「VIVANT」の聖地巡礼|神田明神・岐阜県庁・島根など国内10か所のロケ地をたどる【推し活×聖地巡礼】
「VIVANT」で主人公・乃木憂助が日常的に参拝し、御神木の脇の祠に置かれた赤い饅頭で「別班」の緊急招集を知る場所が、東京都千代田区の神田明神(神田神社)です。また東京都調布市の布多天神社では、乃木の上司である櫻井司令が御神牛のある境内で参拝する場面が撮られました。さらに群馬県庁昭和庁舎や茨城県庁三の丸庁舎、続編のモニュメントが立つ岐阜県庁など、各地の庁舎や歴史建築が国内外の緊迫した場面を支えています。
そして乃木の実家として映ったのが、島根県奥出雲町の櫻井家住宅です。近くの渓谷・鬼の舌震では父・乃木卓が若い頃に川辺で勉強する回想が、出雲大社の神楽殿では両親の結婚式が、松江城大手前では乃木と同期の山本が缶コーヒーを手に話す場面が撮影されました。続編では出雲日御碕灯台周辺の海岸がキプロスの風景として使われ、乃木ともう一人の自分「F」の会話が撮られています。東京・関東・岐阜から島根まで、国内10か所の聖地と話数ごとの見どころを紹介します。
神田明神・岐阜県庁から島根まで、国内10か所の撮影地
別班の連絡所となる神田明神と、櫻井司令が参拝する布多天神社、撮影に使われた群馬・茨城・岐阜の庁舎建築、そして乃木家のルーツが眠る島根の屋敷や社寺、灯台まで、国内各地の風景が物語の重要な場面を支えました。登場する話数と実際の見学条件を確かめながら巡ることができます。
1神田明神(神田神社)|別班の招集を告げる赤い饅頭と、江戸総鎮守の参拝
東京都千代田区外神田2-16-2にある神田明神(正式名称:神田神社)は、乃木憂助がスーツ姿で日課のように参拝する神社です。境内の御神木(大イチョウ)の根元にある小さな祠をのぞき込み、そこに「赤い饅頭(別班饅頭)」が供えられていると別班の緊急招集がかかる設定でした。第1シーズンから2026年の続編第11話冒頭まで、物語が動き出す起点として繰り返し登場しています。
天平2年(730年)創建と伝わる江戸総鎮守で、総檜造の隨神門を抜けると、1934年(昭和9年)造営の朱塗りの御神殿(国の登録有形文化財)が正面に立ちます。参拝時は御神殿に向かって右手にある御神木の大イチョウや隨神門の彫刻を見学でき、境内文化交流館「EDOCCO」の売店などでは公式グッズの「別班饅頭」も販売されています(JR御茶ノ水駅聖橋口・東京メトロ新御茶ノ水駅・末広町駅から徒歩約5分)。
出典:神田明神公式サイト / 千代田区観光協会・神田明神(神田神社) / TBS公式オンラインショップ・VIVANT 別班饅頭 / ASCII.jp・VIVANT国内ロケ地特集(神田明神)
出典:TBS・公式国内ツアーの案内 / クラブツーリズム・神田明神、布多天神社、深大寺の撮影場面
2布多天神社|櫻井司令が参拝する、御神牛のある神社
東京都調布市調布ケ丘1-8-1の布多天神社は、乃木憂助の上司である別班の櫻井里美司令が、御神牛のある境内で参拝する場面の撮影地です。また、深大寺のそば店「八起」の前も、乃木が櫻井司令から指令を受ける場面の撮影に使われました。
延長5年(927年)編纂の「延喜式」神名帳にも名を連ねる多摩地域有数の神社で、少彦名命と菅原道真公をまつっています。京王線の調布駅北口から徒歩約5分と都心からのアクセスがよく、ケヤキやクスノキの緑に囲まれた参道と木造の社殿、境内の御神牛を落ち着いて参拝できる場所です。
出典:調布市観光協会・布多天神社の案内 / ASCII.jp・布多天神社と周辺の撮影場面
出典:TBS・公式国内ツアーの案内 / クラブツーリズム・神田明神、布多天神社、深大寺の撮影場面
3群馬県庁 昭和庁舎|バルカの施設を演じた、1928年竣工の洋風庁舎
群馬県前橋市大手町1-1-1にある群馬県庁の「昭和庁舎」は、第1シーズン第5話に登場する、バルカの軍事施設として撮影された建物です。1928年(昭和3年)に建築家・佐藤功一の設計で建てられた鉄筋コンクリート造3階建ての歴史的庁舎で、国の登録有形文化財に登録されています。
1階外壁の擬石タイルと3連アーチの正面玄関、2・3階の褐色のスクラッチタイル、高い天井と木の階段が残る館内意匠が重厚な空気をつくり、劇中ではバルカの施設を表しています。現在も展示室や会議室、カフェとして一般開放されており、隣の県庁本庁舎32階にある無料の展望ホールとあわせて見学が可能です(JR前橋駅からバスで約6〜10分「県庁前」下車)。
出典:ぐんまフィルムコミッション・第5話の撮影支援 / 群馬県公式・群馬県ロケ地マップ
4茨城県庁 三の丸庁舎|1930年築の旧県庁舎に残る、タイルと石を組み合わせた外観
茨城県水戸市三の丸1-5-38にある「茨城県三の丸庁舎」は、「VIVANT」の撮影に使われた旧茨城県庁本庁舎です。1930年(昭和5年)に置塩章の設計で建てられた近世ゴシック様式の鉄筋コンクリート造3階建て建築で、中央にそびえる塔屋と白い御影石の車寄せ、左右対称のスクラッチタイル外壁が目を引きます。
水戸城三の丸の堀に隣接する敷地に立ち、JR水戸駅北口から徒歩約12分で訪れることができます。現在は県の公共窓口や生涯学習センターなどが入る複合施設として使われているため、外観や公開エリアを見学する際は来庁者や業務の妨げにならないよう配慮して散策してください。
出典:いばらきフィルムコミッション・VIVANTの撮影支援 / 茨城県公式ホームページ
5岐阜県庁|続編の撮影地と、玄関前のモニュメント・公式フォトスポット
岐阜県岐阜市薮田南2-1-1の岐阜県庁(2023年開庁の現庁舎)は、2026年放送の続編(第2シーズン)の撮影地です。第12話で納豆を食べる場面は、1階の「ホワイエ」で撮られました。
岐阜県は放送に合わせて2026年8月31日から庁舎正面玄関前に「VIVANT」モニュメントを設置し、1階ホワイエには劇中の場面を再現した公式フォトスポット(郡上市製の納豆食品サンプルを使って撮影できるコーナーなど)を開設しました。1階ホワイエと20階展望ロビーはいずれも無料で一般開放されており、展望ロビーからは岐阜城がそびえる金華山や長良川、伊吹山まで一望できます(JR岐阜駅・名鉄岐阜駅からバスで約20分「県庁」下車)。
出典:岐阜県公式・日曜劇場「VIVANT」モニュメントとフォトスポット案内 / 岐阜県知事会見・第12話の撮影場面 / ASCII.jp・岐阜県庁の撮影場面と展望ロビー
恵那市・岩村城下町のロケ地と、明知鉄道のラッピング列車
岐阜県内では、恵那市岩村町の重要伝統的建造物群保存地区「岩村城下町」でも続編第11話の走行場面(本通り沿いの「木村邸」外観前など)が撮影されました。さらに地元を走る明知鉄道(恵那駅〜明智駅)では、番組ロゴをあしらった「VIVANT」ラッピング列車が2027年3月末まで運行されており、岩村駅から徒歩約10分で城下町の古い町並みを歩けます。
出典:恵那市観光協会岩村支部・岩村城下町 / 明知鉄道公式ホームページ
6櫻井家住宅・可部屋集成館|乃木の家族の記憶が残る島根の撮影地
奥出雲町上阿井にある櫻井家住宅・可部屋集成館は、乃木の実家として撮影された場所です。第1シーズンの第5話と第9話に登場し、公安警察の野崎が乃木の伯父・寛道へ話を聞く場面や、高校生の憂助、若い両親の回想が撮られました。
住宅は1738年に建てられた国の重要文化財です。可部屋集成館には、櫻井家に伝わる品など約4,500点が収蔵されています。通常の開館期は3月下旬から12月上旬で、月曜と冬期は休館です。券種には集成館と庭園の共通券と、それぞれの単独券があります。見たい場所に合わせて券種と公開日を確かめてください。
「可部屋」は、江戸時代にたたら製鉄を担い、松江藩の鉄師頭取を務めた櫻井家の屋号です。1644年に上阿井で製鉄業を始め、館の資料には武具や調度品、美術工芸品のほか製鉄に関わる古文書も残っています。櫻井家は戦国武将・塙団右衛門の末裔と伝わり、大坂夏の陣の後に母方の姓を継いで奥出雲で製鉄を担いました。武家の系譜から鉄づくりの生業へと続いた歩みが、収蔵品の背景にあります。
庭園にも独自の来歴があります。1803年に松江藩主の松平治郷を迎えた際に整備され、落差約15メートルの滝には「岩浪」と名が付けられました。この「岩浪の滝」とともに、借景の寿宝山が庭の眺めをつくります。庭の向こうへ視線を伸ばすと、住宅の敷地を越えて山の緑までが一つの景色に重なります。
出典:島根県観光連盟・櫻井家住宅のロケ地案内 / しまね観光ナビ・可部屋集成館
資料館・庭園と、予約して聞く櫻井家の話
住宅の建物群は、主屋のほか釜屋や後座敷、土蔵、厩などで構成されています。主屋の座敷は床や違棚、付書院を備えた書院造で、数寄屋風の意匠も取り入れられました。通常の見学対象は資料館と庭園で、秋には住宅周辺のモミジが赤く色づきます。
櫻井家の歴史を詳しく聞きたい人には、当主夫人による抹茶のおもてなしを受ける予約制の体験もあります。所要時間は約60分で、実施時期は3月下旬から12月上旬です。3名以上で申し込め、料金は一人3,500円です。通常の入館券とは別の体験になるため、実施日と申し込みの可否は観光窓口へ問い合わせてください。展示を見るだけでなく、家に伝わる話を直接聞く時間も選べます。
出典:文化庁・櫻井家住宅の建築 / 島根県観光連盟・櫻井家の紅葉 / 奥出雲町観光ガイド・櫻井家のお茶体験
7鬼の舌震|回想の場面を支えた奥出雲の渓谷
鬼の舌震は、大きな岩と渓流が続く奥出雲の景勝地です。第1シーズン第9話では、乃木憂助の父・乃木卓が学生時代に川辺で勉強する回想がここで撮影されました。
渓谷の長さは約2.3キロメートルあり、整備された遊歩道から岩と川の流れを眺められます。ドラマの川辺での撮影は特別な許可のもとで行われたため、観光で訪れる際は遊歩道から景色を楽しみましょう。
鬼の舌震は、斐伊川の支流・大馬木川の急流が長い年月をかけて岩を削ったV字の渓谷です。谷には大天狗岩や小天狗岩の岩壁がそびえ、川底には水流で削られた大小の甌穴が見られます。はんど岩や亀岩、千畳敷といった奇岩も点在し、2013年には高さ45メートル、長さ160メートルの「舌震の“恋”吊橋」が架けられました。
地名は、「出雲国風土記」に登場する女神を恋い慕うワニの伝承にちなみ、「ワニのしたふ」が変化したものと伝わります。ドラマの回想場面とともに、奇岩の造形と土地の伝承に触れられる場所です。
出典:島根県観光連盟・鬼の舌震の撮影案内 / しまね観光ナビ・鬼の舌震
渓谷沿いの遊歩道は2キロメートル弱で、往復の目安は約60分です。春から初夏は新緑、秋は紅葉が谷を彩り、季節ごとの渓谷美を味わいながら歩けます。
8出雲大社 神楽殿|両親の結婚式を撮影した参拝の場
出雲大社の神楽殿は、第1シーズン第9話で乃木憂助の両親が結婚式を挙げる場面に使われました。若い頃の父・乃木卓を林遣都、母・明美を高梨臨が演じています。
神楽殿は、出雲大社の宮司家の大広間「風調館」を起源とする建物です。現在の大広間は270畳あり、正面の破風には神社建築では珍しいステンドグラスがはめ込まれています。大しめ縄に目を引かれたあとは、屋根まわりも見上げてみてください。木造の社殿に彩りガラスを取り入れた意匠も、この神楽殿ならではの見どころです。
正面に掛かる大しめ縄は長さ約13メートル、重さ5.2トンあり、数年に一度新しい縄へ懸け替えられます。前庭には高さ47メートルの国旗掲揚塔が立ち、掲げられる国旗は縦8.7メートル、横13.6メートルの75畳分という大きさです。神楽殿の後方には宮司家の祖先神や天満宮などをまつる鎮守社が並び、掲揚塔の南には祓社と金刀比羅宮が鎮座しています。
出典:島根県観光連盟・神楽殿のロケ地案内 / 出雲大社公式
現在の神楽殿は1981年(昭和56年)に造営され、大しめ縄も幾度か取り替えられてきました。注連縄の張り方は一般的な神社と左右が反対で、左側を上位とする古い習わしに由来しています。
出典:出雲大社・神楽殿と大注連縄の取り替え / 出雲大社・注連縄について
神楽殿は現在も祈祷や婚礼、祭事の場として使われており、乃木の両親の婚礼を撮影した建物で実際に結婚式が挙げられています。神在祭の期間には「夜神楽祈祷」も執り行われます。
出典:出雲大社・神楽殿の用途 / 出雲大社・神在祭の夜神楽祈祷
9松江城大手前|乃木と山本の会話を思い出す城下町
松江城大手前は、第1シーズン第3話で乃木と同期の山本が缶コーヒーを手に話す場面の撮影地です。大手前から島根県庁の周辺へ広がる城下町の一角が使われました。建物の中に入らなくても、堀や城山のある街並みから当時の場面を思い出せます。
大手前からは松江城の天守も見上げられます。天守の内部へ入ると、二階分を貫く通し柱や、完成時期を示す祈祷札の複製を見学できる造りです。最上階の望楼は壁を設けず高欄を巡らせており、松江の城下を360度見渡せます。
10出雲日御碕灯台周辺|島根の海が、海外の場面になる
出雲日御碕灯台の周辺では、続編の第12話で乃木と、彼の中に時折現れるもう一人の自分「F」が海岸で話す場面が撮影されました。作中ではキプロスの灯台がある海岸として登場しますが、実際の所在地は島根県出雲市です。
白い石造灯台は1903年4月1日に初点灯し、地面からの高さは約43.65メートルあります。島根半島の西端に立ち、長年にわたって沖を行く船を支えてきました。画面では海外の景色として映った白い塔に、出雲での百年を超える歴史が刻まれています。
建物は、石造の外壁の内側にレンガ壁を設けた二重殻構造です。163段のらせん階段を上った展望台からは、360度の海と山を一望できます。ドラマで見た海岸とあわせて、高い位置から島根半島の海を眺められる場所です。
入口手前の資料展示室で、灯台の役割を知る
灯台の入口手前には資料展示室も併設されました。灯台の模型や山陰各地の灯台紹介、役割を伝えるグラフィック、ジオラマが並び、灯台の仕組みを分かりやすく学べます。
日御碕灯台では、国内で5基が現役で使われている第1等フレネルレンズがいまも光を放っています。ドラマでキプロスを表した白い塔が、出雲の海で船の安全を守り続けていることを実感できる展示です。
出典:燈光会・出雲日御碕灯台の資料展示室 / 燈光会・展示内容 / 海と灯台プロジェクト・第1等レンズ
公式ロケ地マップで、田部家土蔵群や境水道大橋など山陰の撮影地も探す
島根県内ではこのほかにも、第1シーズンで丸菱商事の会食場面などに使われた出雲市の一畑薬師や、続編第14話でバンコクの橋の場面として撮影された松江市・境港市の境水道大橋、第14・15話で公安の東条が潜伏する場面に登場した雲南市吉田町の田部家土蔵群など、数多くのロケ地が公開されています。また隣の鳥取県でも、米子鬼太郎空港や鳥取砂丘コナン空港、JR生山駅などが続編の撮影に使われました。
島根県観光連盟の公式ロケ地マップは、撮影場所の写真と地名、登場する話数や場面が一覧になった資料です。山あいの奥出雲・雲南から松江の城下町、出雲の海岸線まで移動距離があるため、気になるところを事前に選んでエリアごとに組み合わせると無理なく回れます。
出典:VIVANT×島根県・第1シーズンと続編のロケ地情報 / ASCII.jp・山陰エリアの注目ロケ地
作品をもっと知る|VIVANTの任務と家族
神田明神は別班の任務、島根の屋敷や神楽殿は乃木の家族に関わる場所です。ここからは第1シーズンの人物関係を振り返り、海外ロケや演技・音楽の制作も紹介します。
130億円の誤送金から、父を追う任務へ
第1シーズンは、丸菱商事の社員・乃木憂助が130億円の誤送金を取り戻すため、送金先のバルカ共和国へ向かうところから始まります。現地で爆発事件の犯人と誤認された乃木は、公安警察の野崎守や医師の柚木薫と出会い、ともに脱出を図りました。
やがて、商社マンとは別の乃木の顔が明かされます。自衛隊直轄の非公認組織「別班」の諜報員として、国際テロ組織「テント」を追っていたのです。公安警察の野崎とは、立場を異にしながら同じ事件の真相へ迫っていきます。
テントを率いる指導者「ベキ」は、乃木の実の父でした。島根の回想場面に登場する父・乃木卓とベキが同一人物だと分かり、物語は親子の過去へとつながっていきます。
出典:TBS公式・前作のあらすじ / TBSチャンネル・第1シーズンの作品紹介 / 島根県観光連盟・話数と場面を掲載したロケ地マップ
乃木憂助と、任務や家族でつながる人物
乃木憂助
堺雅人が演じる商社の社員です。誤送金の解決のため渡航し、自らの家族の過去とも向き合います。
乃木卓
乃木憂助の父です。若い頃を林遣都が演じ、島根の川辺や神楽殿での回想に登場します。
野崎守
阿部寛が演じる公安警察の捜査官です。バルカ共和国で乃木と出会って脱出をともにする一方、彼の行動を見極めようとします。
柚木薫
二階堂ふみが演じる医師です。人を救う仕事を通して乃木たちと関わり、逃走の緊張の中にも命を守る視点を持ち込みます。
黒須駿
松坂桃李が演じる、乃木と同じ別班の諜報員です。任務を担う者同士の関係が、物語の信頼と疑念に関わります。
東京・地方都市・山陰の風景が織りなす物語の舞台
「VIVANT」は、商社に勤める乃木憂助を軸に展開するTBSの日曜劇場です。巨額の誤送金をきっかけに国内外の組織が絡み合い、乃木の過去と家族の記憶が現在の行動へと結び付いていきます。
別班の連絡所となる神田明神と、櫻井司令が参拝する布多天神社、撮影に使われた群馬・茨城・岐阜の庁舎建築、そして乃木のルーツを映した島根の屋敷や日御碕灯台まで、国内各地の風景が一つのドラマの中で異なる場面を支えています。
別班の合図
神田明神は乃木が通う別班の連絡所、布多天神社は櫻井司令が御神牛のある境内で参拝する場所です。
家族の記憶
島根の櫻井家住宅や出雲大社神楽殿など、乃木の実家や両親の過去に結び付く場所です。
海外を表す風景
群馬県庁昭和庁舎はバルカの軍事施設、出雲日御碕灯台はキプロスの海岸として撮影されました。
出典:TBS「VIVANT」公式 / 島根県観光連盟・ロケ地マップ
モンゴルのロケと、演技・脚本・音楽の制作
主人公の乃木を堺雅人が演じ、原作と演出、プロデュースを福澤克雄が担当しました。既存の原作を持たないオリジナルのドラマで、野崎守役の阿部寛や柚木薫役の二階堂ふみら、立場の異なる登場人物の駆け引きが物語を動かします。
福澤監督と島根の縁は、以前に手掛けたドラマ「砂の器」の撮影から続いてきました。奥出雲を訪れた際に景色と食事を気に入り、都合で撮影地を変更しようとしたときには、町の観光担当者が京都の撮影現場まで足を運んでくれたと振り返っています。その熱意を受けて再び奥出雲へ向かい、仁多米のおにぎりを味わって町の人々と交流しました。その後も映画「私は貝になりたい」などの撮影で島根を訪れています。
モンゴルの撮影と、俳優に任せた細部の演技
第1シーズンのバルカの場面はモンゴルで撮影され、福澤監督も現地に約2か月滞在しました。慣れない土地での撮影は想定以上に大変だったものの、俳優陣との現場は円滑に進んだと振り返っています。最初に演技の方向性を伝えたあとは、俳優がそれぞれ自分で考えて演じる形を取りました。
乃木の正体を明かす前に、逃走劇を見せる
物語の構成でも、初めから乃木が別班だと明かす形は取りませんでした。福澤監督は当初、第1話で正体を見せる案も考えていましたが、展開を先読みされないように方針を変えています。第1話では逃げる、隠れる、突破する動きを前面に出し、第4話で正体が判明する構成を選びました。
その一方で、後の展開につながる手掛かりは画面の中に残しています。盗聴器が仕掛けられている場面や、乃木がFと話すときに鏡を見て言葉をかける場面です。正体が明かされる前の映像にも、あらかじめ後の展開へつながる伏線を含ませていました。
千住明へのテーマ曲の依頼
音楽を担当した千住明は、普段は脚本を読んでから作曲に取り掛かると話しています。ところが「VIVANT」のメインテーマでは、福澤監督から「誰が聴いてもこの作品だと分かる曲を作ってほしい」という短い依頼だけを受け、監督はそのままモンゴルへ出発したそうです。当時のやり取りを、2024年のラジオ番組で振り返っています。
2026年の続編では、海外の撮影環境も準備
第2シーズンの海外ロケ地はアゼルバイジャンとタイです。アゼルバイジャンへ先に入った担当者は、3か月半から4か月ほど現地に滞在しました。美術やロケ地の確認、劇用車の手配、現地スタッフとの態勢づくりを整えてから本隊の撮影チームを迎えています。
続編は、前作の最後の場面から直結する物語です。神田明神での異変から再び物語が動き出し、日御碕の海辺でFと向き合う場面へもつながっていきます。
第2シーズンに合わせて、登場人物の幼少期を描くサイドストーリー「ドラムーVIVANT THE ORIGIN STORYー」と「チンギスーVIVANT THE ORIGIN STORYー」も制作されました。野崎との信頼を大切にするドラムと、バルカの警察官チンギスがどのような子ども時代を過ごしたかを描く二作品です。チンギス編では、バルカが貧しかった時代を背景に、彼の成長とベキを慕う理由にも触れています。
二作品とも撮影は日本国内で行われました。ドラム編の子役は、大人のドラムを演じる俳優と鏡を並べて見比べながら、眉の上げ方や背を丸めずに立つ姿勢を練習しています。ドラム編第4話の羊の場面では、牧場から35頭を借り、事前に動きの習性を調べてセット内に通り道を組みました。
本作は「東京ドラマアウォード2024」の連続ドラマ部門でグランプリを受賞しました。
第1シーズンから続編までの放送と関連作品
- 2023年夏第1シーズンを放送ドラマ
- 2023年8月30日ノベライズ上巻発売書籍
- 2023年9月7日JTBとの島根ロケ地ツアーを発表地域企画
- 2023年9月15日櫻井家の家紋を描いた「乃木家のクッキー」を発売ロケ地商品
- 2023年9月21日ノベライズ下巻発売書籍
- 2023年12月27日全話ディレクターズカット版のBlu-ray・DVD発売映像商品
- 2025年6月11日第1シーズン直後から描く続編を発表続編
- 2025年6月20日小野賢章の朗読によるノベライズの音声版を配信開始音声作品
- 2026年7月23日第1シーズン全10話のシナリオブック発売書籍
- 2026年7月26日第2シーズンの放送開始ドラマ
- 2026年8月31日岐阜県庁にモニュメントと公式フォトスポットを設置地域企画
放送や配信には視聴できる期間があるため、見たい回の配信期限を確かめてください。
出典:TBS番組公式 / TBS・発売日と地域企画、続編発表 / TBS・続編放送の案内 / 岐阜県公式 / 島根県観光連盟
作品を読み返すガイドブックとTBSの関連グッズ
別班饅頭やヴィヴァンちゃんなどの関連グッズは、TBSのオンラインショップや神田明神の売店などで購入できます。購入時は、商品ごとの販売期間と在庫を確かめてください。
研究所メモ|ビジネスの視点から:場面写真で設定地と実際の撮影地をつなぐ
島根県の公式ロケ地マップや岐阜県庁のフォトスポット展示は、撮影場所を場面写真や話数とともに確かめられる取り組みです。群馬県庁昭和庁舎がバルカの軍事施設、出雲日御碕灯台がキプロスの海岸として登場するように、画面上の設定だけではどこで撮ったか分からない場面も少なくありません。自治体や観光団体の丁寧な案内が、作品の記憶と現地の場所をつなぐ助けになっています。
ほかの地域でも参考にできるのは、作中の場面と実際の見学内容をセットで示す点です。神田明神では参拝や別班饅頭の購入ができ、櫻井家住宅では資料館と庭園の見学に加えて予約制のお茶体験も案内されています。撮影時の演出や立入範囲と通常の公開範囲を区別したうえで、施設本来の見どころを伝える案内が役立ちます。
関連する研究所の記事:旅行会社・観光地の商品設計
出典
- TBS日曜劇場「VIVANT」公式サイト
- 神田明神公式サイト
- 調布市観光協会・布多天神社
- 岐阜県公式・日曜劇場「VIVANT」を契機とした観光振興
- ぐんまフィルムコミッション・第5話撮影支援
- いばらきフィルムコミッション・支援作品紹介
- 島根県観光連盟・公式ロケ地マップ
- 島根県観光連盟・ロケ地マップPDF
- TBS・続編についての公式記事
- 出雲大社公式サイト
会期・営業時間・チケットは執筆時点の情報です。お出かけ前に各公式サイトで最新の情報を確認してください。
よくある質問
神田明神では「VIVANT」のどの場面が撮影されましたか?
主人公・乃木憂助が日常的に参拝し、境内の御神木(大イチョウ)の脇で赤い饅頭(別班饅頭)を確認して別班の緊急招集を知る場面です。第1シーズンから続編第11話の冒頭まで繰り返し登場し、境内の売店では公式グッズの別班饅頭も販売されています。
神田明神では何を見られますか?
見どころは隨神門や御神殿、御神木の大イチョウです。参拝とあわせて乃木が足を運んだ神社の風景を眺め、境内で別班饅頭を購入することもできます。
岐阜県庁のロケ地やフォトスポットは土日も見学できますか?
1階ホワイエのフォトスポットや20階展望ロビー、正面玄関前の「VIVANT」モニュメントは一般開放されており、開庁時間内であれば見学できます。週末の開放時間やイベント予定は岐阜県公式ページで確認してください。
「VIVANT」の島根ロケ地には何がありますか?
櫻井家住宅、鬼の舌震、出雲大社神楽殿、松江城大手前、出雲日御碕灯台、雲南市の田部家土蔵群などです。乃木の実家や両親の回想、山本との会話を思い出す風景を訪ねられます。
乃木の実家の撮影場所は?
島根県奥出雲町の櫻井家住宅・可部屋集成館です。文化財として公開される範囲と時間を確認して訪ねてください。
作中の海外はすべて実際のその国で撮影していますか?
作品の設定地と撮影地は一致するとは限りません。群馬県庁昭和庁舎がバルカの施設として、島根の日御碕灯台周辺も海外の場面として使われています。
鬼の舌震のどんな景色を楽しめますか?
約2.3キロメートルの渓谷に、巨岩と川の流れが続きます。遊歩道から自然を眺めながら、主人公の父・乃木卓の回想場面を思い出せます。
松江城大手前ではどんな場面を撮影しましたか?
第1シーズン第3話で、乃木と同期の山本が缶コーヒーを手に話す場面です。堀と城山のある松江の街並みを眺めながら、二人の会話を思い出せます。
第1シーズンと続編のロケ地は同じですか?
第1シーズンの東京・群馬・茨城・島根に加え、続編には岐阜県庁や恵那市の岩村城下町、島根県安来市や雲南市の撮影地も登場します。
公式グッズはどこで探せますか?
TBSのオンラインショップや神田明神の売店などでオリジナルグッズを購入できます。商品ごとの販売期間と在庫は販売先で確認してください。


