の家族や旅の道連れを知ると、ロケ地を歩く楽しみがさらに深まります。

渥美清の記憶から、テレビの寅(とら)さんへ

『男はつらいよ』は、もともと1968年にフジテレビ系のテレビドラマとして誕生しました。主演の渥美清が少年時代に東京の下町で目にしたテキヤ(香具師)たちの鮮やかな口上や暮らしぶりの記憶を語り、脚本・演出の山田洋次がそこから車寅次郎という人物像を膨らませたのが出発点です。劇中で披露される啖呵売の調子には、俳優自身の原体験が反映されています。

ところがテレビ版の最終回で、寅さんが奄美大島でハブに咬まれて急死する結末を描いたところ、視聴者からテレビ局へ抗議と惜しむ声が殺到しました。その大きな反響を受けて山田洋次が自ら映画化を企画し、1969年8月27日に松竹で映画第1作が公開されます。全50作におよぶ映画史上の大シリーズは、「死んでしまった寅さんにもう一度会いたい」という観客の熱望から始まりました。

第1作のラストシーンにあたる天橋立・智恩寺の縁日を見返すと、寅さんの言葉が人を笑わせ慰めるだけでなく、生きるための商売道具でもあることがよく分かります。声の張り、絶妙な間、道行く人を見るまなざし。ロケ地の風景と同じくらい、渥美清の芸の細部に目を向けたくなる場面です。

さくら、博、満男がいる家

寅(とら)さんの腹違いの妹・さくらを倍賞千恵子、さくらの夫となる印刷工の諏訪博を前田吟が一貫して演じています。第1作では、帰郷した寅さんがさくらの見合い話をぶち壊してしまう一方、くるまやの隣にある朝日印刷所で働く博がさくらへ真剣な思いを伝えます。兄の滑稽な失恋と、妹夫婦の誕生が表裏一体で描かれる構成です。

寅さんは他人の恋路には頼まれもしないのに世話を焼き、良かれと思って余計な口出しをしては場を引っかき回します。そのくせ、いざ自分が惚れた女性の前では不器用にしか振る舞えません。いつでも帰れる温かい故郷があるからこそ気ままな旅へ出られる反面、帰ってくればたちまち家族を困らせてしまう。柴又(しばまた)の場面には、その愛すべき矛盾が詰まっています。

第1作で博からさくらへの恋心を打ち明けられた寅さんは、「妹にはその気がない」と早合点して博を諦めさせようとします。落ち込む博を居酒屋でなぐさめる姿は、恋の酸いも甘いも噛み分けた大人の振る舞いそのものです。ところが、後に寅さん自身が冬子への片想いに破れると、かつて博にかけた慰めの言葉がそのまま自分に跳ね返ってきます。笑いとペーソスが同じ会話から生まれる脚本です。

こうした茶の間や居酒屋でのやり取りを知ってから柴又帝釈天(たいしゃくてん)の参道を歩くと、寅さんを「人情味あふれる旅人」という一面だけでなく、見栄っ張りで寂しがり屋の兄として身近に感じられます。その厄介な性格までまるごと受け止めているさくらや博がいるからこそ、くるまやのセットが温かな意味を持つ場所です。

さらにシリーズ後半では、さくらと博の息子・諏訪満男(吉岡秀隆)の成長と恋がもう一つの柱になります。2019年公開の第50作『お帰り 寅さん』で、大人になった満男と初恋の相手・泉(後藤久美子)が語り合うのは、今ここに伯父さんがいたらどんな言葉をかけるかという問いかけでした。スクリーンの真ん中で騒動を起こしていた主人公が、残された家族の心の中で生き続ける存在へと変わっていく過程も、長いシリーズならではの展開です。

リリーと、旅の道連れ

第15作『寅(とら)次郎相合い傘』で再登場するリリー(浅丘ルリ子)は、一度は結婚して落ち着いた暮らしを送りながらも、再び旅回りの歌手へと戻って北海道で寅さんと巡り会います。定住する家を持たず、鞄ひとつで街から街へと移動しながら生きるリリーは、数あるマドンナの中でも最も寅さんに近い魂を持つパートナーです。

この第15作の小樽の旅には、会社や家庭を捨てて初恋の女性を探しに来た兵頭謙次郎(船越英二)が道連れとして加わります。地道な暮らしから飛び出したサラリーマンと、根っからの旅人である寅さんとリリー。異なる人生を歩んできた3人が同じ運河のほとりを歩くことで、旅情の中に人生の機微が浮かび上がります。

リリーはその後も第25作『寅次郎ハイビスカスの花』や第48作『寅次郎紅の花』、そして1997年の『寅次郎ハイビスカスの花 特別篇』(第49作)へと登場を重ねました。一度きりの出会いで終わらず、何年もの歳月を隔てて再び旅先や柴又(しばまた)で再会する関係性が、シリーズの奥行きを支えています。

旅一座の笑いから、綾を思う時間へ

第18作『寅(とら)次郎純情詩集』は、前半の別所温泉での旅芝居一座とのドタバタ喜劇と、後半の東京での静かな純愛が見事なコントラストを成す一作です。ヒロインの柳生綾を演じるのは名女優・京マチ子、その娘・雅子を檀ふみが演じています。雅子が満男の通う柴又(しばまた)第二小学校の担任教師だった縁から、寅さんは柳生家の邸宅を訪ねるようになります。

由緒ある家柄に育ちながらも、家を守るための結婚と離婚を経て、重い病を抱えて静かに暮らす綾。寅さんが彼女の病気や境遇を奇跡のように解決できるわけではありません。それでも、格式張らない寅さんの冗談に綾が声を上げて笑い、束の間の穏やかな時間を分かち合う姿が胸を打ちます。別所温泉の北向観音で描かれた前半の喜劇から、後半の柴又と柳生家の静かな場面への落差が第18作の骨格をなしています。

監督、撮影、音楽をたどる

『男はつらいよ』シリーズを代表する監督は山田洋次ですが、全50作のすべてを山田が監督したわけではありません。初期の1970年に公開された第3作『男はつらいよ フーテンの寅(とら)』は森﨑東、続く第4作『新 男はつらいよ』はテレビ版も手がけた小林俊一が監督を務めました(原作・脚本には両作とも山田洋次が参加しています)。

また、日本各地の美しい四季と下町の空気をフィルムに焼き付けたカメラマン・高羽哲夫と、耳に残る主題歌・劇伴を手がけた作曲家・山本直純の仕事も大きな柱です。第1作から第47作まで撮影を担った高羽哲夫に続き、第48作では高羽と長沼六男、第50作では近森眞史がキャメラを回しました。音楽も山本直純から息子の山本純ノ介へと引き継がれました。

ロケ地を訪ねるとき、俳優の演技だけでなく、「カメラがどの位置から駅のホームや橋を捉えていたか」「どのタイミングで主題歌のメロディーが流れ出したか」を思い出すと、映画職人たちの丁寧な仕事が見えてきます。

なぜ第50作を作ったのか

2019年12月公開の第50作『男はつらいよ お帰り 寅(とら)さん』に寄せた山田洋次監督の「演出のことば」には、半世紀におよぶシリーズと日本社会の変化が記されています。高度経済成長期の活気の中で第1作が生まれ、48作を重ねたのち、1996年の渥美清の逝去と翌年の特別篇をもってシリーズはいったん幕を閉じました。

それから20年以上の歳月が流れ、先行きが見えにくく息苦しさを抱える現代社会の中で、寅さんならどう振る舞うかを思い出し、観客に元気を届けたいという願いが第50作の制作へと結実しました。過去の映像を懐かしむだけでなく、現代を生きる家族の視点から寅さんを見つめ直す試みです。

第50作の制作にあたっては、特別篇を含む過去49作品すべての4Kデジタル修復も進められました。色あせたフィルムを公開当時の鮮やかな色彩と音に蘇らせる技術があったからこそ、現在の満男たちの物語の中に若き日の寅さんが重なり合う第50作が完成しました。各地のロケ地と映画の映像を鮮明に見比べられるのも、この修復作業による成果です。

旅の場所が変える、寅さんの場面
  1. 第19作『寅次郎と殿様』

    下灘(しもなだ)駅

    海を望む静かなホームで駅員に声をかけられ、夢から旅の現実へと目を覚ます幕開け。

  2. 第22作『噂の寅次郎』

    蓬莱橋(ほうらいばし)

    大井川を渡る長い木の橋で雲水とすれ違い、女性との縁で苦労する相を言い渡される出会い。

  3. 第15作『寅次郎相合い傘』

    小樽運河エリア

    旅回りの歌手・リリーと会社員の謙次郎が加わり、初恋の記憶を頼りに三人で歩く港町。

出典:京都府観光連盟 / 松竹シネマプラス / 松竹・映画男はつらいよ公式 / 法隆寺 / 島田市観光協会 / 北向観音・常楽寺 / 総社市 / 葛飾区観光サイト・寅さん記念館 / 小樽観光協会 / 栗林公園 / 四国旅客鉄道 / 柴又(しばまた)帝釈天(たいしゃくてん) 題経寺 / 松竹・山田洋次公式

テレビから50作へ続いた節目

1968年のテレビドラマ誕生と翌年の映画第1作公開から、今回の巡礼地に登場する各作品の公開年、そして4Kデジタル修復と第50作『お帰り 寅(とら)さん』、2025年の寅さん記念館リニューアルまでを年表に整理しました。

テレビから50作へ続いた節目
  1. 1968年テレビシリーズとして誕生。1969年8月27日に映画第1作が公開され、柴又(しばまた)への帰郷と旅の物語が始まりました。映画
  2. 1970年1月15日第3作「フーテンの寅」を森﨑東が監督。2月27日公開の第4作「新 男はつらいよ」は小林俊一が監督を務めています。映画
  3. 1975年8月2日第15作「寅次郎相合い傘」が公開。リリーと謙次郎との三人旅が、小樽の景色に残りました。映画
  4. 1976年12月25日第18作「寅次郎純情詩集」が公開。別所温泉の旅一座との場面が登場します。映画
  5. 1977年8月6日第19作「寅次郎と殿様」が公開。下灘(しもなだ)駅で夢から覚める冒頭が撮られました。映画
  6. 1978年12月27日第22作「噂の寅次郎」が公開。蓬莱橋(ほうらいばし)で雲水に出会う場面から、旅が始まります。映画
  7. 1983年12月28日第32作「口笛を吹く寅次郎」が公開。備中国分寺の梅林で、旅の父娘との時間が描かれました。映画
  8. 1993年12月25日第46作「寅次郎の縁談」が公開。満男を迎えに行った寅さんが葉子と出会い、栗林公園も登場します。映画
  9. 1995年12月23日第48作「寅次郎紅の花」が公開。1997年11月22日には「寅次郎ハイビスカスの花 特別篇」が、第49作として公開されました。映画
  10. 2019年特別篇を含む49作を4Kデジタル修復。12月27日には第50作「お帰り 寅さん」が公開されます。映画
  11. 2025年4月寅さん記念館がリニューアル。新しい展示を加えながら、映画の家と暮らしを見返す場所が続いています。展示

出典:京都府観光連盟 / 松竹シネマプラス / 松竹・映画男はつらいよ公式 / 法隆寺 / 島田市観光協会 / 北向観音・常楽寺 / 総社市 / 葛飾区観光サイト・寅さん記念館 / 小樽観光協会 / 栗林公園 / 四国旅客鉄道 / 柴又帝釈天(たいしゃくてん) 題経寺 / 松竹・山田洋次公式

旅の前後に見る作品|場面の一作から、「お帰り 寅(とら)さん」へ

初めてシリーズに触れる場合は、旅先と直接つながる一作が入り口になります。法隆寺と智恩寺へ向かうなら第1作、小樽なら第15作、下灘(しもなだ)駅なら第19作。50作すべてを順番に見なくても、その場所で誰が何をしていたかを一作知っておくだけで、現地で眺める風景の意味が変わります。

旅先の場面から選ぶ最初の一作

とりわけ1969年の第1作『男はつらいよ』には、20年ぶりに柴又(しばまた)へ帰る寅(とら)さん、さくらと博の結婚、奈良・法隆寺への旅、そして天橋立・智恩寺での啖呵売が一本の映画に凝縮されています。物語の始まりと終わりを見届けてから訪れる柴又帝釈天(たいしゃくてん)や寅さん記念館の茶の間は、登場人物たちの声が今にも聞こえてきそうな空間です。

旅先の場面を短いクリップで見るだけでなく、その前後の柴又での家族の会話まで通して味わうと、地方の美しい風景がなぜあれほど温かな笑いや切なさを生むのかがよく分かります。

第50作『お帰り 寅(とら)さん』のBlu-ray形態と選び方

シリーズ集大成となる第50作『男はつらいよ お帰り 寅さん』の通常版Blu-ray(品番:SHBR-0616)は、2020年7月8日に発売されました。本編約115分と特報・予告編などの映像特典約3分を収録しており、小説家になった満男たちが寅さんとの日々を思い返す物語を家庭でじっくり鑑賞できます。

4Kデジタル修復された若き日の寅さんやマドンナたちの映像と、実年齢を重ねたさくらや博、満男や泉の姿が自然に交差し、一人の旅人が周囲の人々の人生に何を残したのかを静かに問いかけてきます。ロケ地で目にした現在の風景と、スクリーンの中の懐かしい風景を見比べる楽しみも広がります。

なお、同日発売の特別版Blu-ray(品番:SHBR-0615)には、本編Blu-rayに加えてメイキングや公開記念舞台挨拶などを収めた約110分の特典DVDが付属します。通常版Blu-ray(SHBR-0616)や通常版DVD(DASH-0074)は本編ディスクのみの1枚組仕様です。

出典:京都府観光連盟 / 松竹シネマプラス / 松竹・映画男はつらいよ公式 / 法隆寺 / 島田市観光協会 / 北向観音・常楽寺 / 総社市 / 葛飾区観光サイト・寅さん記念館 / 小樽観光協会 / 栗林公園 / 四国旅客鉄道 / 柴又(しばまた)帝釈天(たいしゃくてん) 題経寺 / 松竹・山田洋次公式

ビジネスの視点から|景色に、登場人物の出来事を添える

下灘(しもなだ)駅は夢から覚める場所、蓬莱橋(ほうらいばし)は雲水から忠告を受ける場所、小樽運河は三人で初恋の記憶をたどる場所です。同じロケ地の紹介でも、「その場所で誰が何をしていたか」という具体的な出来事が添えられると、訪問の目的がぐっと鮮明になります。作品名だけを掲げる案内よりも、短い一場面の文脈を伝えることが、映画を見返す行動と現地を歩く行動をつなぐ鍵です。

また柴又(しばまた)では、実際の参道や寺院を歩く街歩きと、寅(とら)さん記念館で実使用セットや再現ジオラマを見る体験の両方が用意されています。ロケーションそのものの風景と、映画美術・4Kデジタル修復といった制作・保存の仕事を組み合わせて伝えることで、長年シリーズに親しんできた世代にも、初めて寅さんに触れる若い世代にも、作品世界への入り口が開かれています。

出典:京都府観光連盟 / 松竹シネマプラス / 松竹・映画男はつらいよ公式 / 法隆寺 / 島田市観光協会 / 北向観音・常楽寺 / 総社市 / 葛飾区観光サイト・寅さん記念館 / 小樽観光協会 / 栗林公園 / 四国旅客鉄道 / 柴又帝釈天(たいしゃくてん) 題経寺 / 松竹・山田洋次公式

出典

会期・営業時間・チケットは執筆時点の情報です。お出かけ前に各公式サイトで最新の情報を確認してください。

よくある質問

50作すべてを見てから巡る必要がありますか

全作を先に見る必要はありません。訪ねる場所が登場する一作(法隆寺・智恩寺なら第1作、小樽なら第15作、下灘駅なら第19作など)を見てから向かうと、具体的な場面や会話を思い出しながら歩けます。

寅さん記念館の「くるまや」は実際に撮影で使われたセットですか

松竹大船撮影所で実際の映画撮影に使用されていた「くるまや」のセットを移設したものです。館内にある帝釈天参道のジオラマや「朝日印刷所」の再現展示とあわせて、映画美術の空間を間近に見学できます。

第1作で寅さんが冬子たちに再会するのは法隆寺ですか

法隆寺は御前様と娘の冬子が二人で記念写真を撮る場所です。寅さんが二人にばったり再会するのは、同じ奈良旅行の場面でも東大寺の大仏殿前として描かれています。

下灘駅に観光用の駐車場はありますか

JR四国は駅前の駐車スペースを列車利用者の送迎用と定めており、観光目的での駐車は認めていません。松山駅方面から運行されているJR予讃線の普通列車で訪問できます。

シリーズ全50作をすべて山田洋次監督が監督していますか

原作・脚本は全作に山田洋次が関わっていますが、監督については第3作『男はつらいよ フーテンの寅』を森﨑東、第4作『新 男はつらいよ』を小林俊一が務めています。そのほかの48作品(特別篇を含む)を山田洋次が監督しました。

蓬莱橋は自転車や徒歩でいつでも渡れますか

歩行者と自転車が渡れる有料の木造歩道橋です(中学生以上100円、小学生10円)。番小屋の受付時間(8時30分〜17時)以外は備え付けの料金箱を利用する仕組みで、大井川の増水や強風、補修工事の際には通行制限がかかる場合があります。

第50作『お帰り 寅さん』の通常版Blu-rayと特別版の違いは何ですか

通常版Blu-ray(SHBR-0616)は本編約115分と予告編などの映像特典約3分を収めた1枚組であり、メイキングやイベント映像など約110分の特典DVDが付属するのは2枚組の特別版(SHBR-0615)です。