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Robloxの​決算で​DAU1.51億人/ハローキティが​2028年に​映画化決定​【週刊推し活ニュース 2025年10月31日号】

2025年10月24日〜10月30日の1週間から、企業の推し活マーケティング・ファンビジネスの注目ニュースをお届けします。

今週のハイライト

今週のキーワードは、ファンの熱量が、決算資料と市場予測の数字になったでした。

Robloxが発表した2025年第3四半期決算では、日次アクティブユーザー(DAU)が前年同期比70%増の1億5,150万人に到達。売上高は前年同期比48%増の14億ドル、総エンゲージメント時間は同91%増の396億時間となりました。アニメ市場を対象にした調査では、2024年の約428億米ドルが2035年には約805億米ドルへ成長すると予測されています。

広告業界の側でも、この熱量を経営指標として捉える動きが出ています。大広は「感動CX」を軸に「推し顧客」を創造するマーケティング手法を提唱。極楽湯グループは同じ11月に、ヒロアカとウマ娘という2本のアニメコラボを別々の店舗網で同時に走らせました。ファンの熱量は、もはや現場の盛り上がりだけでなく、決算書や市場予測の中で語られる数字になっています。

Robloxの決算が示す、推し活プラットフォームの規模

Roblox — 2025年第3四半期、DAU1億5,150万人で最高更新

Robloxが2025年第3四半期(7月1日〜9月30日)の決算を発表しました。日次アクティブユーザー(DAU)は前年同期比70%増の1億5,150万人に到達し、2025年第2四半期の史上最高記録1億1,180万人をさらに上回りました。売上高は前年同期比48%増の14億ドル、総エンゲージメント時間は同91%増の396億時間です。地域別ではAPAC(アジア太平洋地域)のDAUが同108%増と最も高い伸びを記録し、年齢層別では13歳以上のDAUが同89%増で1億人を突破しました。一方で純損失は2.5億ドルとなり、クリエイターへの支払いが同85%、サーバー強化やAI導入などのインフラ費用が同61%拡大しています(Mogura VR)。

同時期、ゲーム業界の調査会社Newzooも別レポートでRobloxを分析し、DAUは約1億1,200万人、2025年第2四半期のクリエイター報酬は3億1,600万ドルと発表。13歳以上のユーザーは2025年第2四半期に前年同期比54%増と急増しており、この層は購買力が高く、より高度なコンテンツを求める傾向があるとしています(Mogura VR)。

研究所メモ: 2つのレポートに共通するのは「13歳以上」という年齢層への注目です。子ども向けプラットフォームという印象が強いRobloxですが、実際に伸びているのは自分の意思で課金できる層でした。ファンプラットフォームの価値を測るとき、利用者数だけでなく年齢構成と購買力を分けて見る視点が必要になっています。推し活の市場規模を考える上でも、参考になる動きです。

配信企業とタレント企業が、大型コラボで話題を独占した

Twitch×ホロライブプロダクション — 17人が24時間ジャックする「ホロデイ」

ライブ配信サービスのTwitchが、ホロライブプロダクションとの初のコラボイベント「ホロデイ」を11月20日(木・太平洋標準時間)に開催すると発表しました。当日はTwitchのトップページが特別仕様に変更され、24時間連続の配信イベントとなります。参加するのはホロライブインドネシア、ホロライブEnglish、HOLOSTARS Englishのタレント17名。視聴者特典として、期間中に配信を視聴したユーザーには、カバー株式会社代表取締役社長CEOの谷郷元昭氏をモチーフにしたグローバルエモートがプレゼントされます(Mogura VR、corriente.jp)。

研究所メモ: Twitchがトップページを24時間まるごと配信仕様に変えたのは、単発のコラボ告知ではなく「その日はプラットフォーム自体をホロライブ色に染める」という設計です。視聴特典に運営元カバー社長本人をモチーフにしたエモートを用意した点も、ファンの参加体験をブランドの記憶に直結させる仕掛けといえます。プラットフォーム側がタレントの熱量を借りるときは、場そのものの演出と特典設計を一体化させることが鍵になりそうです。

日本マクドナルド — 声優とVTuberが共演する替え歌キャンペーン

日本マクドナルドが、動画「チキチキンっていいな feat. 野沢雅子&内村航平&ベガ&FUWAMOCO」を公開しました。アニメ「まんが日本昔ばなし」のエンディング曲「にんげんっていいな」を替え歌にした、新商品「チキチキン THE ガーリックペッパー」(10月29日発売)のプロモーション映像です。声優の野沢雅子さん、元体操競技選手の内村航平さん、『ストリートファイター』シリーズのベガ、ホロライブのFUWAMOCOが共演し、SNSでは「公式が病気」といった反応とともに話題になりました(インサイド)。

研究所メモ: プラットフォーム側(Twitch)とファストフード側(マクドナルド)で、コラボの狙いは対照的です。Twitchは自社の視聴時間を伸ばすために既存タレントの熱量を借り、マクドナルドは商品告知に短期的な話題性を借りています。同じ「タレント起用」でも、恒常的なファン基盤づくりか、単発の露出稼ぎかで設計が変わることが分かる週でした。

マーケティング業界と調査会社が、「推し」を数字にした

大広 — 「推し顧客」を生む新メソッドを提唱

広告会社の大広が、9月25日・26日に開催された「アドタイ・フォーラム2025」で、新たなマーケティングメソッド「ダイレクトドリブン・マーケティング」を発表しました。大広ダイレクトドリブンマーケティングユニットの藤井耕平氏、岡嶋瞳氏が登壇し、「感動CX×フルファネル」を核に、顧客の「量的理解」と「質的理解」からプランニングゴールを設定する手法を解説。岡嶋氏は「感動体験をカスタマージャーニーに仕込むことで、感情が一気に高まってブランドに惚れる『推し顧客』が生まれる」と述べ、単なるファンとは一線を画す存在だと説明しています(AdverTimes.)。

研究所メモ: 大広の手法で注目すべきは、「感動」を偶然の産物ではなくカスタマージャーニー上に意図的に仕込む設計対象として扱っている点です。量的理解と質的理解を両輪にしてプランニングゴールを決めるという順序は、感覚的なファン施策を再現可能なプロセスに落とし込む試みといえます。「推し顧客」という言葉自体、単なる購買客と切り分けて育てる対象と定義し直した点も、企業がファンを見る解像度を上げるヒントになります。

SDKI Analytics — アニメ市場、2035年に805億ドルへ

調査会社SDKI Analyticsが「アニメ市場に関する調査レポート:予測2025-2035年」を発行しました。アニメ市場規模は2024年に約428億米ドルに到達し、CAGR(年平均成長率)約6.1%で成長、2035年までに約805億米ドルに達すると予測。成長を牽引しているのはマーチャンダイジング、体験型小売、DtoCコマースによるIP収益化とし、KADOKAWA、東宝、バンダイナムコなど大手IPホルダーはパッケージ製品から多額の収益を上げていると分析しています。一方で、著作権侵害と無許可ストリーミングが業界の収益とクリエイターへの投資を損なう懸念点として挙げられました(AdverTimes.)。

研究所メモ: 成長の牽引役として挙げられているのが、作品そのものの視聴収益ではなくマーチャンダイジング・体験型小売・DtoCコマースというIPの二次展開である点が示唆的です。大手IPホルダーがパッケージ商品から多額の収益を上げているという指摘は、コンテンツを起点にしたグッズ・体験ビジネスの比重が今後さらに増すことを裏づけています。一方で著作権侵害や無許可ストリーミングが懸念点として名指しされており、市場拡大とセットで権利保護への投資も避けて通れない課題です。

タカラトミーアーツ — ガチャが定番の日本土産に

タカラトミーアーツのガチャ・キャンディ事業部ガチャ企画部長・大槻淳氏が、カプセルトイ「ガチャ」の訪日観光客への人気について語りました。海外の一般ユーザーによるSNS投稿が拡散されたことをきっかけに「ガチャショップに訪れる」のが日本旅行の定番になりつつあるといい、関西国際空港第1ターミナルの専門店「GACHAMATSURI」も、中国のSNS「RED(小紅書)」への投稿がきっかけで多くの来店につながったといいます。同社は成田空港に多言語対応の売り場を設けたほか、浅草・渋谷・原宿など観光地の定番エリアにも大型専門店を出店し、接触機会の拡大を図っています(AdverTimes.)。

研究所メモ: 大広の「推し顧客」メソッドとタカラトミーアーツのガチャ戦略は、狙いが重なっています。どちらも「感動のタイミング」を偶然に任せず、動線上に設計している点です。ガチャの場合はSNS投稿という偶発的な拡散をあえて起点にし、そこから逆算して出店場所を決めていました。推し活マーケティングの設計原則にもある通り、ファンの熱量は自然発生を待つより、拡散の起点を先に見つけて設計するほうが再現性を持たせやすいと分かります。

温浴施設が同じ月に仕掛けた、二本のアニメコラボ

極楽湯・RAKU SPA×ヒロアカ — コラボ第2弾を27店舗で開催

TVアニメ『僕のヒーローアカデミア』と極楽湯・RAKU SPAのコラボ第2弾「極楽の更に向こうへ!PLUS ULSPA(プルスウルスパ)!」が、2025年11月13日から12月9日まで、極楽湯RAKU SPAグループ26店舗とパートナー1店舗の計27店舗で開催されます。入館時に追加料金を支払うと全12種のコラボ限定マフラータオルがランダムでもらえるほか、コラボフード全7種、コラボドリンク全12種、キャラクターの“個性”をイメージした6種類の「ヒーローの湯」を用意。緑谷出久(CV.山下大輝)による録り下ろしの館内放送も実施されます。原作コミックスは世界累計発行部数1億部を突破しています(超!アニメディア)。

研究所メモ: このコラボは、追加料金で受け取れるマフラータオルを全12種のランダム配布にしている点が特徴です。目当ての1種を求めて複数回来店・追加課金する動機を作る、ガチャ的な設計が温浴施設の集客にそのまま応用されています。フード・ドリンク・入浴剤・館内放送と、視覚だけでなく味覚・聴覚にまでコラボ要素を広げている点も、原作ファンの滞在時間と単価を同時に押し上げる工夫といえます。

極楽湯×ウマ娘 シンデレラグレイ — 11店舗で12月まで開催

極楽湯がGK Marketingと共同主催で、アニメ「ウマ娘 シンデレラグレイ」とのコラボキャンペーンを11月13日から12月9日まで、極楽湯グループ11店舗で開催します。入館料にプラス料金でコラボ限定マフラータオルがもらえる「プラスセット」のほか、等身アクリルスタンドやTシャツを販売。コラボメニューには「圧巻オグリ盛りコロッケ定食」などキャラクターをイメージしたフードを揃え、店舗でコラボグッズを2,000円購入するごとにオリジナルデザインのクリアカードがランダムでもらえます。コラボ風呂は期間を分けて6種類が登場します(インサイド)。

研究所メモ: 同じ極楽湯グループが、同じ11月13日開始で2本の別々のアニメコラボを、別々の店舗網で走らせていました。1つの施設ブランドが複数のIPと同時に組むことで、来店動機の異なるファン層を取りこぼさず拾える構造です。温浴施設という「毎日は行かないが特別な日には行く」場所ほど、複数コラボの同時展開が集客の底上げにつながりやすいと考えられます。

小売と飲食が、福袋とパンでファンとの接点をつくった

ドトール×サンリオ「ポチャッコ」— 数量限定の福袋2026

サンリオの人気キャラクター「ポチャッコ」とドトールコーヒーがコラボした「福袋2026」が、2025年12月26日の発売に先立ち10月24日より順次予約受付を開始しました。商品価格は2,300円から11,000円の全9種で、ドトール自社工場で焙煎したコーヒー豆セットやドリップカフェセットに、約25cmのオリジナルぬいぐるみやマスコットチャームなどのポチャッコグッズが付属します。公式オンラインショップ限定の福袋も2種類、合計300セット用意されました(アニメ!アニメ!)。

研究所メモ: 発売の2カ月以上前から予約受付を開始し、公式オンライン限定分を300セットに絞っている点が、購入を先延ばしにさせない工夫です。コーヒー豆という日常消費財にぬいぐるみ・チャームを組み合わせることで、普段はキャラクターグッズを買わない層にも接点を広げています。価格帯を2,300円から11,000円まで9種類用意し、ファンの熱量や予算に応じて選べる幅を持たせている点も参考になります。

乃が美×ウルトラマン — コラボ食パン第2弾

高級食パン専門店「乃が美」が、「ウルトラマン」とのコラボ食パン第2弾「ウルトラ・リッチキャラメルパン」を2025年11月1日から30日まで期間限定で発売します。2025年4月発売の第1弾で好評だったキャラメルチョコを1.5倍に増量。特典のオリジナルチャームは「ウルトラセブン」「ウルトラマンゼロ」「ウルトラマンオメガ」など全5種類がランダムでもらえます。価格はハーフサイズ1,500円、全5種が揃うコンプリートセットは8,200円です(インサイド)。

研究所メモ: 2025年4月の第1弾で好評だったキャラメルチョコを1.5倍に増量するという改善は、新しい企画を一から作るより、成功済みの要素を強化して再訴求する堅実な設計です。チャームを全5種ランダムにし、コンプリートセット(8,200円)を用意することで、単品購入(1,500円)よりも高い客単価を狙える導線になっています。第2弾という言葉自体が、初回で獲得したファンの記憶を呼び起こすフックとして機能していると考えられます。

ABC-MART×ディズニーツイステ — 4年ぶりのローファー復刻

ABC-MARTが、『ディズニー ツイステッドワンダーランド ザ アニメーション』をテーマにしたローファーコレクションを10月24日より一部店舗と公式オンラインストア限定で発売しました。前回発売時に即完売した人気シリーズの最新モデルで、4年ぶりの発売です。ハーツラビュル寮長「リドル・ローズハート」モデルと寮生モデルの2種類を用意し、価格はいずれも7,700円。発売を記念して一部店舗ではPOP-UPも開催され、推し活フォトブースとして楽しめるシューズ展示や等身大パネルが設置されます(アニメ!アニメ!)。

研究所メモ: 3社に共通するのは、期間・数量を絞った上で「福袋」「第2弾」「4年ぶり」という言葉で希少性を明示している点です。通常商品にキャラクターを付けるだけでなく、時期を区切ることで購入の意思決定を早めています。単価が数千円台の日用品でも、締切と希少性を設計すればコラボの購買力を引き出せることを示す3事例でした。

サンリオとゲーミング企業が、映像と機材でIPを広げた

サンリオ×ワーナー — ハローキティ初のハリウッド映画化

サンリオのキャラクター・ハローキティ初のハリウッド映画が、2028年7月21日にワーナー・ブラザース・ピクチャーズよりグローバルで劇場公開されることが分かりました。ニュー・ライン・シネマおよびワーナー・ブラザース・ピクチャーズ・アニメーションによる作品で、内容は現在企画開発中。サンリオ代表取締役社長の辻朋邦氏は「ハローキティをはじめとするサンリオのキャラクターが、この度ワーナー・ブラザース・ピクチャーズとそのチームとのクリエイティブなパートナーシップを通じて、ついに映画館の大スクリーンに登場することを大変嬉しく思います」とコメントしています(インサイド、シネマトゥデイ)。

研究所メモ: 公開まで3年近くを要する映画化は、四半期単位の販促とは時間軸がまったく異なる投資です。グッズやコラボ企画で積み上げてきたキャラクターの認知を、ワーナーという大手スタジオとの提携を通じて映像という新しいメディアに展開する動きといえます。サンリオ社長のコメントが「クリエイティブなパートナーシップ」という言葉を使っている点からも、自社IPを外部の専門プレイヤーに預けて新市場を開拓する戦略が読み取れます。

ロジクールG×原神 — キャラクター専用モデルのゲーミング機材

Logicoolのゲーミングデバイスブランド「ロジクール G」が、10月16日より『原神』とコラボしたキーボード「G515 LIGHTSPEED TKL 神里綾華特別モデル」(限定テーブルマット付きバンドル)とヘッドセット「G733 LIGHTSPEED 神里綾華特別モデル」を発売しました。価格はいずれも19,900円。ヘッドセットは重量266gと軽量で、USBドングル経由の低遅延ワイヤレス接続に対応し、外装にはキャラクターのシルエットやモチーフがあしらわれています(インサイド、Game*Spark)。

研究所メモ: ロジクールGのコラボは、原神というゲームのプレイヤーに向けて、実際に使う周辺機器という実用品でファン化を図っている点が特徴です。19,900円という価格は安くありませんが、軽量266gや低遅延ワイヤレスといった性能面のスペックとキャラクターデザインを両立させることで、機能とコレクション欲求の両方に応えています。作品世界の外側にあるハードウェア市場でも、キャラクターとの接点を作れることを示す事例です。

DMM Factory×東武動物公園×カラフルピーチ — 冬季コラボイベント

グッズメーカーサービス「DMM Factory」が、東武動物公園にてUUUM所属のゲーム実況グループ「カラフルピーチ」との期間限定コラボレーションを11月1日より開催します。「ウインターイルミネーション2025-2026」として2026年2月23日まで実施され、前期はイルミネーションコラボ、後期は動物園コラボを中心に展開。カラフルピーチはYouTubeチャンネル登録者数230万人を超えるグループで、DMM通販では11月1日12時からオリジナルグッズの予約販売が始まります(UUUM)。

研究所メモ: ハローキティの映画化は公開まで3年近くあるロングスパンの投資である一方、ロジクールGと東武動物公園のコラボは数週間単位で回収を狙う施策です。同じ「IPで新しい客層に会いにいく」動きでも、時間軸の長さによって企業が取れる規模とリスクは大きく異なります。自社のIP戦略がどちらの時間軸を狙っているのか、切り分けて考える必要がある事例でした。

ライブとイベントの動員数が、推し活の熱量を裏づけた

シクフォニ — 初の3Dオンラインライブに同時視聴4万人超

2.5次元タレントグループ「シクフォニ」が10月26日、自身初となる3Dオンラインライブ「SIXFONIA One Man Live【Six-tuation】vol.II -Virtual-」を公式YouTubeチャンネルにて全編無料で開催しました。同時視聴者数は4万人を超え、SNSでは「#シクフォニ3D」がトレンド上位にランクイン。2022年8月にデビューし、結成から2年でチャンネル登録者数100万人を超えた同グループは、11月・12月に大阪・東京での実地ライブも予定しています(アニメ!アニメ!)。

研究所メモ: 初の3Dライブを無料公開にしたことで、同時視聴4万人という数字と「#シクフォニ3D」のトレンド入りという可視化された実績を作れた点がポイントです。結成2年でチャンネル登録100万人という成長スピードと合わせて、この無料イベントは11月・12月の有料公演への動員力を証明する広告としても機能しています。無料接点で作った熱量の規模を、次の有料イベントの動員材料に転用する設計として参考になります。

池袋ハロウィンコスプレフェス — 昨年16.1万人動員、映画とタイアップ

2014年から毎年開催されている「池袋ハロウィンコスプレフェス」内で10月25日、12月5日公開の映画『ズートピア2』のスペシャルステージが行われました。同イベントは昨年16.1万人を動員した日本最大級のハロウィンイベントで、本作の日本版声優を務める下野紘さん、Dream Amiさんが登壇。会場には映画に登場する動物たちの仮装をしたファンが集まり、パレードを練り歩きました(アニメ!アニメ!)。

研究所メモ: どちらも「無料で見られる場所に、大きな熱量を持ち込む」という構図です。シクフォニは配信を無料にすることで4万人という数字を作り、それを次の有料ライブへの動線にしています。池ハロも入場無料のイベントに公開前の映画を持ち込み、動員力を宣伝力に変えていました。無料接点の規模を、有料化の手前でどう測るかが、動員数の使い方を左右します。

今週の所感

今週は、ファンの熱量を測る単位が、業界の外側にまで広がった週でした。

Robloxの決算資料に並ぶ「DAU1億5,150万人」「エンゲージメント時間396億時間」という数字は、ゲーム業界だけの指標ではなく、企業のIR資料や市場予測に載る種類の数字になっています。SDKI Analyticsのアニメ市場予測、大広の「推し顧客」メソッドも同じ流れの中にあります。熱量が、感覚の言葉から決算の言葉に翻訳され始めています。

一方で、極楽湯グループが同じ11月に2本のアニメコラボを別の店舗網で走らせたように、現場の設計は依然として細かな積み重ねです。1,000円台の食パンから2028年公開の映画まで、時間軸も規模もばらばらな施策が同じ週に並んでいました。数字で語られる市場の大きさと、店舗ごとの細かな設計。この両方を行き来する視点が、これからの推し活マーケティングには必要になりそうです。

自社のファン施策がどの時間軸を狙っているのか、推し活マーケティングの設計原則とあわせて、今週の動きを見てみてください。


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